鳴かず飛ばずの東京時代から一変、山梨県が最高の住処に
「かつてコンビを組んでいた時期があって……。ただ、そのコンビが鳴かず飛ばずだったんですよね……。そんな芳しくない現状に悩んでいた頃、『あなたの街に住みます芸人プロジェクト』が立ち上がって、吉本興業の全芸人に通達がありました。そこで、『現状に風穴を開けるのはコレしかない!』と思い、手を挙げさせていただきました」。そう話してくれたいしいさん。
2011年に山梨県に移住してから、家族も増え、芸人としてのフィールドだけでなく、親の立場から山梨県で働けたことに、住みます芸人としてのやりがいを感じている様子です。
「自分には、家族がいます。妻・娘2人の4人家族です。2024年現在、娘たちは小学生。この娘たちは、山梨で育っており、山梨がふるさとなんです。今住んでいる富士川町は、すぐそばに山があって、四季折々の自然の顔を感じることができるんです。そんなまちが、娘たちの成長に大切な感覚を与えてくれているように思っています。子育てには、とてもいい環境だと感じています」
山梨県内のラジオ番組、イベントやお祭りに出演するだけでなく、自分からも積極的に企画を発信しているいしいさん。
「家族で住む土地として、山梨県って最高! 自分は東京都出身で、荒川区育ちなんですが、13年も住んでいると、『しっかりと山梨県民でしょ!』という感覚になっています。移住してからお世話になりっぱなしになっている富士川町。そんな地元のみなさんに喜んでもらいたいと思い、知り合った方々と一緒に様々なプロジェクトを進めてきました」
富士川町よしもとふるさと劇団
「富士川町よしもとふるさと劇団。富士川町民のみんなで稽古を重ね、本番ではみんな会場を大いに沸かせました」
「そのひとつが、『富士川町よしもとふるさと劇団』です。これまで知り合った富士川町のみなさんとイチから事務局を立ち上げ、オリジナルの新喜劇を公演しています。予算組みなどの企画運営・劇団員募集・当日の劇場内の制作など、これまで大きなイベントなどやったこともない町民のみなさんと一緒にトライしてきた企画です。『富士川町民が、富士川町民を笑顔にする!』をモットーに、5歳から70歳の劇団員とともに、これまでに計4回公演をやり遂げました」
やまなしストリートピアノプロジェクト
「やまなしストリートピアノチームメンバー。調律師の方もおり、毎日ピアノ調律をしてくれました」
「『やまなしストリートピアノプロジェクト』という企画にも挑戦してきました。地元出身の当時高校3年生だった青柳大空君と『甲府駅にストリートピアノを置こう!』と、2人でチームを立ち上げたんです。企画を立ち上げたあとも、賛同してくれる人がどんどん増えて、10代から50代までの計13名がチームメンバーに! 何をやったかというと、クラウドファンディングで資金を募り、JR甲府駅北口に1ヵ月間、ストリートピアノを設置するという内容です。多くの人にピアノで触れ合っていただき、甲府の街の賑わいを創出することを目的としたプロジェクト。ストリートピアノの設置期間中、多くの人がピアノに触れ、音楽を通した輪が広がりました。これも、すべて素人の県民と一緒に叶えた企画です」
移動詰め放題屋ふじま~る
「移動詰め放題屋ふじま〜る。山間地のみなさんが、楽しみに集ってくれていました」
「山梨県でも社会問題になってきている、ご高齢者さんの買い物困難の問題。それと同時に、農家さんが丹精込めて作ったにもかかわらず、流通に適さない規格外の野菜破棄。これらを解消できないかと考えた末、キッチンカーに規格外でも味のいい野菜を載せ、山間地の買い物が困難になった高齢者の方が多くなった地域に行き、そこで『詰め放題』として楽しんでもらう。そんな活動を行いました。パンなどの軽食も一緒にお出しし、その場にみなさんが集っていただけるような場所作りにも努めました。そこで芸人として、おしゃべりをし、楽しいひと時を過ごしていただきたいという思いで実施しました」
次ページ:「道の駅富士川駅長就任」
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