教えて! 移住プランナー仲西さん vol.8
移住プランナー、移住専門ファイナンシャルプランナー、空き家相談士など様々な顔を持ち、これまで約2500組もの移住相談に多角的な視点で対応してきた、仲西康至(なかにし・こうじ)さんが、地方移住についての疑問、質問に答える連載「教えて! 移住プランナーの仲西さん」。第8回のテーマは「沖縄移住はやめとけ? 移住前に知っておくべきこと」です。
CONTENTS
「私たちは東京に住む30代の夫婦です。2人とも南国の海が大好きで、沖縄にも2回旅行に行きました。そのうえで、沖縄への移住を考えています。でも、SNSなどを見ていると、『沖縄移住はやめとけ』と書かれた記事を何度か目にします。実際、沖縄への移住は難しいのでしょうか? 成功するコツなどあれば教えてください。」 (Aさん、東京在住、30代夫婦)
沖縄移住はやめとけ? 沖縄移住に失敗する理由
皆さんこんにちは、移住プランナーの仲西です。
沖縄への移住、素敵ですね!
一年を通じた温暖な気候、エメラルドグリーンの海、白砂のビーチ、サンゴ礁など、沖縄は魅力たっぷりです。観光で沖縄に行くと、きっと誰もが「夢の楽園」のように感じるのではないでしょうか。その魅力的な沖縄には、「都会を捨てて移住したい」と考える人があとを絶ちませんね。
しかし、その一方では「沖縄に移住した8割の人が、約3年以内に後悔して帰ってしまう」とも言われています。
憧れて移住したにもかかわらず、どうして3年以内に帰ってしまうのでしょうか。
その理由について、いくつか書き出してみました。
1.移住の理由が弱い
観光で体感した南国の開放的なイメージに魅了されて、軽いノリで移住することが失敗に繋がっています。
2.沖縄の風土を勘違い
沖縄はカラッとした空気と晴天に包まれたイメージがりますが、実際はとても湿気が多い地域です。
例えば、同じ南国のイメージがあるハワイを旅した人であれば、その風土の違いが解るでしょう。
数日間の観光では湿気もさほど気にはなりませんが、実際に生活すると湿気の多さは思いのほか影響があり、後悔をする人がいます。
3.沖縄県民の気質に馴染めない
沖縄はかつての琉球王国として名を残すように、独自の文化を持っています。
例えば、沖縄県民の気質を表現したものに、「うちなータイム」という言葉があります。これは「沖縄時間」を意味しており、沖縄県民は時間にルーズであることを指しています。
こうした沖縄県民の文化や気質に馴染むことができず失敗をする人もいます。
沖縄は割高なまち
一般に「田舎は都会と比較して生活費が安い」と考えられています。
しかし、沖縄県は「割高なまち」と聞くことがあります。
その理由として、沖縄県の賃金の低さが影響しています。
例えば、地域別最低賃金(2024年10月)は次の通りです。
全国1位の東京都1,163円に対し、沖縄県952円は秋田県951円に次ぐワースト2位です。北海道と比較をしても、その差は歴然としています。
また、全国平均年収(2023年9月~2024年8月)は次の通りになります。
こちらも、沖縄県359万円は高知県355万円に次いでワースト2位です。
このように、沖縄県は賃金が低い一方、物価は高いことが、「割高なまち」の所以となります。
まず、沖縄県は本土との距離があることから輸送コストがかかります。
また、離島であることから、競争の原理が働きにくいこともあります。
一般に、沖縄県で割高と言われるものに、次のようなものがあります。
① 不動産
「沖縄県は住宅が見つからない」とよく聞きます。
特に、那覇市は人口密度が都市圏並に高く、住宅事情を悪化させています。
また、沖縄で賃貸住宅を借りる場合は、独特の連帯保証人制度がありますので注意が必要です。
② 電気料金
沖縄は石油発電が主流のため、本土と比較して15%くらい割高になります。
夏は日差しが強く蒸し暑いため、エアコンを多用することで電気代もかさみます。
③ ガス料金
プロパンガスを主に利用しているため割高となります。
③ 引越し代金
離島のため割高になります。また、船便(フェリー)を利用するため、1週間程度の時間を要します。
宅配便についても、高い料金が設定されています。
④ 食費
沖縄で栽培される作物は、種類も収穫量も限られています。
そのため、野菜や果物・魚介類など、食品の多くが本土から輸送することになるため、割高になります。
このように、沖縄県は給料が低いにもかかわらず物価が高いため、「割高なまち」といわれています。
沖縄移住を成功させるコツ
今回の相談者Aさんからのご質問にもありましたが、「沖縄移住を成功させるコツ」についてお話いたしますね。
1.移住前に生活をシミュレーションする
沖縄に移住する人は、観光をキッカケとして衝動的に移住をしてしまう人が多く、それが失敗の要因ともなっています。
まずは、「観光」から「生活」に視点を変えて滞在してみることです。
そこで、自治体の移住体験制度を活用し、実際の物価を確認してみることをおススメします。
2.沖縄の風土や気質を理解する
移住体験を通して、沖縄の風土や気質を体感することが大切です。
沖縄の湿気や塩害に気分が滅入ってしまうかもしれません。
それでも、憧れの沖縄に住むことができている喜びをもてたなら、その気持を大切にしましょう。
また、沖縄本島ではなく周辺の離島に移住を考えているのならば、ぜひ移住体験を活用してください。
小さなコミュニティと独特の慣習のある空間で、「実際に暮らしていけるのか」を確認してみる必要があります。
沖縄の文化を理解し、「郷に入っては郷に従え」の精神が大切ですね。
沖縄の青い海と空が待っています。
今回の相談者Aさんの沖縄移住が成功することをお祈りしますね。
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この記事を書いた人
仲西 康至
移住プランナー/移住専門FP/「一般社団法人移る夢」代表理事/空き家相談士 大阪出身。2006年国内初の移住専門FPとして独立。家族で北海道に移住し、「移住プランナー」として活動を始める。2022年には総務省「地域プロジェクトマネージャー」として鹿児島に移住。大阪・北海道・鹿児島の3拠点生活を実現。これまで18年間の活動で2500組の移住相談に対応。著書「移住を成功させる5STEP」「雪国に移住 住宅選びのテクニック20選」他
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