温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る「おんせん県おおいた」のなかでも、全国有数の温泉地として名高い別府市。古くからの湯治文化が息づくこのまちに魅了された菅野さんが立ち上げたシェアハウス「湯治ぐらし」を紹介します。
立ち上る湯けむりと湯治文化に誘われて
別府温泉郷の1つで、湯治場の風情を今なお残す鉄輪温泉。別府湾を背景に無数に立ち上る湯けむりは、別府市の象徴だ。
「あちこちに温泉が湧き、温泉と暮らしが密着しているんです。何より印象的だったのが、温泉宿の女将さんをはじめ元気に活躍する女性が多いこと」
そう話す菅野静さんは東京や大阪で働きながら、日々のストレスから心身を解き放つため全国の温泉をめぐっていたが、鉄輪を訪れて一目ぼれ。2019年に移住すると、日常に湯治を取り入れたライフスタイルを「湯治ぐらし」と命名し、日々楽しんでいた。あるとき「この暮らしをお裾分けできたら」と思い立ち、空き家バンクで見つけた元別荘を借りて20年2月、女性専用のシェアハウス「湯治ぐらし1」を開業した。
まずは入居者自身が湯治文化に触れ、泉質による効果の違いなどを実感し、温泉を通じた出会いを楽しむ。それをSNSなどで発信してもらい、湯治の素晴らしさを広めていく。21年には女性専用「湯治ぐらし2」に加えて、男子専用「湯治ぐらし3」もオープンした。
「今後は1人ひとりに合った泉質や入浴方法を伝えるカウンセリング『みんなの保健室』にも力を入れていきたいですね。別府市内だけでも多様な泉質がありますから」
アイデアの湧出量も熱量も鉄輪温泉並みにすごい菅野さん。今後の目標をこう話す。
「湯治は日本が誇るヘルスマネジメント。鉄輪や別府を世界中から人が集まる聖地『湯磁場(とうじば)』にしていきたいと思います」
大分県別府市はこんなまち
西に鶴見岳・伽藍岳がそびえ、東に別府湾が広がる別府市は、多くの大学や研究機関が集まる国際観光温泉文化都市。泉質の異なる8つの温泉地は別府温泉郷と称され、源泉数も湧出量も日本一。大分空港から車で約40分。
別府市の頼れる“ミカタ”
【鉄輪で“湯ワーキング”を】
「a side -満寿屋-」
別府市の空き家活用プロジェクトで鉄輪の中心部に誕生したのが、かつての湯治宿をリノベーションした「a side(アサイド) -満寿屋(ますや)-」。リモートワークや情報交換の拠点として使えるのはもちろん、利用者は目の前の温泉に無料で入浴できる“湯ワーキング”スペースだ。利用料は2時間550円~。
お問い合わせ先:a side -満寿屋-
☎0977-76-5234
https://1side.jp
【別府市移住支援情報】
「おためし移住施設」
気軽に別府ライフが体験できる「おためし移住施設」として、空き家をリノベーションした2棟を用意している。「フロムーン別府ハウス」は温泉付きで、「田の湯ベース」は別府駅から徒歩約1分と便利。どちらも基本的な家具・家電などを備え、利用料は1泊5500円(1棟貸し)。3泊か
ら12泊まで利用できる。
お問い合わせ先:産業政策課
☎0977-21-1132
【別府市の移住担当者よりみなさまへ】
アートイベントを開催中!
2022年1月23日(日)まで開催中の「ベップ・アート・マンス2021」は、市内各所の会場をめぐってアート体験ができるほか、今回はオンラインでもお楽しみいただけます。また、ワーケーション希望者向けに、専用サイト「BEPPU YUKEMURI WORKATION」(https://beppu-workation.jp)を立ち上げました。
お問い合わせ先:産業政策課
☎0977-21-1132
https://www.city.beppu.oita.jp/sisei/ijyuu/detail1.html
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