全国に広がっている住みます芸人の笑いあふれる地域協力活動にフィーチャーした、「47都道府県エリアプロジェクト(あなたの街に“住みます”プロジェクト)」をレポート! 今回は、長野県長野市で学習関連の活動もしている芸人、ゆでたかのさんをクローズアップします。
長野県住みます芸人
ゆでたかの
ゆでたかの|1990年8月3日生まれ。大阪府大阪市出身。ピン芸人。NSC大阪校34期生。芸歴11年。同期は蛙亭、さや香。2013年、大阪市立大学工学部(現 大阪公立大学)卒業。ベトナムの人材派遣会社を経て芸人に。“「学び ✕ 笑い」で楽しく頭脳を活性化させる”をテーマに、自立支援学習塾「ゆで子屋」を立ち上げ、毎週開講。多くの小中高生の勉強のハードルを下げることに成功している。
住みます芸人活動歴:2020年1月~(4年)
活動拠点:長野県長野市
住みます芸人の主な活動:イベント出演、ラジオのひらめき問題コーナー、講演会など、芸人活動以外にも学習関連の仕事に従事。
趣味:サッカー観戦、動物園・水族館巡り、マラソン、クイズ、謎解き、ボードゲーム、読書、散歩
特技:謎解き問題作成、学習指導、サッカー、そろばん、雑学、スカッシュ
【レギュラー出演】
・ラジオ「ゆでたかののラジオdeゆで子屋」(SBCラジオ/毎週火曜 15時~15時10分)
・算数と国語をテーマに街ぶらを楽しむ番組「ぽたぽたむーぶ」(iネット飯山/第2、月・火・水)
X(旧Twitter):@yudetakano
Instagram:yudetakano
YouTube:魁 なんじゃそれ学院 @yudetakano1990
お笑いと学びを融合させて 長野から盛り上げます
長野県長野市で住みます芸人として、教育学習に力を注いでいるピン芸人、ゆでたかのさん。実は、長野県は教育システムや教育環境が充実しており、教育に対する取り組みが高く評価されている土地柄。その風土を活かした学習支援事業が大成功を収めています。
【長野県長野市】
長野市は、長野県の北部にある県庁所在地。古くから善光寺の門前町として栄えてきた歴史と文化が薫るまちです。北陸新幹線が開通したことにより、政治・経済の中心としてだけでなく、交通の要衝としてもさらに発展。都市機能が充実した県都ですが、自然豊かな中山間地域も近いため、のどかな田舎に家を買い、市街地へ通勤する人も多くいます。また、周辺の観光地への玄関口としても機能しており、長野駅からは白馬や野沢温泉、志賀高原方面へのアクセスも良好。東京駅へも約一時間半で移動することができます。
志望校合格率100%の学習支援事業を展開
2019年の11月に長野県に移り住み、翌年2月には、学習支援事業を展開するという、行動力のあるインテリ芸人、ゆでたかのさん。芸人が子どもたちに勉強を教えるということ、そのきっかけを伺いました。
「長野県は『教育県』といわれることもあり、教育に熱心な人が多いんです。住みます芸人として長野県に移り住んでから、地元のお祭りの司会やイベントの盛り上げなど、芸人としての活動はもちろんですが、実は、それ以上に教育学習関連のお仕事を多くいただいています。芸人・ゆでたかのが教える学習支援事業の寺子屋『ゆで子屋』です。
そもそも、移住先の長野県で学習支援を始めようと思ったのは、大阪で塾に行けない子どものための格安塾で働いていた経験があったから。教育県の長野でも塾に行けない子どもたちがいるかもしれないと思い、住みます芸人として、『子どもたちにとって、楽しく学べる学習補習塾を始めてみるのがいいんじゃないか』と考えました。
『ゆで子屋』は教育学習にフォーカスしたプロジェクトで、当初は小学生1名だけのスタートでしたが、今では小学生から高校生まで30名程度の児童・生徒が参加してくれています。場所は長野市にある善光寺近くのレンタルスペース『西の門ホワイトハウス』の3階。毎週水曜日と木曜日16時~21時の間、学びの場として利用しています」
「ゆで子屋は真面目な学習時間もありますが、学校でのエピソードトークなどを生徒たちがしてくれるので、毎回楽しませてもらってます」(ゆでたかのさん)
今では大成功といえる学習支援事業ですが、スタート当初は困難の連続だったと聞きました。
「長野市に移住した年には台風19号の災害に見舞われ、翌年4月にはコロナウイルスが猛威を振るうということがありました。移り住んだばかりなのに、本当に仕事がない……。そんななか、アルバイトやお仕事の機会をつくってくださる方々に救われました。最終的には『全国的に売れて恩返しだ!』と思っていますが、今は芸人として番組やイベントなど呼んでいただけることも、『子ども食堂』に参加したり、地域行事のお手伝いをしたりすることも込みで、小さくてもできる範囲から役に立って笑わせていきたい。住みます芸人として力を入れている『ゆで子屋』も、地域貢献に役立っていると思っています。子どもたちから学ぶことも多く、生徒が増えていくごとに、どんどんやりがいが増していく感じです」
『ゆで子屋』では入塾金がなく、何時間いても1回500円のみの料金体系なのだとか。生徒たちのわからない問題や学習方法について、その都度丁寧に対応する個別指導形式をとっています。生徒一人ひとりの成長を支える場として『ゆで子屋』は充実していて、教育に対する情熱が感じられます。
「ゆで子屋は『塾に行きたくても行けない』『勉強が好きじゃない』という子に、少しでも楽しく学習してもらいたいという思いからスタートしました。最初は近所の小中学生が来てくれればいいかな~って思っていたのですが、電車やバスを乗り継いで遠くから通ってくれる子どもたちもいて、その姿に毎回感動しています」と、語ってくれました。
「ゆで子屋の雰囲気です。できるだけ生徒たちと目線を同じにするために、和室の会場を借りています。疲れたらちょっと寝ころべたり、他の塾ではないような空間づくりを心掛けています」(ゆでたかのさん)
では、子どもたちが『ゆで子屋』を利用する姿勢や反応はどうなのでしょうか。
「とても嬉しいことに、他の塾と併用している子どもたちもおり、1回500円という料金体系をうまく利用してくれています。『ゆで子屋』を通じて、勉強を少しでも楽しんでもらえるよう、きっかけづくりを大切にしています」。その価格設定も自発的に勉強に取り組みやすくしている要因なのでしょう。
学習意欲を持てる環境を提供しているゆでたかのさん。この活動に関しては、どのような成果が出ているのでしょうか。『ゆで子屋』からの生徒の進路について伺いました。
「学校や進学に意識が向いていなかった子が学校に少し馴染めるようになったり、自分で進学先の希望を決めたりできるようになり、それを親御さんが嬉しそうに報告してくださると、やっててよかったなと感じますね。
自慢?になるかもですが、実際に今まで3年ほど『ゆで子屋』や『子ども食堂』を通じて指導をしていますが、
受験した生徒たちの志望校合格率は、なんと100%です!
他の塾にも通っていたり推薦で入学したりする子もいたので、100%僕のおかげではないですが……」と、ゆでたかのさんは謙遜します。この取り組みが、生徒たちの学習や進路に大きな影響を与えていることが伝わってきました。
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