田舎での困りごとを、田舎暮らしのベテランライターが回答。住民票を移していない場所でのゴミ捨ては原則できない。別荘や二地域居住の場合、どうしたらいいのか、お答えします。
3年前に別荘を新築。近くに町のコミステーションがあり、そこにゴミを捨てていました。ところが、最近になってゴミ袋に名前を書くルールに変更され、「定住していない人は利用できません」という通知が回ってきました。自宅に持ち帰っていたのですが、定年退職してから別荘の滞在時間が長くなり、家の中はいつもゴミだらけ。車内のにおいも気になります。
東京都在住 遠藤さん●49歳
ゴミ収集の利用は定住者のみという地域
山奥の別荘地は避暑地のイメージが強かったが、十数年前から定住する人が急増。バブル期に比べて地価が大幅下落し、寒冷地住宅の技術も発達したからだ。別在地でも定住すれば地域住民の一員で、場所によっては掃除が当番制になっているところもある。ただ、定住とはあくまで住民票を移すということであり、遠藤さんのように長期滞在することではない。
袋に名前を書くルールに変更され、ゴミステーションを利用できなくなった遠藤さん。ゴミ処分は地域の財政に直結する問題で、住民税を納めていない人が行政サービスを受けられなくなるのも、地域によってはやむを得ないことだろう。
その場合、ゴミは都会の自宅まで持ち帰るのが原則。自家用車がゴミ運搬車になりかねない。別在地によっては管理事務所がゴミステーションを管理し、非定住者でも自由にゴミが出せるところがある。定住のめどが立たない人は、最初からゴミ処分のサービスが充実している別荘地を選ぶのも賢い方法だろう。
スーパーの資源ゴミ回収も、上手に利用したい。
ゴミ減量の工夫は別荘利用でもできる!
高速のサービスエリアで、一般ゴミだけでなく、生ゴミや粗大ゴミまで捨てる人がいる。これは紛れもない不法投棄だ。自宅まで持ち帰るのが面倒という気持ちはわかるが、ゴミの処分はあくまで自己責任で行うべきである。
別荘利用者であっても、ゴミを減らす工夫はできる。例えば、田舎でもスーパーで資源ゴミを回収しているところが多く、ペットボトルやアルミ缶、食品トレー、牛乳パックなどを持ち込むことが可能。こういう合法的なシステムを、上手に活用すべきだ。生ゴミは敷地に穴を掘って埋める方法もあるが、野生動物が多いと掘り返されるので、コンポスターを使ったほうが無難である。
自宅まで持ち帰りたくなければ、ゴミ処分場へ運ぶ手もある。もちろん有料だが、「クリーンステーション」「クリーンセンター」などの名称で設置されているので、自治体に確認するといい。
生ゴミを処理するコンポスター。上手に使えば、菜園用に良質の堆肥ができる。
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この記事を書いた人
山本一典
田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。
Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/
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