北海道白老町(しらおいちょう)に持つフラッグシップ施設「ナチュの森」で3月15日から10月20日までの期間限定で開催している「ナチュの森で縄文にであう展」の入場者が累計 2 万人以上と、人気となっています。今回は、白老町で地域の活性化に貢献している廃校跡地を活用した「ナチュの森」スポットをクローズアップして紹介します。
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北海道白老町の魅力は、優れた水質と豊富な食材
【自然】白老に宿る2つの”水”
白老町は面積の約75%を森林が占め、海、川、山、森と様々な自然にあふれたのどかなまちです。豊富な自然が織りなす豊かな風景を楽しめ、四季折々の様々な表情を楽しむことができます。そのなかでも今回は「水」に関する2つの観光名所を取り上げていきます。
倶多楽湖
1つ目は「倶多楽湖(くったらこ)」です。倶多楽湖は支笏洞爺(しこつとうや)国立公園区域にある周囲約8kmのきれいな円形をしたカルデラ湖です。流入・流出する河川がなく、環境省の2001年度公共用水域水質測定結果で水質の湖沼部門で全国1位になりました。また、摩周湖に次ぐ全国2位の透明度を誇っています。近くには標高約320m地点に建っている扇形展望台があり、倶多楽湖を上から眺めることができます。(上空からの撮影写真です。)
インクラの滝
2つ目は「インクラの滝」です。インクラの滝は「日本の滝百選」に選ばれた滝として知られています。別名は「別々の滝」で、昭和初期まで地元の人に呼ばれていました。落差は約44m、滝幅は約10mあり、水量も多く名瀑の1つとされていますが、地質条件により姿形がよく変わります。滝壺は立ち入り禁止になっていますが、展望台から写真をとることができます。(木々の葉が茂ると見えなくなることもあります。)
【料理】食材王国しらおいの郷土料理
白老町には、豊かな自然が生んだ様々な特産品があります。山の幸として白老町のブランド牛できめ細やかな肉質と濃厚なうまみが特徴的な「白老牛」、北海道のきのこ品評会で最高賞を受賞した「原木しいたけ」、アイヌの伝統的なハーブティーで風邪や二日酔いに効果があるとされている「エントのお茶」があります。また、海の幸では、海辺の温泉郷とされる虎杖浜(こじょうはま)で獲れる「虎杖浜たらこ」、倶多楽湖の伏流水で育てられたチョウザメの卵を使用した「白老カムイキャビア」、甘みが強く身がぎっしり詰まった「白老港の毛ガニ」が挙げられます。
豊かな自然とともに多くの特産物が存在する白老町ですが、この豊かな食材を一品に込めたのがアイヌ伝統料理「オハウ」です。白老町ではいくつかのカフェでオハウを食べることができます。オハウは食べ応えのある大きな具がゴロゴロと入っているシンプルなスープで、地元の野菜や旬のお魚がふんだんに使われています。それぞれのお店によって使われている食材が変わっていたり、塩麹で下準備をした食材を使っていたりと個性があるので、食べ比べにもおすすめです!
令和の新観光スポット「ナチュの森」
親子で楽しめる文化拠点施設も併設
ここで、白老町の観光スポットを紹介します。代表的な観光名所は「国立アイヌ民族博物館」ですが、今回は2018年に完成した新観光スポット「ナチュの森」をピックアップします。
ナチュの森は旧虎杖中学校をリノベーションした施設で、旧グラウンドには一部を美しい庭園や芝生が広がる「ナチュラルガーデン」が、旧校舎には科学体験による学びと発見が楽しめるミュージアム「森の工舎」が併設されています。運営元は赤ちゃんと敏感肌の人が使いやすいスキンケア用品を研究・開発する「ナチュラルサイエンス」と姉妹会社の「ナチュラルアイランド」という会社です。基幹である化粧品工場のオープンファクトリーとしての「ナチュの森」の運営を通して、地元の白老町や隣接する登別市の産業発展・雇用創出だけでなく、誰もが寛げて学びや体験ができる場の提供を通じて地域に貢献しています。
思いっきり遊んでゆったり癒やされる!「ナチュラルガーデン」
ナチュラルガーデンでは、子どもたちが思いっきり遊べられる「きららっこ広場」や「しずくはらっぱ」があります。なかでも「きららっこ広場」では前に紹介した倶多楽湖の湧き水を使った「クッタラ噴水」があったり、ネットアスレチックが楽しめられる「お空のネット」といった遊具があったりします。
そして、美しい自然の中でゆっくりくつろぎたいという方向けには「森ビーチ」エリアや「ポニーサークル」エリアがおすすめです。「ポニーサークル」エリアでは「セラピーホース」という穏やかな性格のポニーたちの乗馬体験ができます。馬との触れ合いや、ゆったりと歩くことによる、特有のリズムに癒やされること間違いないでしょう。
自然と科学の”不思議”にワクワク・ドキドキ「森の工舎」
2022年にオープンし、五感をフルに活用して楽しみながら学べる「森の工舎」では様々な“教室”があります。香りにまつわるワクワクを体験できる「香りのラボ」、蒸留の仕組みと過程が分かる「蒸留実験室・アトリエ」、自分の好奇心を刺激する「ライブラリー」、日本や海外合わせて約1000冊の中から好きな本を「絵本の部屋」、倶多楽湖の湧き水を五感で楽しめられる「蒸留カフェ」。
今回はこの中から厳選して2つの教室を紹介していきます!
知的好奇心を刺激する「ライブラリー」
1つ目は「ライブラリー」です。ここでは「自然の恵みと豊かな暮らしの発見」をテーマに選書された約3,000冊の本を楽しむことができる場所です。その種類は手に取りやすい雑誌や漫画から、一般には流通していない古書までバラエティ豊富。閲覧室もガーデンを見渡すソファー席、本に囲まれたおこもり席、調べものに最適なデスク席など気持ちにあった場所で思い思いの時間を過ごすことができます。
倶多楽湖の湧水を楽しむ「蒸留カフェ」
2つ目は「蒸留カフェ」です。このカフェでは、理科の実験器具や倶多楽湖の湧き水を使ったメニューを楽しむことができます。店内にはフラスコ、ビーカーといったガラス器具で組み立てられた水出しコーヒーの抽出機が並べられていたり、実際に国産しょうがを蒸留している様子が見られたりします。そこで抽出されたコーヒーやジンジャーソーダはこのカフェのいち推しメニューです!
ナチュの森では期間限定で「ナチュの森で縄文にであう展」を開催しています。「?」や「!」が沢山湧き出すきっかけや好奇心の交流の場になるような展示やイベント・ワークショップを用意しています。詳しくはこちらから。
今回は北海道白老町の知られざる魅力について紹介しました。自然や食事だけでなく、文化・科学にも触れ合える白老町。残暑の蒸し暑さを忘れて家族で・お友達で楽しめる観光スポットです! ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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