掲載:2019年7月号
田舎の人付き合いは密で、都会生活が長い自分には難しいのではないか--。そう考えている人は多い。そこで先輩移住者に、田舎の人付き合いにまつわる不安について、アドバイスしていただいた。
【相談1】「田舎暮らしをしたいけど、メディアで移住後のトラブルをよく聞くようになり、不安です。ご近所さんと仲よくなる方法を教えてください」
【先輩Yさんの回答】
「ゴミの捨て方について、細かいルールがありましたが、ご近所さんにお伺いしながら慣れました。都会の流儀は通用しませんから、『都会ではこうだった』という言葉や考え方は持ち出さず、地域の流儀を尊重するとうまくいきます。地域性は簡単にわかるものではないので、体験施設などを利用し、何度も通ってみることをおすすめします」
【先輩Hさんの回答】
「トラブルはどこにでもあります。積極的に何でも相談し、話していけばご近所さんと仲よくなれます。移住前の会社での役職や地位などあまり考えないほうがいいです。後から入っていくのですからその土地になじむ努力を」
【先輩Tさんの回答】
「お店をしているため、お客さまが増えるに伴い駐車場のことでクレームが出てきました。何度も足を運び、地域の特性を肌で感じるのがいいと思います。喫茶店など、地元の人が出入りしそうな場所で、情報を聞くのもいいと思います」
【先輩Oさんの回答】
「ご近所トラブルはまったくありません。ほどよい距離感でとても暮らしやすい地域です。集落全体での作業に積極的に参加することが重要だと思います。トラブル回避として移住前にその地域のボランティア団体(古民家改修や交流会など)の活動に参加するのもおすすめです。知り合いをつくることで地域性がわかって安心できると思います」
【先輩Yさんの回答】
「こちらがお世話になる身なので、低姿勢で接することが大切。そして挨拶は必ずしたほうがいいですね」
【相談2】自治会費など地域に払うお金がたくさんありそう。いくらくらいかかりますか?
【先輩Sさんの回答】
「自治会費は月500円くらいです。私の地域は近くの神社の氏子のため、お札の支払いもあります。地区の清掃活動に不参加の場合、地域によって支払いが生ずることも」
【先輩Kさんの回答】
「私の自治会は入町費(にゅうちょうひ)ゼロ、会費が年間8000円程度でした。ほかに融雪組合の積立金が同額程度ですので、そこまで負担ではありません。昔から続く自治会や祭りの山車を持つ自治会によっては、入町費が10万円のようなところもあるので、自治会長さんへ確認するのがおすすめです。自治会長さんは市役所で教えてくれます」
【先輩Sさんの回答】
「田舎だからといって高くはありません。年間4000〜5000円くらいです」
【相談3】地域の行事がある田舎が多いと聞きますが全部行ったほうがいいですか? またお酒が苦手ですが、飲み会で困りますか?
【先輩Bさんの回答】
「地域によって参加しなければならない行事が異なります。参加するほうが、地域の話題などを教えてもらえますので、移住後3年は積極的に参加することをおすすめします。飲酒については、最初に飲めないと説明すれば強要はされません。社員旅行など、会社の行事が苦手だったという夫でも、地域の旅行会は楽しいらしく、いそいそと出かけていきます」
【先輩Yさんの回答】
「すべての行事に参加する必要はありません。しかし、1年目はなるべく多く参加することでどの行事に出るべきかを知ることができます。個人的にはスポーツ大会のような行事は出たほうがいいと思います。からだを動かしながらだとコミュニケーションがとりやすく、すぐに仲よくなれます。飲み会では、お酒が飲めないことをアピールしつつ、お酒をついで回るなど、気遣いがあれば大丈夫です」
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文/編集部 イラスト/吉野 歩
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