全国に広がっている住みます芸人の笑いあふれる地域協力活動にフィーチャーした、「47都道府県エリアプロジェクト(あなたの街に“住みます”プロジェクト)」をレポートする本連載。
今回は、地元の子どもたちを対象に、楽しみながら学べる場を提供する「ノーサインクラブ」という活動を行っている滋賀県の住みます芸人「ノーサイン」をクローズアップ。ボケ兼ツッコミの乾さんに住みます芸人になった経緯や地元の教育活動について伺いました。
CONTENTS
滋賀県住みます芸人
ノーサイン
左_乾(いぬい)|ボケ兼ツッコミ担当。1994年2月5日生まれ。滋賀県近江八幡市出身。NSC大阪校41期生。芸歴6年。趣味は、ボーリング、野球、ボートレース。特技は、ボーリング、歯笛。
右_北斗(ほくと)|ツッコミ担当。1994年3月3日生まれ。滋賀県湖南市出身。NSC大阪校41期生。芸歴6年。趣味は、バイク、オーディオ、フィルムカメラ、ラーメン作り。特技は、バイクの車種当て・解説。
同期は、しんや、キャツミ、タイムキーパー、三遊間 など。
住みます芸人歴:2021年4月~
活動拠点:滋賀県
主な活動:ノーサインクラブ、地域のお祭りなどのイベント、ラジオ、単独ライブなど。
X(旧Twitter):乾 @no_sineinui、北斗 @10_19272
Instagram:乾 @no_sign_inui、北斗 @no_sign_hokuto
TikTok:@no_sign9272
YouTube:ノーサインのサインはバント
【滋賀県】 |
記憶の財産を子ども達に! 住みます芸人ノーサインの挑戦
故郷への想いが紡ぐ新たな絆
お互い小学校の教員免許を持つ若手芸人コンビがノーサイン。大学で知り合った2人が、NSC(お笑い養成学校)を経て2018年にコンビ結成。2021年からは、滋賀県住みます芸人として活躍しています。まずは、住みます芸人になったきっかけについて伺いました。
「僕たちノーサインは、滋賀県で生まれ育ちました。大学の同級生コンビなんですけど、在学中からコンビを結成していて、アマチュアとしてお笑いの活動をしていました。大学卒業後、僕、乾は小学校の教員として就職し、相方の北斗も教員免許を持っていて児童館に勤めたり、バイクディーラーに就職したりしていました。その後、芸人の道で生きていきたいと思って、NSCに入ることに。
実は、僕たちはNSCの頃からコンビで故郷を盛り上げたいという共通の思いを持っていたんですよ。もちろん、芸人である以上、関西や全国で有名になることも目指していますが、もう一つの目標として、滋賀県を盛り上げたい! 滋賀県で活動したい!という気持ちがあって。なので、よしもと芸人になってしばらくして、住みます芸人に志願させていただきました。その結果、希望が通り、芸歴3年目(2021年)の春から、滋賀県を拠点に活動させていただいている感じですね。47都道府県の住みます芸人の中でも、1番若手でフレッシュさを売りに日々頑張っています!」
「BSよしもとでの中継時の写真です! ゆるキャラたちも集まっていただき楽しく中継できました!」
地域への愛着が、キャリアの方向性を決定づけたと乾さんは言います。それでは、滋賀県住みます芸人として、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。
「主な活動のひとつに『ノーサインクラブ』というものがあります。これは、僕と相方の北斗が持つ教員免許を生かした活動です。私は元小学校教諭、北斗は元児童館職員という経歴を活かし、2人で子どもたちが楽しいと思える居場所づくりをしています」
子どもたちの未来を育む『ノーサインクラブ』
『ノーサインクラブ』とは具体的にどんな活動なんでしょうか。
「主な活動としては、子どもたちとレクリエーションをしたり、夏休みや冬休みには一緒に宿題をしたりしています。また、子どもたち同士でコンビを組んで漫才体験をするなど、非日常的な体験を提供しています。
僕たちの目的は、子どもたちになによりも『楽しかった!』という思い出、大人になってからも忘れない『記憶の財産』を持ってもらうこと。そんな思いで活動をしています。
保護者や地域の方々から、アンケートなどを通して意見や感想をいただき、『子どもが家に帰っても楽しかったと話してくれます』という声や、『次はこんなことをしてみたい』という声もいただいています」
「エリア事業で行っている『ノーサインクラブ』の様子です。子どもたちの『記憶の財産』をつくります!」
子どもたちの反応についても伺いました。
「子どもたちからは『楽しかった!』『面白かった!』『またやりたい!』という言葉をもらえて、本当にやりがいを感じています。これからも子どもたちや地域の方々の意見を取り入れながら、さらにレベルアップした活動を続けていきたいと思います」
地域コミュニティの活性化へ
『ノーサインクラブ』の活動は、地域にどのような影響を与えているのでしょうか。
「この活動は、親子の会話づくりのひとつになっていると感じています。また、地域のご近所さんたちが触れ合うきっかけにもなっており、地域全体が活気づいていると考えています。最近では、SNSでの活動報告を見た県外の方々からも『ぜひお願いします』というお声がけをいただくようになりました」
地域の枠を超えて、活動の輪が広がっていると話す乾さん。では、ノーサインさんが考える、この活動の最終的な目標は一体、どのようなものなんでしょうか。
「一番は、『ノーサインクラブ』の活動を通じて、次世代の子どもたちが明るく過ごせる環境をつくることです。良くも悪くもネット社会になりつつありますが、子どもたちが楽しいと思える居場所を増やしてあげることで、生きやすい環境づくりをしていきたいと考えています。子どもは環境に左右されやすいので、楽しいことを続けていけば、自然と大人になっても楽しいことを追い求めていくと信じています」
芸人としての心得と強み
住みます芸人として活動するなかで、大切にしていることがあると乾さんは語ります。
「僕たちが大事にしているのは、『サービス精神』と『強みを生かすこと』です。住みます芸人の仕事は、様々な地域から足を運んでいただける劇場と違い、ほとんどが地元在住の方が来られるイベントです。滋賀県の方々に受け入れられることで仕事をいただくことができ、今後も応援していただける芸人になれます。そのためには、舞台の上以外の時間が大切だと僕たちは考えています。舞台の上に元気で明るく振る舞うのは、正直どんな芸人でもできると思います。しかし、舞台以外の時間をいかに大切にするか、先方さんとどう関わるかが重要です。
現場入りをして『ご依頼ありがとうございます』のひと言や、終わってからの『ありがとうございました』のひと言が言えるかどうかが、とても大切だと考えています」
「甲賀市で開催された、甲賀市三大祭りのひとつ『忍夜討』にイベント出演させていただきました。この出演をきっかけに、甲賀市でいろいろなイベントに呼んでいただけるようになりました」
乾さんはノーサインの強みについて、どのように考えているのでしょうか。
「僕たちの強みは、『コンビ揃って教員免許を持っていること』『子どものいる現場で社会人を経験していること』だと思います。『子どもの扱いがうまい芸人』という肩書きを前面に押し出して、イベント出演などの声かけをいただいています。実際に小学校で授業をしたり、子ども向けのお祭りやイベントに多数出演したりしています。皆さんのイメージとして『子ども=ノーサイン』となるように PRしています」
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