東北地方の南端、首都圏に隣接している福島県。県では新規就農を目指す人に向け実践的な体験・研修を行っていて、2022年度の新規就農者数は334人と平成11年の調査開始以降最多になりました。相談から研修、就農はもちろん、家探しなどの相談や就農後まで、県の関連機関と連携して対応している福島県の就農支援をご紹介します。
気候や地形から、大きく「浜通り」「中通り」「会津」の3地域に分けられ、それぞれ多彩な作物が生産されている福島県。特にモモ、リンゴ、ナシの出荷量が全国5位以内の果樹王国であるほか、米、インゲン、キュウリ、トマト、アスパラガスなどの収穫量も全国上位です。また会津の山間地域で栽培されている宿根カスミソウなど、花き栽培も盛ん。県では、新規就農の支援やさまざまなサポートに力を入れています。
==福島県の新規就農支援がスゴイ!==
□相談から研修、就農までワンストップで対応。住まいなどの移住に関することもスムーズに自治体へ。また就農後もサポート
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ここからは、各項目を詳しく紹介していきます。
県独自の「お試し就農生」では、研修中の給与は県が負担
福島県では、最長4カ月の実践研修ができる「お試し就農生」を募集しています。農業法人などで農業の基礎知識の習得や実践研修ができ、その後研修先への就職・就農という道もあります。お試し中の給料は県が全額負担(令和4年度の募集は終了しました)。
⇒農業研修生募集|ふくのう-福島県で農業しよう!- (start-fukuagri.jp)
「お試し就農生」利用者の声
「妻の実家の農業を継ぐために福島県に来ました。義父がこの「お試し就農生」の事業を活用したことがあり、僕も受けることにしました。農業はまったくの未経験でしたが、制度があることでスムーズに研修を行えました」
「通っていた農業の職業訓練校を卒業する際、学校からこの制度を紹介されました。研修を受けたことで思っていた農業と現実との差がとても大きいことを知り、”していたであろう失敗”を未然に防ぐことができました。また研修中はコネクションづくりのよい機会となりました。就農希望者にはいい制度なのでぜひ活用してみてください」
研修機関が県内に89カ所もあり、研修体制が充実
福島県の認定を受けた研修機関は、農業法人や個人農家など県内に89カ所もあり、東北6県で最多です。これらの受け入れ先農家には希望に応じてマッチング可能で、農業体験や本格的な就農に向けての研修などができます。また、「農業に関する基本的なことをしっかりと学びたい」「もっと専門的な知識や技術を習得したい」といった場合には、福島県農業総合センター農業短期大学校(アグリカレッジ福島)が就農研修を行っています。
相談から研修、就農までワンストップで対応。住まいなどの移住に関することもスムーズに自治体へ。また就農後もサポート
福島県では、就農相談会を実施しているほか、各種農業イベントにも出展していて、担当者から直接話を聞くことができます。「どんな農業がしたいのか」「何を栽培するのか」といった農業イメージを確立していく相談から、情報収集、研修先の紹介、農地探し、独立や就職、就農後もさまざまにサポートしています。また、県内市町村との連携も密で、住まい探しなども市町村等関係機関へスムーズにつなぎます。
福島県に新規就農した方のモデルケース
「三重県のスーパーマーケットで青果を担当していて、『いつかは自分でつくりたい』と思っていました。各地を訪れた結果、フルーツ王国の福島県福島市で果樹栽培を目指しました。1年目は私のみが福島県農業総合センター果樹研究所で研修を受け、2年目は先進農家のもとで夫婦で賃金を得ながら技術を習得できました。就農後は、国の支援策である青年就農給付金・経営開始型(現・新規就農者育成総合対策・経営開始資金)を受けました。4年目の現在、モモとリンゴの直販とモモのJAへの出荷で新しく設備投資ができるまでになりました」
「24歳のときに地元の昭和村へ戻り、雪室(昭和村農林水産物集出荷貯蔵施設)でアルバイトしているときに特産品であるカスミソウの美しさにひかれ、生産者を目指しました。1年間、農業次世代人材投資資金(現・新規就農者育成総合対策・就農準備資金)の給付を受けながら、研修生を受け入れている農家さんのもとでカスミソウの栽培技術、出荷作業、経営計画などを学ぶことができました。研修期間中は、役場やJAなどが連携して研修計画や各種給付金の手続き、営農計画の指導などを行ってくださり、スムーズなスタートができたと思います。現在は、9000株まで増やせています」
「農家の先輩のもとに就職するかたちで農業人生がスタート。一連の作業を経験したことで、天候に左右される農業の厳しさや生産者たちの『南郷トマト』への情熱を肌で感じることができました。雇用就農2年目に独立就農を考えるようになり、ほ場探しや給付金の申請の仕方など、先輩が独立に向けたサポートに動いてくれました。青年就農給付金(現・新規就農者育成総合対策・経営開始資金)の受給や、福島県及び只見町の補助を受け、栽培に必要な設備を整えて独立。就農6年目の現在は、妻も作業を手伝ってくれ、安定して収穫できるようになりました」
「ふくのう」では、就農前後のことから就農年数による経緯、現在の状況などをモデルケースとしてご紹介しています。詳しくモデルケースを見たい方はこちらから
⇒モデルケース|ふくのう-福島県で農業しよう!- (start-fukuagri.jp)
福島県就農ポータルサイト「ふくのう」の情報が充実
新規就農へ向けての第一歩は情報収集から。福島県の就農ポータルサイト「ふくのう」には、以下のようなさまざまな役立つ情報が満載です。
●福島県の地域による特徴と特産作物を紹介する「7地域からなる福島」
●就農までのステップ「農業を始めるまで」
●福島県の代表作物の作業内容や労働時間、将来目標の農業所得などを紹介した「経営指標」
●実際に新規就農した先輩のモデルケースやインタビュー記事
●農業研修生募集の詳細
●福島県の就農支援制度
福島県で新規就農をしてみたい方や農業に興味がある方は
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