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田舎暮らしの本 12月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

PR公益財団法人 ふるさと鳥取県定住機構

介護事業大手を辞めて小規模デイサービスを起業。シニアに在宅で長く過ごしてほしい【鳥取県若桜町】

移住希望者への支援が充実している鳥取県。地域の役に立ちたい、お店を開きたい、のびのびと子育てしたい、海の近くで暮らしたい……。鳥取県で、自分の“好き”をかなえる暮らしを始めませんか。今回は、若桜町へ移住して、小規模デイサービスをオープンした方をご紹介します。

掲載:2022年1月号

若桜町の新規創業支援も活用し、念願のデイサービス施設「いいひ若桜デイサービス」を立ち上げた野口賢一さん。「都会では難しかった理想の高齢者福祉サービスを目指します」。

鳥取県若桜町(わかさちょう)
中国地方第2の高峰・氷ノ山(ひょうのせん)などの山々に囲まれた人口約3000人の町。中世に築かれた若桜鬼ヶ城の城下町、江戸時代以降は宿場町として発展。現在は登山やスキーなどでも親しまれる。

 

画一的なサービスではない介護事業が夢だった

 若桜鉄道の始発駅である若桜駅から徒歩約3分。風情ある蔵通り沿いに2021年9月、野口賢一(のぐちけんいち)さん(47歳)が思い描いてきた地域密着型の小規模デイサービス施設「いいひ若桜デイサービス」がオープンした。もともと野口さんは兵庫県加古川市で暮らしながら、介護事業大手に管理職として勤めていたが、もどかしさを感じていたという。

「全国展開の介護施設だと、型にはまった安全ルールに縛られ、できないことが多いんです。また、収益性を高めるため、施設は都市部に集中。高齢化が進む田舎へ行って、シニアの方が在宅で長く過ごせる環境をつくりたいと考えていました」

 思いを妻に話すと賛同が得られ、移住先探しを開始した。若桜町との出会いは、ちょっとした縁だったと振り返る。

「鳥取砂丘へ遊びに行ったあと、八頭町(やずちょう)のミニSL博物館へ寄ろうと思ったら休館日で、若桜駅にSLが展示されていることを思い出して訪れたんです。そのとき駅前の移住定住・交流センターが目に留まり、相談したところから話が進みました」

 紹介された空き家バンク物件は、かつて小さな家具店が営まれた店舗併設住宅。19年4月の移住後すぐには創業せず、地元の介護施設に就職した。

「地域の習慣などを知らないままでは難しいですから。2年ほど勤めながら、利用者さんにも方言1つからいろいろと教えていただきました」

JRに乗り入れ、鳥取駅へ直結している若桜鉄道の若桜駅。昭和初期の趣を残す木造駅舎で国の登録有形文化財。

手動式転車台などが残る若桜駅構内ではSLを展示。鉄道好きでここを見に訪れたことが若桜町への移住の契機となった。

田舎の小さな施設だから「一緒に」取り組める

 事業の立ち上げにあたり、役場の担当者が相談にのってくれたことに加え、町長が直接言葉をかけてくれるなど、まちを挙げての応援が心強かった。こうして完成した施設は、あえて手すりの設置を最低限にとどめ、段差も解消していない。

「町内にバリアフリーの家はほぼないので、自宅での日常生活に困らないようにすることが目的です。理念は利用者さんと『一緒に』。例えば一緒にご飯をつくったり、散歩をしたり、自立支援を大事にしています」

 今後は利用者拡大などの課題はあるが、焦りはない。

「少しずつ認知していただこうと思い、営業を兼ねて各集落を歩いて回っています。声をかけると皆さんがたくさんのお話をしてくださり、畑で収穫した野菜を分けてくださることも」

 生活面では、通勤に2時間ほどを要した以前と比べ、家族との団らんの時間が増えた。子どもは町内の小中一貫校へ通って多くの学年の子どもたちと交流している。少人数の学校だから部活などでの活躍の場が多い。そんな穏やかな日常も、このまちで暮らす喜びだ。

1階のデイサービスルーム。カフェのような雰囲気にして、あえてバリアフリーにはしていない。

2階には団らんスペースを設置。ここで利用者と一緒に食事をつくったりする。

愛犬モコの散歩でよく訪れる若桜神社は、四季の彩りに包まれる古社。「若桜町は歩くのが楽しい町です」。

若桜町のここが好き

宿場町として栄えた往時を偲ばせる「蔵通り」。かつての商家の土蔵が連なる約300mの小道は風情あふれる散策スポット。

「古い蔵やお寺が並び、歩いていると不思議と落ち着くんです。灯籠でライトアップされるお盆の夜は幻想的!」(野口さん)

若桜町の移住支援

第1子0歳から給食費を含む保育料完全無料、子育て応援給付金、学校給食費の半額補助、学校教材費補助、英語検定費用の全額助成、中学生以下の町内スキー場リフト券無料など、子育て支援が充実。また、住宅の新築・購入・改修に対する最大200万円の補助、新婚・子育て世代を対象とした20万円の移住奨励金に加えて、町内企業への就職時の奨励金や、最大150万円の新規創業支援と、幅広い支援を用意している。

若桜町移住定住・交流センター ☎0858-71-0800
若桜町ふるさと創生課 ☎0858-82-2231
http://www.town.wakasa.tottori.jp/iju_center/sumai/sumai_top.html

「人との密なかかわりを大切にしているのは、小さな町ならでは。移住後も相談員が親身になってフォローします」(若桜町の移住定住を担当する皆さん)

鳥取暮らしに関するお問い合わせ・資料請求・相談窓口
(公財)ふるさと鳥取県定住機構

とっとり移住定住ポータルサイト「鳥取来楽暮
✉ iju-tottori@furusato-tori.org
☎0120-841-558
〒680-0846 鳥取県鳥取市扇町115-1 鳥取駅前第一生命ビル1階

就職に関するフリーダイヤル ☎0120-307-238

※かける地域によって、鳥取・東京・大阪の窓口につながります。

 

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ふるさと鳥取県定住機構 ☎0120-841-558
https://furusato.tori-info.co.jp/iju/topics/5637.html

 

 

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