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田舎暮らしの本 1月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

関門海峡を望む歴史の舞台で、都市と田舎が調和したベストバランスの環境を体感【山口県下関市】

壇ノ浦の合戦や明治維新胎動の地として知られる下関市は、古くから国際港として発展。関門海峡沿いに市街地が広がる一方、北部は澄んだ海や緑豊かな山の景観が美しい。市内計4カ所の体験施設を活用し、その多様性を実感しよう。

掲載:2023年3月号
※掲載している情報は2023年1月中旬時点のものです。
詳細はお問い合わせ先にご確認ください。

山口県下関市 しものせきし
人口約25万人と山口県一の規模を誇る本州最西端のまち。シンボルの関門海峡を挟んで九州と向かい合い、博多駅から新下関駅まで新幹線で30分弱。中心市街地へは車で北九州空港から約45分、山口宇部空港から約1時間。

 

海または山の田舎とまちなかから選べる

 無数の船舶が行き交う関門海峡を望む下関市は、市街地に都市基盤が整っている一方、郊外にはCMなどでおなじみの角島(つのしま)の絶景やホタル舞う清流など豊かな自然が共存し、温泉も豊富。

 「そんな多様性のまちを実感していただくため、40歳未満の方が含まれていれば無料で利用できる『下関市お試し暮らし』制度を用意。下関市への移住を考えていることが条件ですが、友人同士でも構いません」

 そう説明するのは、広報戦略課の松本勇弥さん。対象施設は現在4カ所だが、制度利用は1人1回限りで1施設のみ。松本さんは次のように助言する。

 「『まちなか暮らし』と、海側・山側の『いなか暮らし』から選べます。まちなかと田舎は車で1時間ほどなので、何を重視するかで決めるといいでしょう」

 

元旅館の建物を活用した2タイプのゲストハウス

「BRI DGE」にて、前列・後列中央はシェアハウス住人の宮崎真理絵さんとスキナー・ジェフリーさん。前列左右は「住まいる下関」の篠田幸さんと日下まりあさん、後列左右は広報戦略課の永富敬吾さんと松本勇弥さん。

「まちなか暮らし」施設のなかでも、地域の人との出会いをより重視するなら、シェアハウス・ゲストハウス「BRIDGE(ブリッジ)」がオススメ。下関駅から徒歩約3分で、近隣に大衆酒場や市場、「リトルプサン」ことグリーンモール商店街などがあり、港町の風情や異国情緒がミックスされた独特の空気が感じられる。

 建物は2階建ての元旅館を活用したもので、2階をシェアハウスとゲストハウスの部屋として利用。1階には起業希望者に貸すチャレンジルームと、開放的なラウンジが設けられ、多国籍の人が集う交流の場に。

 「住人もみんなオープンな感じで、ときには宿泊者と一緒に食事をしたり、時間があれば希望の場所へ案内したり。裏庭でバーベキューをすることも」

 と、シェアハウス住人の宮崎真理絵さんは話す。館内に共同の浴室もあるが、近くに銭湯が2軒あり、車で5分余りの場所に市街地唯一の温泉銭湯もある。釣り好きなら徒歩約5分の竹崎桟橋渡船場から六連島じまへ渡り、釣果を調理するのも楽しい。

下関駅から徒歩3分の市街地でありながら、閑静な空気に包まれた高台に立地。

1階の中央に設けられた共用のラウンジスペースは、住人や宿泊者の交流の場に。

利用対象は2階にある畳敷きの個室で4畳半~6畳。エアコンと布団は備えられている。

ゆったりと使える共同キッチン。調理器具、食器、一部の調味料の利用は自由。共同の冷蔵庫も設置されている。

複数のシンクが並ぶ洗面所。歯ブラシなどの衛生用品は持参が必要。

BRIDGEオーナーの木村智史さん。

下関市の移住体験施設(まちなか暮らし)
➀BRIDGE

●利用料金/無料 
●利用できる期間/2泊3日~4泊5日 
●間取り/ワンルーム 
●交通/山陽本線下関駅より徒歩約3分

地元住人と訪れる人の交流を橋渡し
九州と本州を結ぶ関門橋のように、下関で暮らす人と訪れる人の架け橋になる場を目指して命名。有志がDIYで古い旅館を再生して2022年4月に開業し、同年10月から体験施設として追加。オーナーは沖縄と下関の二拠点で活動している。
問い合わせ/IJU総合窓口「住まいる下関」 ☎070-2036-9904

