教育を通して自身の活動範囲も拡大
『ゆで子屋』を始めたことで、様々なメディアや他の市町村でも学習支援や教育指導の機会を多く得ることができたそうです。
「『ゆで子屋』のおかげで、子どもたちへの学習支援や指導の場面が広がってきました。他の市町村でも『ゆで子屋』や『子ども食堂』での活動を通じて、学習支援を行ったり、教育指導方法についての講演会をさせていただいたりしています。ケーブルテレビでのお仕事もいただいていて、そこでは国語と算数を楽しんでもらえるような番組内容の制作と、出演もしています」
「ケーブルテレビiネット飯山で毎月収録している『ぽたぽたむーぶ』の撮影風景です。算数と国語に関連し少しでも学習が楽しくなる小ネタや問題解説をしています」(ゆでたかのさん)
『ゆで子屋』に来ている子どもたちの知育のために、さまざまな取り組みをされているとか。
「そうなんです。小学生の知育のためにボードゲームや謎解き、早押しクイズを使用しています。それがきっかけでラジオ番組で謎解きのコーナーや、僕がつくった謎解き問題をイベントで活用していただいたりしています」。謎解きやクイズを通じて、子どもたちの学びを楽しく促進しつつ、自身の仕事の場も、どんどん広がっていると話してくれました。
講演会の登壇が増えてきたゆでたかのさん。その経験を通して得られた新しい発見や教育方法について伺いました。
「自分が当たり前にやっていた教え方や子どもとの接し方などが、実は、学校ではやっていない特別なことだと知ることができました。また、講演会の出席者と話すことで、逆に現在の新しい教育方法や授業内容など、参考になることを勉強することもあります」と、他の教育関係者との交流から学ぶことができたと話します。
「長野県教育フォーラムでの講演会の様子です。教育関係者の方々や小学校などで講演会をさせていただく機会も増えてきました。主に子どもたちとの接し方や教育方法などについてお話させていただいています」(ゆでたかのさん)
ゆでたかのさんは学校の変化に伴い、学びに苦しむ子どもたちへの支援に積極的に働きかけています。
「学校の体制や授業が大きく変わるなか、学校にあまり行けなかったり、授業についていくのがしんどいと感じる子どもたちにも学習支援を提供しようと、地域の『子ども食堂』と連携して取り組んでいるところです。『子ども食堂』が持つネットワークと僕の学習支援を組み合わせることで、学校の学習とは別に学びを楽しめる環境をつくっていきたいんです。まだ出会えた人数は多くないですが、一人ひとりに学びを通じて笑顔になってもらえるように、試行錯誤しながら進めています」。さらに、子どもたちが学びの喜びを感じ、笑顔で成長していく姿を見ることが何よりも嬉しいと話してくれました。
「『ゆで子屋』では一人ひとり自習してわからないところを質問してもらいます。丁寧に教えようとしすぎて、かなり時間がかかるときもあります」(ゆでたかのさん)
長野県の住みます芸人として、まずは県全域規模での学習支援事業を目標に掲げているといいます。最後に、さらなる展望と想いを伺いました。
「今、活動の拠点が長野市で、『ゆで子屋』も長野市がメインになっている状態です。学習支援として訪れることのできた市町村も10ヵ所に満たないのが現状です。長野県は広大で、訪れたことのない地域も多いので、まず長野県全体で学習支援を実施し、“ゆでたかの”という芸人が学習支援をしているということを知ってもらう。そして、同じような想いで面白く学習支援ができる人を増やし、県全域→全国というように『ゆで子屋』を広め、一人でも多くの子どもを学習の場で楽しませたいと思っています」
ゆでたかのさんからは、学びと成長に関する素晴らしいお話をいただきました。今後の展開も楽しみですね。
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