15年の軌跡と“初期衝動”が生み出した最高傑作｜nano.RIPE（ナノライプ）・きみコさんインタビュー

初期衝動、今もなお胸に

それでも前に進む

――そんな過去のご自身と向き合うような楽曲が「初期衝動」だと感じました。

「こういう向き合い方は少し苦しかったですね。やっぱり長く活動してると後悔なんかもどうしたってあるので。でもそこを避けては通れないというか、もういっそ歌にしてしまえっていう気持ちで一気に書き上げました。書いてしまうと少し楽になるっていうのは昔からあるので」

――“初期衝動”という言葉はアルバムのテーマとしても掲げていたワードだと聞きました。

「デビューから今年で15年、フルアルバムも今作で8枚目ということで、こんなに長く音楽を続けてこられたのは間違いなく聞いてくれる、会いにきてくれるみんなのおかげなんですけど、音楽を始めた頃の“初期衝動”が今も変わらず自分たちの中にあることがスランプ知らずの理由なのかなと。そういう気持ちを大事にしたアルバムを作りたかったんです」

――迷いや悩みなんかもありながら、それでも進むという意志の強さが描かれていますよね。

「止まらずに活動しているので、ひたすらに突き進んでいるように見えるかもしれないんですけど、やっぱり少し立ち止まったりする瞬間は何回かあったんですよね。そのあたりも包み隠さず書いたので、だいぶ人間らしい曲に仕上がったと思います」

野球愛を音に乗せて

――nano.RIPEといえば、“野球” ですが、今作にも野球に関連する楽曲がありますね。

「はい。『クライマックス』に加えて『果てなきブルー』という曲が誕生しました」

――きみコさんもファンである“埼玉西武ライオンズ”応援番組テーマソングということですが。

「そうなんです！ とっても光栄です！ 高校野球もそうですけど、好きなものに音楽で関われる、応援できるっていうのは、本当に幸せなことですよね」

――歌詞にもライオンズを思わせるワードがたくさん出てきますが、どのようなイメージで書かれたんでしょうか。

「昨シーズンがとても悔しい結果に終わってしまったので、今年こそはという気持ちを込めて書きました。“気高き獣”や“ブルー”という、ライオンズらしい言葉も使いながら、選手のみなさんにもファンのみなさんにも共感してもらえるように、というところを意識しました。『照らせ 闇を〜』の部分は、ライブではもちろんですけど、球場でも応援団のみなさんが歌ってくれたらいいなぁと密かに思っています（笑）」

――今シーズンはますます応援に熱が入りそうですね。

「はい！ ファンクラブももちろん継続更新しましたし、今年も全力で応援します！」

――リリースツアーもありますが、どんなツアーになりそうですか。

「もちろんアルバムの曲中心のツアーにはなると思うんですけど、いつも通り各地でできる限りセットリストを入れ替えていきたいなと思っています。新録曲が10曲あるので大変そうだなーという気持ちもありますが（笑）」

――どんな曲が飛び出すかわからないのがnano.RIPEのライブの醍醐味でもあります。

「これまでリリースした曲は全曲愛おしいですし、リリースしたからにはしっかりと届けていきたいですからね。今回も頑張ります！」

――最後に読者にメッセージをお願いします。

「大袈裟でなく、最高傑作だと自信を持っていえるアルバムになりました。今のnano.RIPEはもちろんのこと、これまでの軌跡も詰め込んだ作品になっているので、余すことなくお楽しみいただけたら嬉しいです。なかなか難しいことかもしれないけど、ぼくらの音楽があなたの光になれたらと本気で思っています。ツアーで会いましょう！」

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