破格で購入した築40年の空き家を、当時DIY初心者だった夫婦が力を合わせてセルフリノベーション! 「すべて味、すべて思い出」を合言葉に、多少の失敗も楽しみながら自分たち好みの快適空間をつくり上げました! 現在、Yahoo!ニュースのエキスパートとしても活躍するDIY-FUFUさんに当時の様子を寄稿していただきました。
掲載:2025年6月・7月合併号
CONTENTS
DIY-FUFU
都市部から田舎に移住し、築40年の空き家を100万円で購入。DIY初心者ながら工夫を重ねて快適な住まいにセルフリノベーション。空間をつくることに楽しさを覚え、現在は珈琲豆の焙煎小屋をセルフビルドしてWebショップ「コヤノマメヤ」で珈琲豆を販売したり、築100年の古民家をアレンジして一棟貸し宿「HAKURA」を運営している。
日当たりがよいリビングは、木の風合いを活かした暖かい雰囲気に。リフォーム前は床の間のある和室と広縁だったスペースを、広いリビングダイニングキッチンにしました。
働き方や暮らし方を見直すために田舎へ移住
私たちは以前、神戸市で会社員として働いていました。忙しい毎日のなかで2人の将来を考えたときに、「このままで本当に幸せになれるのか?」という思いが大きくなり、お互い30歳を迎えたタイミングで思い切って退職を決意。働き方や暮らし方を見直すために田舎へ移住することを決めました。
移住先は、都市部へのアクセスもよい「ちょうどいい田舎」。空き家バンクで見つけた物件は、前の住人さんがしっかり管理していたため、築年数のわりにはとてもきれいな状態でした。もとは350万円の売値でしたが、「早く手放したい」ということで、交渉の末100万円で譲っていただくことに。理想的な条件だったため、即決しました。
物件自体はきれいでしたが、水回りは設備が古く、すべて和室だったこともあり、今後の生活のことを考えてリフォームすることに。工務店に相談してリフォーム内容を決めましたが、生活動線を考慮した結果、キッチンやトイレを移設するレベルの工事となったため、水回りだけで想像以上にリフォーム費用がかかってしまい、そのほかの箇所はコスト削減のためにDIYでリフォームすることに決めました。
「すべて味、すべて思い出」と思い、失敗も楽しむ
とはいえ、私たちはDIY未経験のど素人。ホームセンターで電動工具をレンタルし、YouTubeやインターネット記事を参考に、見様見真似でやってみることからスタート。何をするにも初めてだったため、下調べにも時間がかかり、作業はスムーズにはいかず、何度も失敗を繰り返して心が折れそうになりました。気持ちを切り替えるため、「すべて味、すべて思い出」と自分たちに言い聞かせ、うまくいかないことさえも楽しむことをモットーにすることに。
プロの仕事に比べたら恥ずかしい仕上がりですが、フローリングのすき間や漆喰塗りの凸凹さえもよい味・よい思い出となっています。
写真で見るDIY-FUFUのリノベ ビフォーアフター
【玄関⇒お洒落空間に】
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玄関は床が沈む箇所もあったので、床には合板を重ね貼りしてクッションフロアを貼りました。襖には壁紙を貼って、壁には白漆喰を塗りました。
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【床の間⇒ダイニングキッチンに】
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工務店に依頼して床の間があった箇所にはキッチンを設置。リビングの家具や収納棚はすべてDIYで製作しました。
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【2階和室⇒洋室の作業部屋と寝室に】
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和室はすべて洋室に変更しました。写真の2階も和室から洋室にDIYでリフォームして作業部屋と寝室に。快適性を求めて天井裏に換気ファンを入れて温度&湿気対策をしています。
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【台所⇒広い廊下とトイレ】
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家のなかで最も日当たりの悪いところにあった台所は、工務店に依頼してトイレと広めの廊下に。
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のんびり暮らしながら、いくつかの仕事を掛け持ち
必要に迫られて始めたDIYでしたが、少しずつ知識が増え、気づけば〝工具沼〞にハマって工具も増えてきました。半年ほどでセルフリノベーションはおおむね完了しましたが、その後も少しずつ手を加えたり、ちょっとしたメンテナンスや修繕であれば自分で対応したり、子どもが生まれてからは絵本やおもちゃ用の棚を製作したりと、移住して5年ほど経った今もなお日曜大工を楽しんでいます。
現在は田舎でのんびりと暮らしながら、いくつかの仕事を掛け持ちする複業スタイルで仕事をしています。移住後に子宝にも恵まれ、2人の息子の子育てにも奮闘中です。 DIYで培った「すべて味、すべて思い出!」「うまくいかないことさえも楽しんでしまえ」の精神は仕事や子育てにも活きているような気がしています。
人生100年、あらゆる変化さえも楽しんで、自分たちのチャレンジを見せ続けられる大人であり親でありたいと思っています。
【初心者でも成功するポイント】
①理想の中古物件の見つけ方
中古物件を見つけるには、大手不動産サイト、地元の不動産屋、自治体の空き家バンクなどを網羅的にチェックするのが一般的です。一方、田舎には売りに出されず放置されている好条件の空き家がかなり多い印象でした。まずは、その地域で賃貸を借りて暮らしながら、地元の方と信頼関係を築き、人づてに物件を紹介してもらうというのが案外近道だと感じています。
引っ越し初日の記念写真です。私たちは、この家を空き家バンクで見つけました。
②DIYとプロに任せる部分を線引きする
今は情報があふれており、「DIYのやり方」と検索すれば山ほど方法が出てきます。しかし、私たちは「プロに任せるべきところ」の線引きを大切にしています。私たちは浴室やトイレ、キッチンなど水回りのリフォームはすべてプロの業者さんにお願いしました。もしプロの領域まで踏み込んでDIYをしてしまうと、水漏れなどの心配をしながら暮らすことになり、修繕が必要になれば余計にコストもかかってきます。自分たちでできることを見極めてセルフリノベすることが大切だと考えています。
浴室やトイレ、キッチンなどの水回りはプロにお任せしました。できないことを見極めてプロに依頼することは大事です。
文・写真/DIY FUFU
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