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田舎暮らしの本 12月号

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田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

田舎移住の疑問・不安に先輩移住者がズバリ回答!

掲載:2019年7月号

人生が一変する田舎移住。移住前に、いろんな疑問や不安があるのは自然です。そんな経験を乗り越えた先輩移住者に相談に乗ってもらいましょう。

【相談1】移住してから、もっと事前に確認しておけばよかったと思ったことはありますか?

【先輩Yさんの回答】

「家や周辺環境だけでなく、健康保険料や税金、介護施設、医療施設、自治会や行政サービスなどはしっかり調べればよかったなと思いました」

【先輩Tさんの回答】

「気温は確認される方も多いと思いますが、案外湿度のチェックは忘れがちです。湿気は厄介なので必ず確認を」

【先輩Tさんの回答】

「農業がしたくて移住しましたが、想像した以上に獣害に悩まされ、対策に手間と費用がかかりました」

 

【相談2】移住地を探すのによい季節はありますか?

【先輩Sさんの回答】

「すべての季節を実際に体験し、移住先を決めるのがベストですが、無理な場合は地域の方に聞いて生活が一番大変な時季に体験すると安心して移住できると思います」

【先輩Sさんの回答】

「梅雨前に行くのがいいと思います。確認として夕暮れどきに行くことをおすすめします。日陰になりやすい物件は、後々苦労をします」

 

【相談3】免許がありません。やっぱり、車の免許がないと暮らせないですか?

【先輩Kさんの回答】

「大きなまちであれば車の免許がなくても暮らせます。ただ、イベントなどで車が必要になることも。私は知人に乗せてもらっていました」

【先輩Sさんの回答】

「移動販売がいろいろあり、問題なし!」

※先輩移住者9割が「車の免許はあったほうがよい」と回答しました。

 

【相談4】田舎で不便を感じることはありますか? またその不便をどう解消しましたか?

【先輩Tさんの回答】

「都会の便利さを忘れられない、あるいは捨てられない人は、移住は難しいと思います。自分の人生にとって何が重要かをしっかり検討すると道が開けると思います。不便を感じることはゼロではありませんが、私は今の暮らしに満足です」

【先輩Yさんの回答】

「芝居や歌舞伎、すてきなレストランなど、東京で享受していたものがほとんどありません。しかし、ないものねだりをしていても仕方ありません。私の場合は東京ではなかなかできないことを楽しんでいます。例えばゴルフ。東京にいたころは行くまでに時間がかかり、さらにプレー費も結構高額でした。こちらはゴルフ場に近く、年金生活者には優しいプレー費です。そして何といっても、温泉。温泉には11種の泉質がありますが、別府には10種類もありますし、湯量も日本一です。毎日温泉ざんまい! 最高です」

 

【相談5】古民家暮らしで困ったことと快適に過ごすコツは?

【先輩Bさんの回答】

「水回りと屋根はちゃんとお金をかけて改修したほうがよいと思います。古民家に住む友人は、最初に手をかけなかった屋根が雨漏りし、修繕にお金がかかったそうです」

【先輩Kさんの回答】

「私は1人暮らしですが、寂しさに耐えられない方は無理だと思います。天井からすすが落ちるのでまめに掃除をするなど、古民家はやることがたくさん。とても忙しいです」

【先輩Yさんの回答】

「冬は隙間風で寒いので、熱がうまく循環する場所にストーブを置いたり、ファンを回したりと工夫しています」

 

【相談6】田舎暮らしをしたいけど、虫が苦手な妻が反対しています。うまく説得する方法はありますか?

【先輩Sさんの回答】

「我が家も子どもたちが虫を嫌がっていましたが、虫も棲まない土地に暮らすより、からだによいということをしっかり説明しました。移住後、あんなに嫌がっていた虫にあっという間に慣れたようです」

【先輩Nさんの回答】

「田舎は自然が豊かな分、虫が多いけれど、網戸と照明をうまく使えば被害を少なくできます。環境がよい証と思えば、排気ガスよりいいですよ」

 

【相談7】空き家バンクで物件を探したけど、いい物件が見つかりません。ほかにいい方法は?

【先輩Bさんの回答】

「地元の不動産会社に問い合わせると掘り出し物の物件が見つかることも。あとは地道に現地に足を運び、地元の人に聞くことです。空き家はあっても素性の知れない人には貸してくれないところが多いと思います。まずは地元の人と知り合いになって、人となり、誠意を知ってもらうと、いろいろと情報がもらえます」

【先輩Kさんの回答】

「空き家バンクに登録される前に、知人などに売られる物件もあります。私の知り合いは、まず町営アパートに住み、地元の人と仲よくなって家を紹介してもらったそうです」

 

【相談8】移住後の困ったエピソードはありましたか?

