スウェディッシュトーチは、丸太に複数の切れ目を入れて燃やす豪快な焚き火のこと。切れ目から丸太の内側に空気が入り、また熱が閉じ込められるので、燃焼の3要素(可燃物・熱・酸素)がうまく働き、一度火がつくと丸太がほぼなくなるまで、そのまま自然に燃え続ける。
スウェディッシュトーチのつくり方
丸太はよく乾燥したスギが燃えやすく、材も軟らかいので加工しやすい。丸太の大きさは直径20〜30cm、長さ35〜50cmくらいがちょうどよい。
地面を10㎝ほど掘って丸太の根元を埋める。こうすることで、チェンソーで丸太を切るときに安定する。
木口から真っすぐ下に切り込みを入れる。チェンソーは無理に力を入れず重さを利用して落とし込むようにするとよい。切り込みは地上10㎝まで。チェンソーの刃が土に当たると刃が切れなくなるので注意。
切り込みは放射状に8本くらいあると内側に空気が入りやすくよく燃える。中心の穴も必然的に大きくなるので煙突効果が高まり火つきもいい。
木口の中心に火口と焚き付けをたっぷり置いて着火する。木口にたまったおがくずも焚き付けとなり、丸太に火が移ればあとは自然に燃え続ける。
直径25㎝、長さ50㎝のよく乾燥したスギの丸太で1時間30分~2時間燃え続ける。周りが燃えて熱が足りなくなると徐々に火が小さくなり、そのうち自然に消える。
木口に建築用のカスガイを2~3本打つとゴトクになり、料理や湯沸かしも可能。ただし、鍋はすすで黒くなる。
枝を束ねたアレンジバージョン
丸太が手に入らない場合は、細い枝を束ねてつくることもできる。
長さ35~50㎝ほどの手首くらいの太さの枝を10本前後束ねて、上下2~3カ所を針金で留めるだけ。束ねた枝は下の部分を10㎝くらい地面に埋めておけば、燃え進んでも崩れにくい。
木口に着火すると、束になった枝の間から空気が入り、炎を立ち上げて燃える。