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北海道移住 or 鹿児島移住、どちらが暮らしやすいの?【教えて! 移住プランナーの仲西さんvol.7】

執筆者:

教えて! 移住プランナー仲西さん vol.7

移住プランナー、移住専門ファイナンシャルプランナー、空き家相談士など様々な顔を持ち、これまで約2500組もの移住相談に多角的な視点で対応してきた、仲西康至(なかにし・こうじ)さんが、地方移住についての疑問、質問に答える連載「教えて! 移住プランナーの仲西さん」。第7回のテーマは「北海道移住 or 鹿児島移住、どちらが暮らしやすいの?」です。

「退職をしたら田舎に移住をしたいと思っていますが、暑い所も寒い所も苦手です。北海道と鹿児島の二地域で暮らしてられる仲西さん。正直どちらの方が暮らしやすいですか? メリットやデメリットがあれば教えてください。」
(相談者Aさん、大阪府在住、55歳)

皆さんこんにちは、移住プランナーの仲西です。

今回の相談者Aさんの「暑い所も寒い所も苦手」と言われる気持ちは良くわかります。

私のこれまでの経験からも、移住先を探すときの優先順位として、気候や風土を挙げる人はとても多いですね。

南国と北国のデメリット

まずは北国と南国について、比較をしながら考えてみましょう。

「美しい白銀の世界が広がる北国」「常夏の青い海が広がる南国」と、それぞれの魅力は十分ですね。

それよりも気になるのは、デメリットの方ではないでしょうか。

移住先を考える場合、デメリットを知っておくことは大切ですからね。

気候について

<北国>

① 降雪地域において除雪作業が日常生活のなかで必要

② 冬期間は光熱費等の燃料費が高騰

③ 冬タイヤの交換が必要。暖機運転等の影響で燃費が低下

<南国>

① 梅雨時期、湿気の多い夏季は不快指数が上昇

② 台風被害により、雨漏り・停電・物資の停滞等の被害

③ 湿気によりカビ、室内のダニが増殖

体調等について

<北国>

① 寒さによる体のこわばりからの肩こり

② 乾燥による肌荒れ

③ 血圧の上昇、足の抹消部(指先)の血液循環の阻害

<南国>

① 夏バテによる倦怠感

② 熱中症や脱水症状

③ 高温多湿による細菌性食中毒の増加

その他にも、北国の子どもたちは夏休みが短く、水泳授業のない学校もあります。また、冬期間は徒歩や自転車による通学が制限されることもあります。

一方、南国は夏場の冷房費が嵩んだり、「雑草の成長が早く、草刈りが大変」と言った声も良く聞かれますね。

北海道 VS 鹿児島県

次に、私が実際に暮らしている北海道と鹿児島県について、私なりの視点で比較をしてみましょう。

気候の違い

【北海道】引分け【鹿児島県】

北海道の夏は比較的涼しく、湿度が低いため過ごしやすいですが、冬は厳寒で積雪も多く、除雪作業が必要となります。一方、鹿児島県は温暖な気候で、冬でも比較的暖かいですが、夏は高温多湿で、台風の影響を受けやすいですね。

生活コスト

【北海道】<【鹿児島県】

物価はやや北海道の方が高いと言われています。また、冬季の暖房費が高くなります。

一方、鹿児島県は冬の暖房費が抑えられます。また、冬場に収穫ができない北海道と異なり、鹿児島県は一年中、野菜を収穫できるため、地元の農産物や魚介類が安く手に入ります。

仕事・産業

【北海道】>【鹿児島県】

北海道は鹿児島県よりも人口が多く、観光業、農業、IT関連の仕事が増加しています。ただし、札幌以外の地方は仕事が少なめです。

コミュニティなど

【北海道】>【鹿児島県】

北海道は広大な土地があり、のびのびと暮らしているイメージがあります。また、北海道は屯田兵による開拓から始まっているため、移住者に対しては寛容さがあります。

一方、鹿児島県は歴史が古く、北海道よりも地域のつながりは強いです。また、独特の鹿児島弁には戸惑ってしまうかもしれません。

「暮らしやすい」を勘違いしている?

例えば、「寒い地域は冬が暮らしにくい、暖かい地域は夏が暮らしにくい」と、思ってしまいますよね。そのため、「夏は避暑をかねて北国で暮らし、冬は暖かい南国で暮らしてみたい」と、考える人も多いでしょう。

しかし、近年は北海道であっても、夏場の気温は軒並み30℃を超えます。また、北海道はクーラーを設置している住宅がまだまだ少なく、「夏は過ごしにくい」と言った声も聞かれます。

一方、鹿児島県であっても、冬場は朝の冷え込みも厳しくなります。特に、建築年数の古い住宅は、板張りで隙間風の入る家屋も少なくありません。そのため、気密性の高い北海道の住宅の方が家の中は暖かく、暮らしやすく感じるかもしれません。

例えば、若い世代ならば、冬は寒い地域でウィンタースポーツ、夏は暖かい地域でサマースポーツを満喫したいとも考えますよね。

「寒い地域は冬が暮らしにくい、暖かい地域は夏が暮らしにくい」と、頭から決めてしまうのではなく、暮らし体験等を通し、「暮らしやすさ」を感じてみると良いですね。

ちなみに、北海道では雪の降る地域と、あまり雪の降らない地域があります。

「雪道運転が不安だから」と言って、降雪の少ない地域で暮らしてみると、雪が積もっていない凍結路面の方が走りづらいことに気付きます。

鹿児島県も桜島の降灰が多い地域と少ない地域に分かれますよね。気になる方は、チェックしてみてくださいね。

北海道と鹿児島県はどちらが暮らしやすいのか?

今回、相談者Aさんから、「北海道と鹿児島県のどちらが暮らしやすいのか」と、ご質問をいただいております。

たしかに、移住先を探すときに、気候や風土は重要な要素かもしれません。

しかし、「暮らしやすさ」を考えるときには、住居やコミュニティなど、それ以外の要素も忘れてはいけません。

北海道には雄大な自然があり、四季折々の風景が楽しめます。家が広く土地の価格が比較的安価で、のびのびとした暮らしが可能です。

一方、鹿児島県は冬でも比較的温暖で過ごしやすい気候です。
有名な温泉地が多数あり、観光名所も豊富です。広大な北海道と違って、都市間の移動も楽と言えますね。

今回は、北国の北海道と南国の鹿児島県を比較して考えてみましたが、全国のどの町であっても、ご自身で足を運んで「暮らしやすさ」を判断いただくことになります。

また、短期的な快適さだけでなく、長期的な暮らしを考慮して、判断をすることが大切ですね。

お試し移住体験やプチ移住を通して、「暮らしやすい」と感じられる町が見つかることを祈っていますね。

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この記事を書いた人

仲西 康至

仲西 康至

移住プランナー/移住専門FP/「一般社団法人移る夢」代表理事/空き家相談士 大阪出身。2006年国内初の移住専門FPとして独立。家族で北海道に移住し、「移住プランナー」として活動を始める。2022年には総務省「地域プロジェクトマネージャー」として鹿児島に移住。大阪・北海道・鹿児島の3拠点生活を実現。これまで18年間の活動で2500組の移住相談に対応。著書「移住を成功させる5STEP」「雪国に移住 住宅選びのテクニック20選」他

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