首都圏で子育て中のママの多くが地方移住に興味あり!? 時間に追われる子育て世帯には「田舎で過ごす時間」が必要!
「働くママは大変ね」と言われることももはや減ってきた昨今。だって、今や子育て世帯の7割以上が共働き。「大変なのはみんな同じ! みんな頑張ってる!」……そう思うから言えない。でもね、本当は言いたい、「子育てと仕事の両立はしんどいです!」
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残業する同僚を横目に帰宅。帰宅後は座る間もなく怒涛の時間。6歳の息子と2歳の娘にごはん食べさせて、お風呂に入れて、片づけて、兄弟げんかを止めたり、絵本を読んだりその間……も気になる仕事のメールや電話。やっとこさ子どもたちを寝かしつけて、そーっと布団を抜け出して、パソコンを開く。未読のメールの量にため息をつく。今日は何時に寝られる? 何時間寝られる?
疲れた~という私の足を揉んでくれる6歳の息子(右)と2歳の娘(左)
もちろん、我が子は最高に可愛いし、子育ては、幸せなことも楽しいこともたくさんあります。なのですが、とにかく毎日時間がなくていっぱいいっぱい。そんな精神状態だから、思うように動いてくれない子どもたちに、つい、「言ってはいけないことば」をぶつけてしまって自己嫌悪に陥ることもしばしば。そんな日々が続くと、子どもたちも不安定になってわざと困らせることばかりするようになった時期がありました。
| 宮崎県で過ごした時間が親子の絆をとり戻させてくれた
そんな頃、私の実家である宮崎県に子どもたちを連れて帰省しました。日中は子どもたちはじいじとばあばに任せて、私はリモートワークをする1週間。仕事を終えたら、子どもたちと買い物がてら田舎道を散歩したり、休日には近所の海や川に出かけたり。宮崎の自然とゆったりした時間の流れの中にいると、不思議と仕事も俯瞰して見ることができて、東京にいるときのように、勤務時間外まで焦ったりイライラすることがありませんでした。それが子どもたちにも伝わったのか、宮崎滞在中は子どもたちが驚くほどいい子で、素直に私に甘えてくれて、失いそうになっていた信頼を取り戻せたような気がしました。
もうひとつ、うれしかったのが子どもの“食”について。
滞在中、近所の農家さんにピーマンの収穫体験をさせていただきました。それまで子どもたちは二人とも、ピーマンは大嫌い。もはや食べさせることも諦めていました。そんな二人が自分で収穫したピーマンを「おいしい!」と食べたのでびっくり! 以来、東京に戻ってからも、スーパーにいくとピーマンを買ってとせがまれるほどになりました。幼いときに食べ物の生産の現場を見て触れることに勝る食育はありません。田舎ならではの貴重な体験です。
| 子どもを育てるなら田舎がいい? まずは親子で田舎を訪れてを体験してほしい!
大自然の中で、ゆったりと時間が流れる田舎では、都会とは違う「家族時間」を過ごすことができます。日々時間に追われている子育て世帯には、そんな時間が必要なのではないでしょうか? 子育て世帯と地域をつなぐようなことがしたい! そんな想いを持つようになった私は、昨年夏、勤めていた会社を退職し起業しました。
私たち家族は、3年前に都内に戸建てを購入して住んでいます。地価の高い東京で、私たちに買える精いっぱいの広さの土地に建てた、3階建てのいわゆるペンシルハウスです。家を買った当時から、夫とは、「いつかはこの家を売るなり貸すなりして、どこか土地の安いところで今度は理想の家を建てたいね」と話していました。子どもたちが大きくなるに連れて、もっと広い家で、ワークライフバランスも整えて、自然を感じながら家族でのびのび暮らせたら……という妄想がさらに広がるようになりました。
首都圏で子育て中の母親101人にアンケートを実施(著者調べ)
首都圏で子育て中の母親101人にアンケートをとったところ、多くの人が私と同じように、地方での暮らしに興味を持っていることがわかりました。自然豊かな環境で、のびのびと、田舎ならではの体験もできる子育て環境に魅力を感じているようです。今の環境は本当に幸せ?子どもにとっては田舎で暮らす方がいいのでは? そんなふうに考える人が増えているのを感じます。
とはいえ、移住となると簡単に踏み切れることではありません。それなら、まずは「家族時間」と「田舎体験」を目的に、子どもを連れて田舎を実際に訪れてみてほしい! リモートワークと休日を組み合わせれば、数日の田舎暮らしができる環境の人は多いのではないだろうか?
よし! 私が実際に田舎を巡ってレポートしよう!
そんなわけで、「親子で田舎体験」連載スタートです!
