2025年2月号で発表した第13回「住みたい田舎ベストランキング」から、2024年度の空き家バンク登録物件の「成約数」が多かった上位3つの自治体をピックアップ! まちの魅力をご紹介します。移住後の住まい探しに、ぜひお役立てください!
掲載:2025年10月号
CONTENTS
物件成約数1位【兵庫県丹波篠山市】
京阪神とアクセスがよく食べ物も歴史も魅力的なまち
京都・大阪・神戸から近く、それでいて自然豊かな環境が残っている丹波篠山市。秋の丹波黒大豆の枝豆をはじめ、おいしい食べ物が豊富で、特にお米は国内でも高評価を得ている。移住相談などは丹波篠山暮らし案内所を設置して対応。空き家バンク登録時の空き家所有者への補助金に加え、空き家バンクの利用登録者が空き家バンクの物件を購入すると、改修のための補助金も活用できる。
問い合わせ/丹波篠山暮らし案内所 ☎︎079-552-4141
「classo」https://classo.jp/
空き家見学などのイベントを不定期に実施しているので、移住支援サイト「classo」をチェックしよう。
集落丸山では、2009年に集落内の空き家を再生して宿泊営業を開始。宿は村人で運営している。
中心地には篠山城跡があり、城下町や宿場町として栄えた歴史が今も感じられる。
担当者に聞きました!
Q 1/成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A1/ 移住希望者のお話をとにかくたくさん聞くことです。予算や住宅の条件だけではなく、何のために丹波篠山に移住するのかを聞き出し、マッチングする物件を探します。そのときはマッチしなくても、新しい物件が出てきたときのマッチングにつながります。
Q2/ 空き家バンクを利用した移住者は、どんな暮らしをしていますか?
A2/子育てのためや、リタイア後のセカンドライフのために移住する人が多いです。ゆっくりとした環境のなかで、家庭菜園をしながらの生活を希望されます。また、飲食店、ゲストハウスの開業を目指す方など、多種多様です。
Q3/ 空き家バンク担当者として、うれしかったエピソードや、やりがいを感じている部分はありますか?
A3/ 物件が成約したときはもちろんですが、空き家バンク利用者が、移住後も窓口に遊びに来てくれることがうれしいです。移住者さんが無事開業して、市民やほかの移住者さんと交流しているのを見るのもうれしく思います。
「移住者が新たな移住者を呼ぶ好循環が生まれ、地域の活性化につながっています」(丹波篠山暮らし案内所 木村隆児さん)
物件成約数2位【愛媛県松山市】
港町、離島に特化した2つの空き家バンクサイト
松山城を中心に、街・海・山がコンパクトに集まっている松山市。空き家バンクサイトは、港町・三津浜の町家を中心に紹介する「ミツハマル」と、松山市の沖合い15kmほどのところにある忽那(くつな)諸島の物件に特化した「離島の空き家」の2つのサイトがある。移住体感ツアーや、お試し移住施設も充実している。
問い合わせ/まちづくり推進課 ☎089-948-6816(離島)・089-948-6942(三津浜)
「ミツハマル」https://www.mitsuhamaru.com/
「離島の空き家」https://ritou-akiya.com/
松山暮らしを体感できる移住体感ツアーを実施。仕事や住まい、子育てなどの相談窓口への訪問など、参加者の目的に応じて現地を巡る。ツアーに関する相談はHPまたはお電話で!
㉄まちづくり推進課 ☎089-948-6095
「いい、暮らし。まつやま」https://matsuyama-kurashi.com/
松山港沖の東西約20km、南北約28kmにわたって広がる忽那諸島。9つの有人島を含む大小30以上の島々で構成されている。
歴史ある大街道商店街。地元で穫れた果物や野菜が揃う店、地元ならではの郷土料理が楽しめる飲食店などが立ち並ぶ。
担当者に聞きました!
Q/ 成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A/「 ミツハマル」では物件のご紹介だけでなく、三津浜地区がどのような場所なのかをていねいに説明し、三津にハマれる環境をつくることを心がけています。「離島の空き家」では、市が委託している事業者が独自に空き家バンクの運営を補足するためのYouTubeチャンネルをつくり、動画にて物件情報を発信するほか、地域の魅力発信や移住の心得など、移住するにあたり必要となる情報を包括的に発信しています。
「空き家バンクやお試し移住施設、各種支援制度など、さまざまなサポートを用意しています。お気軽にお問い合わせください」
(左から、まちづくり推進課の灘野さん、平松さん)
物件成約数3位【京都府京丹後市】
丹後半島の中心で移住・定住を伴走支援
海、山、田畑と自然環境に恵まれているだけでなく、スーパー、ドラッグストア、ホームセンターや、保育施設、学校や医療機関も市内の各地域に点在しており、車があれば生活に困ることはない。移住支援センター「丹後暮らし探求舎」やお試し移住体験住宅、空き家バンク物件の改修補助金などの移住支援制度がある。
問い合わせ/政策企画課 ☎0772-69-0120
「京丹後市移住支援サイト」https://www.city.kyotango.lg.jp/ijushien/
「弥栄町黒部お試し住宅」では、自然のなかで農のある暮らしが体験できる。
「海の京都」と呼ばれるエリアのなかでも、美しい景観が目をひく京丹後市久美浜町。
担当者に聞きました!
Q1/ 成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A1/ 空き家相談窓口を外部団体への委託により開設し、所有者へのアプローチから相談対応、宅建業者へおつなぎするまでの伴走支援を行うことで、空き家の掘り起こしや流動化に取り組んでいます。また、市と空き家バンクの運営に関する協定を結んでいる宅建業者が、空き家の取り扱いについて積極的に取り組んでくださっていることの影響が大きいと感じています。
Q2/ 空き家バンクを利用した移住者は、どんな暮らしをしていますか?
A2/ 家庭菜園やDIY、マリンスポーツや釣りなど、趣味を楽しむ暮らしをされている方が多く、地域の方ともよい関係性を築いておられます。
「移住支援センターには自らも移住者の相談員が在籍。移住の相談から現地案内、移住・定住に向けての伴走支援を行っています」(政策企画課 清水聡子さん)
文/横澤寛子
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