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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

8000坪の山で自給生活。6坪の小屋で育む家族の温もり【岡山県美作市】

 

電気も水道もない山で7カ月のテント生活

 2014年、オーストラリアで山暮らしの思いが芽生えてから7年が経っていた。そのときも何となくインターネットで物件を探していた。パソコンの画面には、いつもと同じようにあまり代わり映えしないたくさんの山林物件が並んでいたが、その中に1つだけ目をひく物件があった。場所は岡山県美作市。縁もゆかりもない土地だが、足を運んでみることにした。

「それなりの水量がある沢が流れていたのが一番の決め手です。決して広くはありませんが平らな土地があったのもよかった」

 土地は8000坪の山林。価格は220万円だった。

 当時は大阪で炭焼きの仕事をしていたが、山暮らしを始めるのを機に辞めた。そして、2年ほど前に出会い、交際していた千里さんと結婚。

「私も、キャンプとかアウトドアは好きだし、自然の中での田舎暮らしは憧れでしたけど、ここまでのサバイバルは想像以上でしたね(笑)。せめて古民家でしょ。でも、自分たちで創意工夫しながら暮らしをゼロからつくっていくって、やってみるとそれなりに楽しいところもあるんですよ」と、妻の千里さんも納得しての山暮らし。そんな2人を見ていて、誰もがこう言う。「奥様がエライ!」。

 住まいはテント、調理はロケットストーブ、水は沢水、洗濯も沢、風呂は薪焚きの露天風呂、トイレは森の中。そんな生活が約7カ月続いた。季節は夏から冬になり、山には雪が積もった。かねて建築中だった小屋がとりあえず住める状態になったのは2015年1月。長いテント生活が終わった。

「雨風を気にせずに暖房の利いた部屋で布団を敷いて寝られるっていうのが、もうそれだけで感動でしたね」と、そのときの安心感を思い出して、顔をほころばせる千里さん。それもそのはず、当時妊娠3カ月。雪が積もるテントの中で、その日々を過ごしていたのだから。

キッチンの奥がちゃぶ台の置かれたリビングになっている。狭いけど、いつでも家族の体温を感じられる温かな空間。

室内キッチン。沢の水を引いた流しと灯油コンロ、カセットコンロがある。食器類も狭小空間を上手に使って収納している。

家が狭いのでウッドデッキがあるだけで生活空間がグッと広がる。屋根付きで屋外キッチンとつながっている。

キッチンから見た部屋全景。床は廃材の畳。ロフトは寝室になっている。

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