温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る「おんせん県おおいた」。砂漠ランナーとしての夢を追い続ける女性が強くひかれたのは、宇宙港に選ばれた大分空港があり、滋味あふれる海の幸に恵まれた国東市だった。
宇宙とつながるまちで宇宙食開発にチャレンジ
大分空港がアジア初の宇宙港に選定され、2022年中に小型人工衛星の打ち上げを目指す。そのニュースを知った河原紗希さんは「宇宙食をつくろう!」とひらめいた。
「砂漠ランナーとして、よりおいしくて元気が出る携行食を求めていました。国東市の特産物で宇宙食を開発すれば面白いし、携行食や災害時の非常食にもなると思ったんです」
当時、夫の晴明さんの出身地の大分市で暮らしていたが、コロナ禍が直撃。本業のヨガ・フィットネスインストラクターの仕事ができず、晴明さんが営むレストランも廃業した。そんな事情もあり宇宙食開発につながる仕事を探し、「くにさきオイスター」の養殖に携わる地域おこし協力隊の募集を見つけた。
20年6月から水産係の協力隊として活動する一方、くにさきオイスターは生食用なので新たな食材を検討し、同じく特産品のタコに着目。地元水産加工会社と試作を重ね、商品化へのめどもついた。併せて吉本興業に所属することになり、今年3月開局のBSよしもとチャンネルで「爆走SAKI」として自身の取り組みを発信する。
「目標は、南極アイスマラソンの出場権を得るためのゴビ砂漠マラソンの完走。そこで携行食として活用する様子もお伝えします。ゴールはJAXAの宇宙日本食認証を受けることです」
夢の実現への道筋ができたことから協力隊は21年12月に退任。今後は、新たに開いたヨガ&フィットネススタジオを営みながら、砂漠マラソン制覇への準備を進めていく。
大分県国東市はこんなまち
六郷満山文化が息づき、国東半島東部に位置する国東市。両子山(ふたごさん)などを中心とする放射谷と長い海岸線からなり、海・山のレジャーが盛ん。市内の大分空港へ羽田空港から約1時間30分、大阪・名古屋の空港から約1時間。
国東市の頼れる“ミカタ”
【古民家を活用した地域の交流拠点】
「旭日テラスひのわ」
国東市国東町にある地域協議会の1つ「里づくり旭日ネット」では、築約70年の空き家をリノベーションした「旭日テラスひのわ」を2021年12月にオープン。地区住民の新たな交流拠点として定期的にカフェや食事会などを開くほか、今後は地区外からの利用者にも情報発信や集いの場として開放していく計画だ。
お問い合わせ先:里づくり旭日ネット
☎090-4983-3286(事務局長)
https://yoroue.com/kunisakipeople/asahi
【国東市移住支援情報】子育て世帯向け賃貸住宅
市が空き家の持ち主と10年間の賃貸借契約を結び、水回りなどを改修して貸し出す、子育て世帯向けの賃貸住宅が新たに登場。入居対象は18歳未満の子どもがいる市外からの移住者。2021年度に3物件を整え、今年3月中旬まで入居希望者を募る。家賃はどの物件も月2万5000円。
お問い合わせ先:活力創生課
☎0978-72-5175
【国東市の移住担当者よりみなさまへ】
単親世帯の移住を応援しています!
移住シングルペアレント生活応援補助金は、市外から移住して賃貸住宅に入居する子育て中の単親世帯に対し、最大30万円の引っ越し代補助や最長3年間の家賃補助などを行います。2021年度からは、移住後の車購入を検討いただくため、最長3カ月間のレンタカー代補助も加わりました。
お問い合わせ先:問活力創生課
☎0978-72-5175
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/ijyu
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