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田舎暮らしの本 9月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 9月号

8月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

【田舎暮らしの本スタッフのリアルな田舎生活】新規就農した夫と移住!自宅の隣にペットフォトスタジオをオープン【山梨県笛吹市】

桃農家になる!と宣言をした夫とともに6年前に山梨県へ移住したカメラマンの尾㟢たまきさん。目の前に桃畑が広がる場所に“終の住処”として家を構え、夫婦2人と猫2匹の生活を送っています。新規就農した夫のこと、新築の家のこと、菜園での野菜づくりのこと、新しく始めたペットフォトスタジオのことなど、レポートしてくれました。

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掲載:2025年8月号

田舎で暮らしながら、関東の仕事もできる山梨


尾﨑たまき●熊本で広告関係のカメラマンをしながら水中写真に取り組む。本格的に水中写真家として活動するため上京。現在は水中撮影のみならず、犬や猫の撮影も多く手がける。2025年春、ペット撮影専門のスタジオ「ペットフォトスタジオMoo」をオープン。

山梨県笛吹市(ふえふきし)

田舎暮らしの本スタッフの尾﨑たまきさんご自宅。縁側で菜園を眺めながらティータイム
家は地元の工務店にお願いして建ててもらいました。仕事柄、薪はいくらでも手に入るため、夢だった薪ストーブも設置。平屋のようですが2階もある1.5階のつくりです。(尾﨑さん 以下省略)

 東京で仕事をしていた私たち夫婦が、神奈川県から山梨県に移住し家まで建てることになるとは想像すらしませんでした。当時、夫はサラリーマン、私はフリーのカメラマン。犬1匹猫1匹とのマンション暮らしでした。

 いずれは実家のある熊本での生活もいいなと漠然と考えたことはありましたが、仕事のことを考えると現実的ではなく……、でもこのまま都会に住んでいるイメージもつかず……。そんなある日、今の仕事に区切りをつけたいと夫から相談がありました。続く言葉は「山梨で桃農家になりたい!」でした。

 とにかく桃が大好きな夫。ですが、まったくの未経験で桃農家なんてできるの?と心配な半面、山梨での暮らし、なんか楽しそう!と思う自分もいました。後者の自分が勝ったこともあって夫の桃農家への道へ、ともに歩むため山梨移住を決意。山梨だったら東京へも近いのでこれまで通り関東での仕事を続けられるという安心感もありました。

 いざ方向性が決まったら、夫は先に山梨へ引っ越しをし、桃農家になるべく農業大学校に入校。9カ月間、果樹コースで実習や座学などを学び、卒業に合わせて私も2匹を連れて山梨に引っ越しました。

 甲府市にある夫の実習先農家さんの近くに古い一軒家を借り、4年ほど暮らしました。ただ、その家は裏山が迫り、日当たりがよくなく、大雨が降ると土砂崩れの心配をすることも。畑からも数キロ離れていて、自宅から畑まで車で移動しないといけないことにもモヤモヤ。

 せっかく広々とした地域に移住したのだから、日当たりがよく近くに畑がある家に住みたいという思いが膨らみはじめたころ、縁あって笛吹市御坂町(みさかちょう)の今の場所と出合いました。桃やブドウの木がある農地と収穫したものを選別や箱詰めする作業場も付いている理想的な物件です。

山梨県へ移住してモモ農家へ新規就農
桃の袋掛け作業をする夫の太郎です。丹精込めてつくった桃やトウモロコシは「尾崎桃太郎ファーム」というサイトでネット販売しています。

山梨県の特産品モモ
気温によって一気に熟すこともあるため、桃の収穫は待ったなし。早朝から行い、その日のうちに出荷します。

以前の家や畑の周りに出てきたアライグマ
以前住んでいた家や畑の周りには、アライグマをはじめ動物がたくさん。センサーカメラを仕掛けて撮れた動物はほかにキツネ、アナグマ、イノシシ、タヌキ、イタチ、ハクビシンなど。

