子どもたちがのびのびと育つ環境を手に入れただけでなく、仕事でも遊びでもすてきな居場所を見つけた片野牧さん。自分らしく行動できる、そんな西讃(せいさん)地域(観音寺市、三豊市)で暮らしてきた20年を語ってもらった。
掲載:2021年9月号
子育て環境を求めて移住。さらにNPO法人を設立
保育所に預けやすい、自然が豊かなど、理想的な環境を求めていた片野牧さん。観音寺市に暮らす祖父母が同じ市内に空き家を所有していたこともあり、家族で移住を決めたという。
「私は香川県で中学を卒業したし、祖父母の家によく行っていたのでなじみの地域。仕事に関しては、私も夫も東京での営業職経験が地方でも必要とされるはずと、不安はなかったです」
移住先は丘陵地が平野へと移っていく里山だった。
「神奈川県出身の夫はいきなりの田舎暮らしでしたが、子どもや犬と山を散歩したり、すごく楽しんでました。都会のように公園に行かなくても、どこでも遊べるのがいいですよね」
その後、祖父母との同居のため、同じ市内の海辺の地区に移った。息子たちは近所の渚を駆け回り、海にザブザブ入るという少年時代を過ごしたそうだ。
そんな充実した日々を送るなか、片野さんは子育て支援の団体を立ち上げた。
「きっかけは、私がけがをして入院したこと。そのとき、幼稚園児だった息子の友達のお母さんが、交代で私の家族のご飯をつくりに来てくれたんです」
そんなふうに子育てで頼れるところがあればと、任意団体を経て2010年に「子育て応援NPOフレンズ」を設立。現在は観音寺市の隣の三豊市を拠点に、イベントや教室、栄養相談など、子育てに関するさまざまな活動のほか、三豊市からの委託で放課後児童クラブを運営している。
「地元の社会活動をしている方や社会福祉協議会などに助けていただきながら、ここまでやってきました。頑張っていると、気にかけてくれる人が現れて、そこからさらにつながる……、そんなことも多かったです」
港町でもある観音寺市は古くから人の往来が盛んで、商いなどを通じて出会いと結びつきが生まれてきた地域。片野さんの協力者が現れるのも、土地柄なのかもしれない。
子育てが一段落した片野さんは、昨年から自分の時間を楽しみはじめた。
「SUP(スタンドアップパドルボード)にどはまりです(笑)」
観音寺市や三豊市には、美しい遠浅の渚がいくつもある
「SUP女子会もつくって、きれいな海を漕(こ)いで島に渡るなど、みんなで盛り上がっています」
子どもが駆け回れる環境があり、人びととともに何かを始められる人口規模の社会があり、自然の癒やしもある。観音寺市と三豊市は“ちょうどいい田舎”なのだ。
香川県観音寺市
◎移住支援◎
・移住促進・民間賃貸住宅借り上げ料等補助金
県外から移住した方へ民間賃貸住宅の家賃と初期費用の一部を補助しています。月額家賃の2分の1(最大2万円)、初期費用の2分の1(最大6万円)を補助。
・空き家リフォーム事業補助金
観音寺市空き家バンクに登録された空き家の「リフォーム」および「不要物撤去」に対して補助を実施しています。リフォーム費用の2分の1 (最大100万円)、不要物撤去費用の2分の1 (最大10万円)を補助。
◎TOPICS◎
・観音寺市でお試し移住体験
「豊浜コミュニティセンター(海の家)」で連続して3泊以上29泊以内の間宿泊する場合、宿泊料の一部を免除。1人につき1泊あたり2000円で宿泊できます。まちの雰囲気を見たり、物件・仕事探しをしたり、移住の準備のためにぜひご活用ください。
お問い合わせ:観音寺市ふるさと活力創生課 ☎0875-23-7803
https://www.city.kanonji.kagawa.jp/site/ijyu
香川県三豊市
◎移住支援◎
・空き家バンク制度
常時、約90件の空き家情報をポータルサイト「みとよ暮らし手帳」にて公開中。リフォーム補助または家賃補助が使えます。
・若者定住促進・地域経済活性化事業補助金
40歳未満の若者世帯の新規住宅取得に対して、最大100万円を補助。
◎TOPICS◎
・移住相談は随時受け付け中!
オンラインや電話などでいつでもご相談可能です。暮らしや移住について不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:三豊市政策部地域戦略課 ☎0875-73-3011
https://www.city.mitoyo.lg.jp/mitoyo_kurashitecho/
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