城下町や伊勢神宮参拝の宿場町として栄えた面影を残し、伊賀流忍者や松尾芭蕉のふるさととしても親しまれるのが、三重県北西部の伊賀市(いがし)。京阪神や名古屋方面へのアクセスに優れ、中心部に充実した都市機能が揃う一方、周囲には里山や清流などの豊かな自然が今も息づいています。伊賀ブランドの美食にも恵まれ、心地よい田舎暮らしが実現できます。
伊賀市では、移住希望者に空き家を紹介する空き家バンク制度を設け、その登録物件は常時30~40件と充実しています。360度カメラによるバーチャル内覧と、YouTube動画による公開物件は注目を集めています。今回は、空き家バンクで家を見つけた2組の移住者の話とともに伊賀市の魅力をご紹介します。
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伊賀流空き家バンク (iga-akiyabank.com)
“伊賀流”田舎暮らし① 都市部に近くアクセスがいい
伊賀市は大阪と名古屋の中間付近に位置し、名阪国道(無料の自動車専用道)や、北側に近接する新名神高速道路、鉄道ではJR・近鉄・伊賀鉄道が通るなど交通網が充実しています。大阪や京都、名古屋へは、いずれも車で約80分、大阪難波駅から伊賀神戸(いがかんべ)駅へは近鉄特急で最短60分余りと、都市部へのアクセスがスムーズです。
“伊賀流”田舎暮らし② 豊かな自然と文化
鈴鹿(すずか)山系、布引(ぬのびき)山系、大和高原に囲まれ、大阪湾へと続く淀川の源流域にあたる伊賀市。中心市街地から少し離れるだけで田園地帯が広がり、森林や渓谷の環境に恵まれています。また、歴史ある独自の文化を守り継ぎ、盛大な秋祭り「上野天神祭(うえのてんじんまつり)」はその代表。伝統ある伊賀焼の里としても知られ、作陶を目的とする移住者も少なくありません。
“伊賀流”田舎暮らし③ 生活に必要な施設が身近に揃う
主要な生活関連施設は、伊賀上野城や市役所のある中心部に集約。イオンタウンなどの大型商業施設が揃うほか、総合病院も2カ所あり、その1つである岡波総合病院は2023年1月の新築・移転オープンでさらに施設が充実しました。現在は旧市役所庁舎を活用した再開発計画が進められ、2025年をめどに新図書館や忍者体験施設などが誕生予定です。
移住者リポート① 笹野さんご家族
農業に挑戦しながら古民家で暮らす夢が実現
笹野泰弘(やすひろ)さん(43歳)・あゆみさん(42歳)夫妻、双子の泰樹(たいき)君(17歳)・弘樹(こうき)君(17歳)、ひなさん(13歳)の5人家族。移住前は兵庫県の賃貸マンションで暮らし、泰弘さんは食品メーカー、あゆみさんは生活雑貨店に勤務。移住後はペットが飼える環境になり、愛犬「ちゃちゃまる」を迎えることにしました。
「以前は仕事が忙しくて子どもたちと過ごせず、何のためにお金を稼いでいるのかと疑問を感じていました」
そう振り返るのは笹野泰弘さん。転勤も多く、再び転勤で知らない土地へ行くのか、自分たちで選んだ場所へ移住するのかを、夫婦で相談。「定年後は田舎で畑をしながら犬を飼って、ゆったり暮らしたい」という2人の夢を今すぐかなえようと、行動を起こすことにしました。
候補として絞り込んだのは、泰弘さんの実家がある大阪と、あゆみさんの実家がある愛知のどちらにも行きやすい場所。検討するなかで三重県の移住相談会に参加したところ、伊賀市と出合いました。
「アクセスのよさはもちろん、山も川もあり、内陸のまちですが海へも近い。水や空気がきれいで、やりたかった農業に挑戦するならこんな場所がいいなと思いました」
と、泰弘さん。空き家バンクで見つけた家は、目の前に田園風景と山並みが広がる築100年以上の古民家。「どうせ住むなら田舎らしい家がいい」と夫婦の意見が一致しました。
移住後、泰弘さんは農事法人に就職し、地域の人たちに教えてもらいながら米づくりに取り組んでいます。
「地域の担い手として今後も続けていきたいと思いますが、ゆくゆくは自分の農地と併せて運営できるようになれば理想的。そのときは夫婦で一緒にやるのが夢です」
望みどおりの田舎暮らしを実現し、あゆみさんは居心地のよさをこう話してくれました。
「伊賀市は大阪や京都に車で1~2時間で遊びに行ける“便利な田舎”。お米はおいしいし、畑で採れた旬の野菜をその日のうちに食べられるのが魅力です」
何より、時間にも気持ちにもゆとりが生まれ、家族一緒に食卓を囲めるようになったことが一番の幸せといえます。
次のページでは、もう1組の移住者と
三重県伊賀市の移住支援などを紹介します
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