日本海側に位置する福井県。日本最北で育つフグは身が締まっておいしいといわれている。山の幸も豊富で、ドングリの木が豊富なおおい町のイノシシにもファンが多い。現地を訪れてでも食べたい「てっちり」「ぼたん鍋」を紹介!
掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています。
トラフグを味わい尽くす、ぜいたくなごちそう鍋「てっちり」【福井県高浜町】
トラフグの高級ブランド「若狭ふぐ」を堪能できる鍋料理。福井県高浜町(たかはまちょう)で若狭ふぐを提供している店舗は15軒ほどあり、店舗それぞれのコース料理のなかで趣向を凝らした鍋が楽しめる。
町内の店舗や宿のなかには、半分のアラを煮てだしをとり、アラを食べ終わったところで、ボリュームたっぷりの身、残りのアラ、野菜を入れて煮込む方法でおいしさを増幅させているところも。締めは、コラーゲンなど貴重な栄養分やうま味を残さず食べられる、卵とじ雑炊がオススメ。高浜町のほか、沿岸市町などでも味わえる。
トラフグの高級ブランド「若狭ふぐ」。福井県でのトラフグ養殖の始まりは1954年に高浜町の漁業者が、春先に定置網に入ったトラフグを、海の一部で育てたのが始まりと言われている。
↓若狭ふぐが買える「生産者直送便」
https://wakasa-takahama.jp/fugukani/shopping/
名田庄の大地が育む、心も体も温まる「ぼたん鍋」【福井県】
福井県おおい町の冬の味覚・ぼたん鍋。おおい町の名田庄(なたしょう)と呼ばれる地域では、「ジビエ」という言葉が流行する前からイノシシの肉を使ったぼたん鍋が食べられてきた。名田庄地域の山にはドングリの木が多いため、イノシシは好物のドングリをたっぷり食べて動き回っていることから、良質な脂がのっているといわれる。
ぼたん鍋は各家庭で食べられるほか、毎年11月中旬~3月ごろまで町内の飲食店で提供される。合わせみそをベースにしただし汁に猪肉と季節の野菜を入れて煮るのだが、自家製味噌によって味が異なる。また、味噌で煮込まず、自家製の山椒の利いた赤味噌をつけて食べるぼたん鍋や、しゃぶしゃぶで提供する店、締めはうどんのほか、きしめん、おじやなど各店舗それぞれで味が違うので、好みの味を探すのも楽しい。
寒さが厳しい冬の季節の栄養補給源として食べられてきた猪肉。鍋としていただけばより体が温まる。
↓ぼたん鍋情報も掲載!一般社団法人おおい町観光協会
https://www.wakasa-ohi.jp/botannabe/
これらの鍋を心待ちにして冬に福井県を訪れるという観光客もいるというほどの名物鍋。ほかにも福井県にはカニ、甘エビ、サバなどさまざまな食材に恵まれているので、現地を訪れてみては。
文/横澤寛子
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