人もペットも笑顔になれる場所をつくりたい

 桃畑を望めるような配置で念願のマイホームを建て、家の前で家庭菜園も始めました。これまでも家用の野菜をつくっていましたが、畑が離れていたため手が行き届かないことがしばしば。虫に食われていたり、適期を逃してジャンボ野菜になっていたり、雑草に負けていたり。今は実った野菜を家の中からでも確認できます。ゆるい性格の私にもぴったり。収穫した野菜で、食卓も賑やかになりました。

 山梨県は中央に甲府盆地があり、夏はとても暑いのですが、朝晩はぐっと涼しくなります。この気温の差が果物にとっていいとされますが、私たち人間にとっても朝晩の涼しさはからだを休められてとてもありがたいです。それに富士山の雪解け水のおかげか、水道水が冷たくてとてもおいしいんです。特にご飯がおいしく炊けるので、食べる量が明らかに増えました。

自宅のすぐ前が菜園。窓から収穫の様子が見れる
畑に面した窓の外を人が通ることはありません。そのためカーテンレスにしました。猫たちも外を眺めたり日なたぼっこをしたりと窓際は人気の場所です。

菜園でできた野菜たち家の前の家庭菜園では、自分たちが食べたい野菜を無農薬で栽培。穫れすぎて消費できないときは近くの直売所に出すことも。雑草ももりもり生えて“ゆるゆるたまき農園”といわれています。

 じつは昔からやりたかったことがもうひとつ、ペットフォトスタジオです。神奈川県在住時に、何度も物件を見に行っては断念を繰り返していましたが、ここに引っ越してきてその思いが蘇り、家の隣にドッグラン併設の「ペットフォトスタジオMoo(ムー)」をオープンしました。スタジオの壁の漆喰塗装、ドッグランの板張りと芝張りは自分たちで挑戦。

 スタジオでは飼い主さんとペットの写真はもちろんのこと、新しい飼い主さんを探すための保護っコ撮影もボランティアで行いたいと思っています。

 山梨県の人は穏やかで優しい方が多く、移住してきた私たちにもとても親切にしてくれました。今後は、そんな方々への恩返しも込めて、地元のおじいちゃんやおばあちゃんたちの写真を撮らせてもらい、プレゼントできたらと思っています。

山梨県笛吹市に新しくつくったペット撮影専門のスタジオ「ペットフォトスタジオMoo」
ペット撮影専門のスタジオ「ペットフォトスタジオMoo」は自宅横に2025年春オープン(完全予約制)。ドッグランも併設されたペットファーストな空間です。

ペットスタジオでの撮影風景
犬が安心して走り回れるように、床は滑らない無垢材を使用しました。猫もリラックスできるようにキャットステップも設置。

自宅前に広がるモモ畑
家の前に広がる満開の桃畑。年に一度のぜいたくな景色に幸せが感じられるのもほんの一時。すぐに桃の摘花作業が始まり、農家の仕事が忙しくなります。

動物を撮影する際のポイント

「動物と同じ目線で撮ると怖がられずに自然な表情で撮れます。犬は声かけやおもちゃの音などで気を引きつつ、首をかしげた瞬間や口を開いて笑っているような瞬間がかわいくてオススメ。猫は静かに近づきそっとじゃらしなどで遊びながら撮影します」(尾﨑さん)

文・写真/尾㟢たまき

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  • 田舎暮らしの本スタッフの尾﨑たまきさんご自宅。縁側で菜園を眺めながらティータイム
  • 山梨県へ移住してモモ農家へ新規就農
  • 山梨県の特産品モモ
  • 以前の家や畑の周りに出てきたアライグマ
  • 自宅のすぐ前が菜園。窓から収穫の様子が見れる
  • 菜園でできた野菜たち
  • 山梨県笛吹市に新しくつくったペット撮影専門のスタジオ「ペットフォトスタジオMoo」
  • ペットスタジオでの撮影風景
  • 自宅前に広がるモモ畑

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