【先輩Kさんの回答】

「購入した空き家の裏の土地を畑にしようと思っていましたが、前の所有者の両親の代に捨てられていたゴミが大量にありました。役場を通して調整し、ゴミの処分代を支払ってもらいました」

【先輩Nさんの回答】

「家庭菜園を始めようとご近所さんに話したら、いろんな方が栽培方法を教えてくださいました。うれしかったのですが、人によってやり方が違い、どうしたらいいかわからなくなったことがありました。結局ネットで調べることに……」

 

【相談9】海の近くに住みたいけれど、津波や塩害なども気になります。実際に住んでよかったこと、後悔したことを教えてください。

【先輩Bさんの回答】

「太平洋側と日本海側で塩害がかなり異なります。小浜市は波も穏やかで、海岸沿いでも潮臭くありません。海岸沿いの家も洗濯物を外に干しています。車の塩害も海岸沿い以外は気にならないでしょう。津波についてはハザードマップと電柱に記載されている海抜を参考にしてください。物件を探す際、洗濯物をどこに干しているか、雨戸を閉めたままの家が多いかどうかを確認すると塩害の被害がある程度わかります」

【先輩Yさんの回答】

「海の近くはいいですよ! 我が家は海抜45mの高台にあり、眼下に別府湾が広がっています。この高さだと塩害もありません。一方、すごく海辺に近い方に伺うと、塩害はもちろん、台風時や高潮時などは波だけではなく、海に浮かぶペットボトルやゴミ、流木などが窓を打ち破って入ってくるそうです。ですから、やはり海辺から少し離れた高台がおすすめです」

 

【相談10】里山暮らしに憧れます。実際に住んでよかったこと、後悔したことを教えてください。また住む前に確認することは?

【先輩Bさんの回答】

「災害については古地図が役に立ちます。古地図で水辺だと、地盤が緩いですし、水害の危険も考えなくてはなりません。近隣の山に植わる木の種類も確認してください。スギやヒノキを植林された山は、手入れされてないと崩れやすくなります」

【先輩Kさんの回答】

「里山での生活は季節を肌で感じることができ、非常に癒やされます。庭の草刈りや薪割りなどは大変ですが、健康的で充実感を感じます。ただ山の近くに暮らすとムカデや大量のカメムシなどが家に入ってくるということは知っておいたほうがいいかと思います」

 

【相談11】田舎で子育てしてよかったこと、困ったことがあったら教えてください。勉強の進み具合や進学などが気になります。

【先輩Iさんの回答】

「我が家の場合は少人数の学校でよかったです。部活やスポーツ少年団に積極的に参加するのもおすすめです」

【先輩Sさんの回答】

「我が家の息子たちは思春期真っ只なかで移住しましたが、大自然の中で思いっきりからだを動かせる環境にとても喜んでいます。子どもの数が東京に比べて少ないため、授業もていねい。学校や部活で送迎するのは大変ですが会話が増え、親子関係はよくなりました」

 

【相談12】体験施設で地域の方と交流をしたほうがいいですか?

【先輩Nさんの回答】

「施設滞在中は先輩移住者と交流をするのがおすすめです。話を聞くことで移住後の生活や状況をイメージしやすいですよ。さらに移住後も先輩移住者を通じて交流が広がるかもしれません」

【先輩Yさんの回答】

「体験施設の滞在中は地域住民から災害危険個所や過去の災害情報、学校や病院のことなどを聞くと移住後の生活について安心できると思います。ただ、人間関係などはあまり聞かないほうがいいと思います。部外者に軽々しく話せるような事柄ではないですし、聞かなくても話の内容から察することができるので……」

 

【相談13】定年後に移住します。田舎でも仕事はありますか?

【先輩Wさんの回答】

「地域の社会福祉協議会では高齢者就労の紹介をしているので問い合わせてみてはいかがでしょうか。都会に比べ、田舎は生活費が抑えられるので年金だけでも生活できると思います。社会貢献なら、周りの人も歓迎してくれますよ」

【先輩Nさんの回答】

「私はシルバーセンターで剪定の仕事をしています。やる気があれば未経験者でもできるようになります」

 

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文/編集部 イラスト/吉野 歩

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