破格で購入した築40年の空き家を、当時DIY初心者だった夫婦が力を合わせてセルフリノベーション! ここでは、DIY-FUFUさんに実際に自分たちがDIYしたなかで、やってよかったDIYや、オススメのDIYを教えていただきました。
掲載:2025年6月・7月号
CONTENTS
DIY-FUFU
都市部から田舎に移住し、築40年の空き家を100万円で購入。DIY初心者ながら工夫を重ねて快適な住まいにセルフリノベーション。空間をつくることに楽しさを覚え、現在は珈琲豆の焙煎小屋をセルフビルドしてWebショップ「コヤノマメヤ」で珈琲豆を販売したり、築100年の古民家をアレンジして一棟貸し宿「HAKURA」を運営している。
古い家の悩みを解決するDIY
とにかく寒い!を解決する内窓DIY
古い家の悩みで一番つらかったのは「寒さ」。古い家は窓が大きく、断熱性能も低いため冷気が入ってきやすいです。私たちは断熱効果を高めるために内窓をDIYすることに! 小さい窓にはホームセンターで入手できる内窓資材を使い、大きな掃き出し窓については木製の窓枠と内窓を自作。おかげで体感温度がぐっと上がり感動しました。最も大変でしたが、やってよかったDIYです!
❶内窓の木枠づくり
ホームセンターで買ってきた木材を塗装して組み立て。
❷木枠ができたら、溝を掘る
木枠の上側には引き戸用の溝を掘る。
❸木枠の取り付け
窓枠につくった木枠をはめ込み、ビスで取り付け。
❹引き戸の製作
引き戸の下側には戸車を取り付けておく。
❺引き戸の組み立て
引き戸の枠には溝を掘り、組み立てて採光のためのポリカーボネートをはめ込む。
【完成】引き戸を木枠に取り付けたら、断熱と採光ができる内窓が完成。
使いにくい押し入れは解体してクローゼット化
昔ながらの押し入れは現代の生活様式に合わないだけでなく、湿気が溜まりやすくカビも生えやすいです。考えた末に、壁や棚を解体してクローゼット化することに。開放的な空間となり、収納力が大幅にアップしました。また、スギ板を張ったり漆喰を塗ったりして防湿効果も高めました。
❶中段の解体
バールやのこぎりで解体。
❷壁の解体
昔ながらの砂壁をバールで解体。
❸壁の製作
防湿のためにスギ板を張り付ける。
❹漆喰塗り
サイドは合板を張って上から漆喰を塗る。
❺金具の取り付け
用途に合わせて棚やハンガーパイプを取り付け。
【完成】現代の生活に合った大容量のクローゼットに(普段はカーテンで目隠し)。
築古の家を垢抜けさせるDIY
壁は白をベースにアクセントカラーで垢抜け
古い家で気になるのが「暗さ」。“昭和”を感じさせる緑色の砂壁には白い漆喰を塗り、明るさをアップさせるとともに防湿効果を持たせました。昼間でも暗かった階段の化粧板には、白色の壁紙クロスを貼りました。白を基調にすることで、一気に部屋が明るくなり開放感が増しました。また、ところどころにアクセントカラーのグレーブルーを入れることで少し垢抜けた印象に。
【砂壁には白漆喰】
家のなかのほとんどの壁に白漆喰を塗りました。部屋が明るい印象になり防湿効果も。
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【暗い板壁は白の壁紙に】
昼間でも暗かった階段は、白の壁紙を貼ることで一気に明るくなりました。
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【昭和っぽい外壁タイル】
アクセントカラーでネイビーブルーに塗装しました。
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襖などの古い建具は活かしてアレンジ
当初、建具は取り替えようと考えていましたが、費用がかかることがわかり断念。それなら「あるものを活かそう」と方針を変更。襖には木目の壁紙クロスを張り、ドアは塗装したりモールディングを張ることでアレンジしました。
【買い替えると高額な建具はそのまま利用】
もともとあった襖に壁紙を貼ってリメイクしました。
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庭のDIY
もともとは植木や庭石がある和風の庭でしたが、ガーデニングが楽しめるような空間にしました。外から家が丸見えだったため、目隠しのウッドフェンスを製作したり、プランターカバーやコンポストを製作したり、景観や防犯のために砂利を敷きました。とても小さな庭ですが気に入っている空間です。
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100万円の家を購入してよかったこと
ローンに縛られることがなく身軽!
手持ち資金だけで家の購入&リフォームをしたことで、ローンに縛られることなく家を持つことができました。一方、私たちはこの家を終の住処とは考えていません。仕事の都合や子どもの進学などでライフスタイルが変わってもフレキシブルに対応していこうと思っています。「愛着はあっても執着しない」と決めています。
固定費がかなり下がり、移住5年で資産は1000万円を超えた
一般的に固定費で大きなウエイトを占めるのが家賃や住宅ローンですが、我が家はそれがゼロなので生活がぐっと楽になりました。さらに、田舎に住むことで浪費が減り、ご近所さんから野菜をいただくなどの恩恵があり食費も減少。浮いたお金を資産運用に回すことで、子どもの進学や自分たちの老後に備えた資産形成がしやすくなりました。
DIYが仕事につながった
自分たちのDIYの記録のために始めたYouTubeやInstagram。コロナ禍のときのニーズとマッチしたのもあり、想定よりも多くの方に視聴していただきました。工具メーカーさんをはじめ、企業さんとのタイアップ企画の機会をいただくことも。また、DIYの経験を活かし、珈琲焙煎用の小屋をセルフビルドして珈琲豆の焙煎を始め、賃貸で借りた古民家をDIYでアレンジして一棟貸しの宿の運営もしています。
珈琲焙煎用の小屋をセルフビルドで製作。Webショップ「コヤノマメヤ」にて珈琲豆を販売中。https://secondself.thebase.in/
夫婦で運営する一棟貸し古民家宿「HAKURA」を2024年8月にオープン。海外からのお客さまも増えています。https://hakura-tamba-sasayama.jp
文・写真/DIY FUFU
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