【施設の備品と持参したほうがいいもの】
バス、トイレ、洗面所、キッチンのほか、洗濯機や冷蔵庫は共同で利用。客室内にエアコンや寝具は設置済みだが、洗面道具や歯磨きセット、パジャマは持参が必要。アイロンは置いてない。レンタルタオルは150円。館内にフリーWi-Fiあり。

【周辺の買い物&オススメスポット】
下関駅前に大丸下関店やマックスバリュが入った県内最大のショッピングモール「シーモール下関」があり、周辺は下町風情あふれる繁華街を形成。長門プラザで食材を買い、大衆酒場で一杯やれば、気分は下関っ子!?

昭和にタイムスリップしたような「えびす湯」は、市内に現存する銭湯でも最古級。お湯は少々熱め。

「北市屋」は1人でも気軽に利用できる立ち飲み処。このほか徒歩圏内に味のある飲食店が豊富。

徒歩約3分の山陽本線・山陰本線下関駅。ここから新下関駅へ約10分、小倉駅へ約15分。駅前には市内各方面へのバスターミナルも。

 


 同じく「まちなか暮らし」のゲストハウスでも、6階建ての元割烹旅館をおしゃれに改装したのが、唐戸(からと)エリアにある「uzuhouse(ウズハウス)」。オーナーの沖野充和さんはこう話す。

 「すぐ裏に関門海峡が広がり、目の前に源平合戦の歴史をしのばせる赤間神宮を望むほか、少し足を延ばせば城下町の長府(ちょうふ)もあり、下関の奥深い歴史や文化を感じていただけます。唐戸市場や唐戸商店街にも近く、いかにも下関というロケーションが一番の魅力でしょう」

 屋上テラスや2階のカフェ、客室の一部からは朝夕の関門海峡が眺められる。潮風を感じながらの海辺の散策や、近隣に点在するレトロビルの探訪など、徒歩や自転車でまち巡りをする拠点として申し分ない。

船が絶えず行き交う関門海峡を見渡せる「usuhouse」の屋上テラス。下関の魅力を満喫できる特等席だ。

関門海峡と赤間神宮をモチーフにした壁画が彩る1階のカフェにて、オーナーの沖野充和さん。2階には海峡ビューのカフェも。

愛嬌あるフグの絵柄が印象的な6階建てのゲストハウス。レンタサイクル(有料)も完備。

体験施設としての対象は個室の和室または洋室。洋室からは関門海峡が望める。

下関市の移住体験施設(まちなか暮らし)
②uzuhouse

●利用料金/無料
●利用できる期間/2泊3日~4泊5日
●交通/山陽本線下関駅よりバスで約10分の赤間神宮前下車徒歩約1分

下関を象徴する唐戸エリアに立地
東京で設計事務所を営んでいたオーナーが元割烹旅館の建物を借り、2016年8月に開業。体験施設として利用できる一般的な個室のほか、ドミトリー(相部屋)やバス・トイレ付きのデラックスルームもある。
問い合わせ/IJU総合窓口「住まいる下関」 ☎070-2036-9904

【施設の備品と持参したほうがいいもの】
バス、トイレ、キッチン&冷蔵庫、洗面所は共同で、パジャマ以外の基本的なアメニティグッズはひと通り揃う。エアコン、寝具、ドライヤー、アイロン、フリーWi-Fiあり。洗濯機200円(洗剤付き)、乾燥機200円。

【周辺の買い物&オススメスポット】
目の前の海辺に唐戸市場やカモンワーフ、徒歩約10 分のところにスーパーや唐戸商店街があり、買い物や飲食には不自由しない。金・土・日曜および祝日に唐戸市場で開催される飲食イベント「活きいき馬関街(ばかんがい)」は特に人気。

唐戸市場から海沿いのボードウオークでつながるシーサイドモール「カモンワーフ」。

活気あふれる「関門の台所」こと唐戸市場へ徒歩約5分。名物「ふく(フグ)」をはじめ新鮮な魚介類が並ぶ。

 

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