【親子で田舎体験】第1回は、改めて宮崎県へ
「僕、宮崎にお引っ越ししたい!」と言っているくらい宮崎大好きになっている息子の要望で、親子で田舎体験第1回は、改めて、私の故郷、宮崎県へ行くことにしました。今回は6歳の息子との二人旅。2歳の娘は夫とお留守番です。というのも、2歳の娘がイヤイヤ期最盛期でどうしても手がかかるので、最近、息子との時間が取れていないことが気になっていたからです。
これまでの宮崎への旅は、あくまで私の実家への帰省でしたが、今回は帰省ではなく、視察です! 羽田空港から宮崎へ向かう飛行機の中では、息子も宮崎についてお勉強。飛行時間は約1時間30分。あっという間に宮崎ブーゲンビリア空港に到着します。
年間の平均気温は約17度(気象庁 気象観測統計)と一年を通して温暖で、平均気温全国3位※、日照時間3位※、快晴日数2位※を誇り、と「日本のひなた宮崎県」のキャッチフレーズを掲げる宮崎県は、空港を出れば、県の木であるフェニックスと青い空の南国ムードでいっぱいです。
※1981年~2010年平年値
宿泊先は木城町の「えほんの郷」
引用:木城町ホームページ
宮崎市中心部から車で約1時間、宮崎県のほぼ中央に位置し、面積の84%を山林が占めるという児湯(こゆ)郡木城町(きじょうちょう)にある「えほんの郷」が今回の宿泊先です。深い森の中の広大な敷地内には、昔ながらの里山の風景が残されていて、「森のえほん館」では、国内外から集められたたくさんの絵本を楽しむことができます。
【宮崎県木城町】
木城町は面積の84%は山林原野が占める緑豊かなまちです。「鉄道ない、国道ない、ないないの町」を自称していますが、豊かな山林、町の中央を流れる、4つの発電所を置くほど水量豊富な小丸川(おまるがわ)、「ないないの町」だからこそある、川原自然公園、中八重緑地公園、スポーツ合宿&団体宿泊施設「いしかわうち」、木城えほんの郷など、大自然を体験できる施設、満天の星空など、木城町にしかない魅力をたくさん有しているまちです。また、定住支援施策や子育て支援施策も充実しており、大自然の中で子育てをしたい世帯におすすめのです。
途中、野生のシカにも遭遇するような山道をドライブして、えほんの郷に到着。豊かな森のすがすがしい空気を吸い込むと、心が解き放たれるような気分になります。
森のえほん館では、宿泊者は絵本を10冊選んで宿泊する部屋に持っていくことができます。早速息子は時間をかけて絵本選び。その間に私はスマホで仕事のメールなどを確認。木のぬくもりを感じる館内は静かで、鳥のさえずりが聞こえました。
コテージに入るなり「テレビがない!」と息子。夜はテレビは見ないで、借りてきた絵本をたくさん読もうね、というと、「えーっ」と不服そうでしたが、はじめての二段ベッドに大喜び! それから私はコテージ内でリモートワーク。息子は絵本を読んだり、コテージの周辺を散策して過ごしていました。
夜は、近くにある木城温泉館「ゆらら」へ。内湯のほかに、なんと16の露天風呂とサウナがあるという充実ぶりで大満足でした。子どもに大人気のすべり台付きの露天風呂があり、息子が遊んでいるのを眺めながら、私はゆっくり温泉を楽しむことができました。併設する食事処で木城町のブランド豚ロイヤルポークの生姜焼きと木城産のお米の夕食も堪能。
えほんの郷に戻ると、この日の宿泊者は私たちだけで、あたりはシーンとしており、真っ暗闇。電灯や建物の明かりがある都会の夜しか知らない息子は、本当の暗闇は初体験です。怖いと私の腕にくっついていましたが、見上げると、どこまでも広がる満天の星空! 写真でもこんなにキレイに映るほど!(実際にはもっともっとキレイでした……!) このときの、夜空を見上げて「わぁ……」と声を漏らした息子の表情を私は一生忘れません。来てよかった!
翌朝は、早朝から敷地内を二人で散歩しました。朝日に輝く霜や、鳥の鳴き声、森の朝を味わいました。真っ暗で静かな森の中で、親子で星空を見上げたり、ベッドにたくさんの絵本を持ち込んで一緒に読む、ゆったりとした親子の時間を過ごしたことは、素敵な思い出になりそうです。
【木城えほんの郷】
世界中から集められた約16,000冊の絵本が並ぶ「森のえほん館」や、本とコーヒーを楽しめる「木こり館」、劇団の公演などが行われる「森の芝居小屋」、コンサートが行われる「水のステージ」などがあります。宿泊施設「森のコテージ」も。24000㎡の広大な敷地内では、「お米づくり」「里山虫むし合宿」「10才のひとり旅」など、自然との関わりを大切にした体験活動や、水のステージでのコンサートなど、子どもたちが大自然の中で感性を育むことができる様々なイベントが企画されていて、季節ごとに、親子で訪れたい場所です。
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