どんどん実を穫り秋まで収穫 ナス&ショウガ、ニラ、パセリ、ラッカセイ
掲載:20年8月号
インド原産のナスは日本の風土にもよくなじみ、 1000年以上も前から栽培されてきました。
各地に品種も数多く、家庭菜園で育てやすい野菜です。
日当たりと肥沃な土と 水分を好むので、ほかの野菜の陰にならず、畑でいちばん豊穣で水持ちのよい場所に植えましょう。
初期生育が大切です。しっかり育てて初夏から秋ナスまで長期間味わってください。
高温多湿の夏が大好き 肥沃な湿った土でよく育つ
(↑ローザビアンカは姿の美しいイタリアの伝統固定種。実は煮崩れしにくくラタトゥイユやカレー、炒め煮にも向く。)
ナスは高温多湿を好み 、日本の夏に育てやすい野菜です 。
霜の降りない熱帯地域では多年生植物 。
温帯地域でも遅霜の心配のない時期に定植 、生長して実を付けはじめると 、霜が降りる晩秋前まで長期収穫できます 。
初夏のナスはフレッシュでジューシーです 。
季節が進んで朝夕の寒暖差が大きくなるころには 、いわゆる秋ナスになります 。
最盛期を過ぎた秋ナスは収量が落ち 、実は水分を減らして皮も厚くなりますが 、 味わいは濃厚です 。
季節ごとに変わりゆくナスの風味を楽しんでください 。
品種選びのアドバイス
余裕があれば数品種育てて風味の違いを楽しみたい
早生真黒(わせしんくろ)
育てやすさと多収で全国に普及した 交配種、千両二号のもととなったと いわれます。
交配種より皮が柔らかくおいしいです。
(↑早生真黒は埼玉県草加で発達した固定種の中長ナス。)
在来青ナス
無肥料でよく育ち、実が付きにくいうえ、大きくなっても種が付きにくいため、週末通いの家庭菜園にぴったりです。
(↑在来青ナスは九州の系統。実はジューシーでとろけるおいしさ。)
主なコンパニオンプランツ
ナスの株元の乾燥を防ぎ、ナスの葉陰でよく育つ
ショウガ
効果
ナスの木陰でよく育ち、ナスの株元の乾燥を和らげてお互いに生育 を助ける。
ナスの病虫害を予防する。
栽培のポイント
ナスの株間にショウガを植え付ける。
収穫のポイント
根ショウガはナスの栽培が終わってから掘り上げる。
ショウガを先に掘るとナスの根が傷んで枯れる場合がある。
(↑乾燥を嫌うナスとショウガ。湿った畝に一緒に植えるとどちらもよく育つ。)
ニラ
効果
ニラの根に付く菌がナスの病原菌を抑え、連作障害を防ぐ。
栽培のポイント
ナスの定植と同時に、 根鉢に沿って根付きのニラを2本植える。
ニラがなければ根付きのネギを1 本植えてもよい。ネギの種類は問わない。
収穫のポイント
途中で消えることも多く、収穫目的の混植ではない。
(↑しっかりと育って本数を増やしたニラは切り取って収穫し、再生させて繰り返し穫れる。)
パセリ、イタリアンパセリ
効果
ナスの株元の乾燥を抑え、パセリはナスの葉陰で柔らかくおいしく育つ。
栽培のポイント
ナスの株間に植え付ける。
収穫のポイント
外側の葉から必要な分だけ刈り穫りを繰り返す。
ラッカセイ
効果
ナスの株元を覆って土の乾燥を和らげる。
根粒菌が窒素を固定し、ナスの生育を助ける。
土中にセンチュウが増えるのを抑える。
栽培のポイント
ナスの株間に2粒ずつ、定植と同時に直蒔きし、間引きせずに育てる。
収穫のポイント
掘り上げはナスの収穫が終わってから。
収穫中に掘り上げるとナスが枯れることがある。
(↑ナスの株間の少し涼しい環境でよく育つイタリアンパセリとラッカセイ。)
監修/竹内孝功
たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『とことん解説! タネから始める 無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜 』( 洋泉社 ) 、『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。
WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/
自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/
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