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田舎暮らしの本 10月号

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田舎暮らしの本 10月号

9月3日(火)
890円(税込)

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【親子で田舎体験vol.3(前編)】移住したくても移住できない!? 「おしゃれ」で「新しい」田舎らしくない田舎。人口の半分が移住者の人気のまち で“子持ち様論争”を考える|北海道東川町

執筆者:

【親子で田舎体験】第3回は、北海道東川町へ

提供:東川町

北海道東川町
北海道のほぼ中央に位置する、人口約8600人のまち。東部は山岳地帯で大規模な森林地域を形成し、日本最大の自然公園「大雪山国立公園」の区域の一部になっている。大雪山系の最高峰旭岳は東川町域に所在。豊富な森林資源と優れた自然の景観が観光資源として高く評価されている。旭川空港から東川町まで約10分。羽田空港から約2時間でアクセスできる。

東京から約2時間! 日帰り圏内で、二拠点居住も可能

というわけで、「親子で田舎体験 vol.3」は北海道の東川町へ。今回は、4泊5日の滞在です。北海道というと遠く感じますが、旭川空港から東川町までは車で約10分。東京から約2時間でいくことができちゃう、2拠点居住も現実的なまちなのです。

親子体験移住でいちばん大変なのは、往復の移動! 3歳の娘の「抱っこ!」攻撃と、大げさじゃなく10分おきに勃発する兄妹げんかの仲裁、そして3人分の大荷物! 旭川空港に到着したときには、心身ともにへとへと……。

旭川空港で、近くの椅子に2人を座らせて、レンタカーの手続きをしていると、後ろからにぎやかな声が聞こえました。振り返ると、息子と娘が、3人のおばあちゃんに囲まれています。2人は、さっきねだられてしょうがなく許可した「ガチャガチャ」のおもちゃを自慢げに披露中。慌てて「すみません!」とかけよろうかと思いましたが、「まあ、いいわね!」「これはどうやって遊ぶの?」「えらいわねぇ!」とまるで親戚のように子どもたちに笑顔を向けてくださっている様子が嬉しくて、「ありがとうございます」に言葉を変えました。 

この後も同じようなことが数回あって、息子が「北海道って最高だね! みんなすっげぇ優しいもん!」と言っていたのが今回の滞在中の印象的なできごとのひとつです。

東京とはちがう、人との距離感やあたたかさを、子どもたちにも感じてもらえるのも、田舎体験の魅力のひとつです。

「写真の町」を軸に進める東川町のまちづくり

旭川空港から車で約10分。東川町に入ると、大雪山を背景にどこまでも広がる水田の大パノラマに、思わず「わー!!!!」と声が出ました。本州の田園地帯とはちがう、北海道ならではの圧倒的な開放感!

 東川町は、1985年に「写真の町」を宣言して依頼、“写真映りのよい”まちづくりを進めてます。当時、各自治体の特産品づくり「一村一品運動」が盛り上がるなか、東川町は、食べ物でもキャラクターでもなく、「写真」をかかげ、まちづくりを進めました。SNSなんてもちろんなかった時代に、今でいう「映え」を意識するとはなんという先見の明!

なかでも私がいいなと思ったのは、米作りを主産業とする東川町が、田園風景を「映える」価値のあるものとしてとらえていること! 東川町は、田園風景を見渡せる場所に、洗練された観光施設を置いています。

春の田んぼの水が鏡のように空を映し出し輝く様子、夏の緑鮮やかな田んぼと青空のコントラスト、秋の赤い夕日の中の黄金色の田んぼ……。各地にある日本の原風景ですが、こんな風に観光資源にできているまちは他にないのではないかと思います。 

老若男女が楽しめて、さらに作品によって世界中にまちの魅力を伝えられる「写真」を柱にしたまちづくりは大成功し、今の東川町につながっています。世界中の写真家らが集う「東川町国際写真フェスティバル 」や高校生のための「写真甲子園」などのイベントが開催され、東川町は、自然と文化と人をつなぐまちとして認知されるようになりました。

|最初に宿泊するのは、キトウシ森林公園のケビン

4泊5日の滞在で、前半の2日間宿泊したのは、市街地から車で約10分、キトウシ自然公園内にあるケビンです。東川町の自然を満喫しながら、屋外でのバーべーキューやハイキングなどのアウトドアも楽しむことができる宿泊施設です。

北海道限定のアイス「とうきびモナカ」にご満悦の娘。

東川町は、日本5大家具産地に数えられる「旭川家具」の約30%を生産している「家具・クラフトのまち」です。室内には、ぬくもりのある大きなダイニングテーブルをはじめ、東川町の職人が制作した素敵な家具が置かれていました。

木がふんだんに使われた室内。子どもたちはロフトにはしゃいで大騒ぎ。

到着した日は、風が気持ちのよい、暑くもなく、寒くもない抜群の気候! 北海道最高! 子どもたちが施設周辺の散策をするのを眺めながら、私はパソコンを外に持ち出して、リモートワークをしました。

時折、みつけた草花や虫を見せに戻ってくる子どもたちに、なんだか顔がほころびます。

|キトウシの森きとろん

提供:東川町

敷地内には、東川町を一望できる温浴施設「キトウシの森きとろん」があります。建築家の隈研吾氏が監修したという外観は、スタイリッシュで洗練されていながら、地元産のカラマツがふんだんに使われていて、木のぬくもりが感じられる東川町らしいデザインです。

地元の食材を楽しめるレストランや、東川町の特産品が揃うショップやギャラリーもあり、ここだけでも東川町の魅力を味わうことができます。

2023年8月にリニューアルオープンしたばかりの施設は、最新のシステムが取り入れられており、地方の温泉とはちょっと違う趣。大浴場は、内湯、サウナがあり、すべて、東川町の景色を眺めることができるつくりです。

子どものための絵本や遊具も置かれたリラックススペースもあり、入浴後もゆっくりと過ごすことができます。大人も子どもも大満足で、滞在中の4日間、入浴は毎日ここを利用しました。

圧巻の眺望のレストランでは、地場の食材を使った食事を楽しめます。東川米のごはんが美味しくて、娘も息子もよく食べました!

キトウシの森 きとろん
所在地:北海道上川郡東川町西4号北46番地
TEL: 0166-82-7010
営業時間:10:00〜22:00(最終受付は20:30)
定休日:水曜日

静かな森林の中にあるケビンでたっぷり睡眠をとり、朝はウッドデッキで朝食を。スマートフォンでメールチェックをしていると、息子が、野生のウサギとリスを発見!

「お母さん、仕事ばかりしていると、今しか見られないものを見逃すよ!」

……ぐさりとくることを言うなぁ(笑)。

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