細い道路の奥にある
広い農地付きの古民家は、7DKに土間と蔵もついてくる!
落ち着いた雰囲気のある古民家。駐車場から階段を上がったところに母屋と土蔵がある。左から、株式会社リライトの田中裕治さん、所有者の宮﨑邦夫さん。
山梨県のほぼ中央、南アルプスや秩父山地などに囲まれた盆地に広がる甲府市。東京へのアクセスが良好な県都という利便性を持ちながら、のどかで暮らしやすいまちとして移住者から人気を集めている。甲斐国(かいのくに)の名将・武田信玄ゆかりの地でもあり、市街地の北部には「武田神社」が鎮座する。
その神社からほど近い昔ながらの住宅地の、細い公道から少し奥まったところに、紅葉した庭木に囲まれた立派な古民家が立っている。黒壁の母屋に土蔵が連なった雰囲気あるたたずまいで、家の裏には畑(現状山地)も付いているという。
「築は明治36年ごろです。家の前のカキの木が育ち過ぎちゃっているけれど、少し枝を払えば、2階から甲府の市街地が見渡せます」
そう話すのは、所有者である宮﨑邦夫(みやざきくにお)さん。
玄関を開けると、まず現れるのは広い土間。屋内も、細かい細工が施された建具や欄間など、こだわって建てられた家だということがわかる。ほかの家から少し離れた高台にあるので、地元の名士、いわゆる「庄屋さん」のような家であったのかもしれない。
「月に2回ほど通いながら、2年かけて家の片付けをしました」と宮﨑さんが話す通り、家の中はすっきりと片付けられていて、残置物はとても少ない。山を背負っているのでホコリやクモの巣はあるが、定期的に風通しをしているので、こもった空気は感じられない。
「これだけの築年数が経っていますが、大きなひび割れは比較的少なく、しっかりと建てられた家だと思います」
そう話すのは株式会社リライトの田中裕治(たなかゆうじ)さん。
「大きな家なので、すべて補修するとなると新築の家が1軒建つくらいはかかります。必要な部分だけ大工さんに任せて、自分ができるところはDIYで、という人に向いていると思います」(田中さん)
特に大きな修繕が必要なのは風呂。母屋とつながった別棟の風呂だが、ぼやが発生したことがあり、現在は使えない状態。また、2階にわずかだが雨漏りがある。ほかにも、水道に少しの漏れがあるのでその補修や、畳や一部床を張り替えるなどもしたほうがいいだろう。
「建築基準法で定める接道義務を満たしていないため、建物の新築や増改築、用途変更などはできません。新規就農をしたい古民家が好きな人に最適だと思います」(田中さん)
【物件データ】
山梨県甲府市
1円
土地:801坪・2649㎡
延床:54坪・180㎡
菜園:約1574坪
●7DK+土間、蔵●宅地、畑●傾斜地●市街化調整区域●築約120年●汲取トイレ●中央本線甲府駅より約5.2km●明治時代に建てられた部屋数の多い古民家。約30坪の土蔵と倉庫、3カ所計1574坪の農地が付いている。複数台駐車可。大きなひび割れ、外壁のはがれ、瓦のずれ、室内の隙間、シロアリ被害、建て付け不良、土壁のはがれ、水染み、床の腐食、害獣被害などあり。総合病院、小・中学校、高校、大学、温泉、大型スーパーなどが車で10分圏内。
●問い合わせ先:㈱リライト ☎️045-620-8659(担当/田中・中川)
ココはオススメ!
土間の玄関の正面にある障子を開けると、掘りごたつのある和室。残置物がほとんどないのもうれしい。
ココはオススメ!
庭木が育ち過ぎているが、2階からは甲府市街地を一望できる。枝を払って景色を楽しもう。
書院窓や欄間など、細かい部分に意匠が感じられる。建具はこのまま活かしたい。
台所。シンク下から多少の水漏れがある。接続部分だけなら数万円で直せるが、床下のパイプが腐食している場合は30万円くらいかかることも。給湯器も古いので交換を。
家の横にある農地。現状は山地だが果樹が何本かあり、今年はビワが食べきれないくらい穫れたそう。
ココは補修が必要
2階は養蚕に使われていた。屋根に一部雨漏りがある。瓦なども含めてしっかり直すと数十万円はかかりそうだが、大工さんに屋根の穴をふさいでもらうだけなら2万円~。
ココはオススメ!
家は南向きで、日当たり良好。家の西側はこぢんまりとした庭園になっている。
ココはオススメ!
玄関を開けると現れる、10畳ほどの広々とした土間。薪ストーブが似合いそうだ。
母屋の東側には99.16㎡の土蔵がある。左が台所とつながった土間の味噌蔵、右が板張り床の穀蔵で2階もある。
ココは補修が必要
増築された風呂。ぼやがあったことがあり、現在は利用不可。浴室を補修すると80万円~。冬は廊下が寒いので、母屋内に浴室を新設しても。
周辺環境
商業施設や市役所が集まる甲府駅へ車で約14分。東京行きの高速バスもここから乗れる。
テニスやウオーキングが楽しめる市民憩いの場「緑が丘スポーツ公園」へ車で約10分。
ほかにも!1円土地情報
アクセス良好で人気の茂原市
中学生までの医療費が無料など、子育て支援が手厚い茂原市の物件。現在の地目は畑なので、家を建てるには農地法の転用許可が必要。外房線大網駅から東京駅まで特急電車で約60分。横浜や成田空港へ車で約60分とアクセス良好。
【物件データ】
千葉県茂原市
土地1円
土地:110坪・364㎡
●千葉県茂原市粟生野●外房線大網駅より約6.6km、東金九十九有料道路小沼田ICより約1.6km●都市計画区域内非線引き●用途地域無指定●畑●60%●160%●1区画●4.9m●東京電力●個別プロパン●公営水道●合併浄化槽●側溝■海まで約6.6km。周辺にゴルフ場や観光スポットが点在する立地。境界非明示売買。売買に際して農地法の許可が必要(住宅用地、家庭菜園としての転用可、資材置き場や駐車場は不可)。登記費用と不動産取得税は概算で約14万1000円、固定資産税は1万6400円。
●問い合わせ先:㈱リライト ☎️045-620-8659(担当/田中・中川)
㈱リライトの田中さんに聞く!
1円物件を買うのはどんな人?
プライスレスな価値のわかる人
「1円物件への問い合わせはたくさんいただきますが、修繕することを考えるとかなりの額がかかることが多いですね」と、田中さん。そのため、安く上げるために1円物件を購入するのではなく、「この古民家にほれた」「このロケーションで暮らしたい」という、お金には代えられない理由で購入する人が多い。「住居のほか、セカンドハウスや賃貸に出す人もいますが、甲府市のこの物件に限っていえば農地法があるため、地目が農地のままだと賃貸にはできません」。
問い合わせ先:㈱リライト ☎045-620-8659
「子安の丘みんなの家」!
横浜市にあるつながり拠点
㈱リライトの田中さんが代表を務める地域の拠点「子安の丘みんなの家」。「助け合いのまちづくり」をコンセプトに、家族で食卓を囲める「家族食堂」や子どもの学習支援やワークショップ、お母さんの料理教室などを開催。イベントなどの予定はホームページをチェック。アクセスは京浜東北線新子安駅から徒歩約15分。
問い合わせ先:子安の丘みんなの家 ☎090-2155-0449
空き家を活用したプロジェクト。令和2年度のヨコハマ市民まち普請事業にも採択。
「『家族食堂』のボランティア募集中です!」と、㈱リライトの田中裕治さん。
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