2025年2月号で発表した第13回「住みたい田舎ベストランキング」から、2024年度の空き家バンク登録物件の「契約可能な登録物件数」が多かった上位3つの自治体をピックアップ! まちの魅力をご紹介します。移住後の住まい探しに、ぜひお役立てください!
掲載:2025年10月号
CONTENTS
登録物件数1位【兵庫県豊岡市】
多様な環境を楽しめるまちに毎年100名以上が移住
市街地エリア、海、山、温泉、城下町、スキー場など、多様な環境を楽しむことができるまち。豊かな自然、食、伝統産業など、地域資源にも恵まれており、毎年100名以上が移住している。移住に関する総合的なポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」を運営し、移住相談、住まい探し、仕事探しなど、移住検討者に寄り添ったワンストップサービスを提供している。
問い合わせ/地域づくり課 ☎︎0796-21-9096
「飛んでるローカル豊岡」https://tonderu-local.com/
情緒豊かな城崎温泉には、世界中から旅行者が集まる。
但馬の小京都とも呼ばれる城下町、出石(いずし)。出石焼の小皿に盛り付ける出石そばが名物。
日高地区には神鍋高原があり、スキー場で移住者交流会も行われた。
担当者に聞きました!
Q 1/成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A1/ 空き家所有者との調整や情報掲載(登録)、問い合わせ対応など、すべて市内の協力不動産業者が行っており、市はそれらの情報をまとめサイト的に運営しています。また、サイトに掲載されている物件を移住者の方が購入・賃借する場合、市の住宅改修補助金を申請することができるため、すぐに住める状態ではない物件でも登録・成約しやすくなっています。
Q2/ 空き家バンクを利用した移住者は、どんな暮らしをしていますか?
A2/ 自宅兼店舗として開業する方が多数おられます。田舎暮らしを満喫しながら、ご自身の趣味や特技を生かしたお店を開き、地域を活性化しています。豊岡での暮らしについてはぜひ「飛んでるローカル豊岡」をご覧ください。
Q3/ 空き家バンクのYouTubeはありますか?
A3/ 空き家バンクのYouTubeはありませんが、今年度から「気になる空き家通信。」として撮影・掲載許可の得られた物件の動画を、移住希望者向け情報発信サイト「スマウト」にて掲載し始めています。
「空き家バンク物件で開業する際、自宅部分は市の住宅改修補助金を活用することができます」(地域づくり課 中西瑞恵さん)
登録物件数2位【山形県鶴岡市】
便利さと自然が調和しているまち。空き家リフォーム支援も手厚い
東北一の広さを持ち、出羽三山と日本海に面した、人口約11万人の地方都市。中心市街地ではヘリポート完備の総合病院、スーパーなどの商業施設、中高一貫校、大学もあり、暮らしやすさも魅力だ。最大300万円の中古住宅リフォーム補助金や18歳まで医療費無料など、支援も充実。都市機能と自然が揃った“ちょうどいい暮らし”がかなうまちだ。
問い合わせ/NPO法人つるおかランド・バンク ☎0235-64-1567
「つるおかランド・バンク」https://t-landbank.org/
「前略 つるおかに住みマス」https://tsuruoka-iju.jp/
城下町の景観が残る、日本初の食文化創造都市。
担当者に聞きました!
Q 1/成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A1/ 登録希望者に対しては、相談時に各問題点の情報を発信。HPへの掲載に関しては、より伝わりやすい各項目と画像の収集など、迅速さを心がけています。利活用希望者に対しては、ニーズやこだわりポイントへのていねいな聞き取りに努力しています。
Q2/ 空き家バンクを利用した移住者は、どんな暮らしをしていますか?
A2/ 広めの畑で本気の家庭菜園に取り組まれたり、薪ストーブのある暮らしを楽しんだり。リフォームして自宅兼レストランなどを開業する方もいます。それぞれが田舎暮らしで実現したかった暮らしを、空き家との出合いをきっかけに体現されているようです。
「県外からの移住希望者向けに、市営住宅を月額約1万2000円で最長6カ月貸し出すお試し住宅制度もあります」(NPO法人つるおかランド・バンク 佐藤浩之さん)
登録物件数3位【栃木県栃木市】
東京都内への通勤・通学補助制度など、支援も充実
都内へ1時間程度でアクセス可能で、都心で働き、栃木市で暮らすことが可能。豊かな自然、蔵が残るまち並みもあり、都会に比べ地価は安価。地域一体となった教育システムが運用され、子育て世代には暮らしやすい。東京圏からの移住者などに加算のある住宅補助制度、東京都内への通勤・通学補助制度など支援が充実している。
問い合わせ/建築住宅課 ☎0282-21-2452
「あったか住まいるバンク」https://www.tochigi-akiya.jp/
「KaKeRu(カケル)」https://www.iju-tochigicity.jp/
船頭が巴波川(うずまがわ)を案内してくれる「蔵の街遊覧船」。
渡良瀬遊水地は栃木県の南端に位置し、総貯水容量2億m³の我が国最大の遊水地。
栃木市での生活に興味を持つ人が1泊2000円、1カ月3万円で利用できる移住体験施設「蔵人館」。
担当者に聞きました!
Q 1/成約数・登録数を増やすために工夫していることは?
A1/空き家バンクを介して空き家物件を購入した方がリフォーム工事をする際に利用できる「栃木市空き家バンクリフォーム補助金」によって、成約の後押しをしています。2021年度からは農地付き空き家物件の取り扱いを開始し、人気を博しています。
Q2/ 空き家バンクを利用した移住者は、どんな暮らしをしていますか?
A2/ 移住の理由はさまざまで、「定年退職を機に都会を離れ、家庭菜園をしながら田舎暮らしをするため」、「首都圏の子どもの家に電車で1時間程度で行ける場所で、比較的低価格の物件を選ぶため」、「県北や東北地方に住む親世帯の家にすぐ行ける距離で、首都圏への通勤も可能な場所だから」などの話を聞いたことがあります。
「地域おこし協力隊のOB・OGが移住定住支援コーディネーターとして、移住をサポートしています」(建築住宅課 山田賢吾さん)
文/横澤寛子
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