瀬戸内海に面し、岡山城や岡山後楽園、倉敷美観地区など訪日外国人に人気の観光スポットを有する岡山県。岡山桃太郎空港はソウル、上海、台北の3路線の直行便が就航していて、新幹線で新大阪駅まで約45分と、アクセスのよさを活かし、広域周遊のハブを目指している。
掲載:2024年11月号
台湾、中国、韓国との定期直行便が就航
日本三名園のひとつ岡山後楽園は、300年以上前に岡山藩主・池田綱政が家臣に命じてつくらせた大名庭園。園内からは隣の岡山城を望むことができ、外国人観光客に大人気だ。
岡山県の2024年1月〜6月の外国人延べ宿泊者数は、観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると22万8570人で、コロナ禍前の2019年同期の23万1620人と比較すると1.3%減と、コロナ禍前とほぼ同じにまで戻ってきている。
「国・地域別では、台湾からが最も多く、次いで中国、韓国です。23年3月から岡山桃太郎空港の台北、上海、ソウルとの定期直行便の運航が順次再開しました。特に、台湾はLCCが就航していることが大きな要因となっています」と岡山県観光課の加納恭子さんは話す。
一方、コロナ禍前に就航していた香港便は運休中で、今後、定期便の就航を目指している。
コロナ禍前は、直行便が就航していた台湾、中国、韓国、香港の4つの国・地域で岡山県を訪れる外国人の約7割を占めていたという。この4つの国・地域に、タイとフランスを合わせた6つの国・地域を岡山県はメインターゲットとしている。
岡山県を訪れる外国人観光客の多くは、訪日リピーター層だ。県内で人気なのは、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星に認定の岡山後楽園や岡山城(ともに岡山市)、倉敷美観地区や児島ジーンズストリート(ともに倉敷市)などだ。ほかに、備前長船刀剣博物館(瀬戸内市)や備前焼きの窯元(備前市)なども外国人に好まれている。
倉敷川沿いに立つ伝統的な建物や蔵などが並ぶ倉敷美観地区。大原美術館やアイビースクエア、カフェなどがあり、レトロモダンな文化と風情が楽しめる。
備前長船刀剣博物館は、刀剣類を専門展示する珍しい博物館。毎月第2日曜には玉鋼を打ち延ばす古式鍛錬を見学することができる。
今年の秋に、国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の開催地となった県北エリアもオススメだ。豊かな自然、城下町・宿場町として栄えたことで残っている伝統や文化、蒜山(ひるぜん)高原や美作三湯(みまさかさんとう)といった観光スポットもあり、芸術と自然・文化の融合が楽しめる。
来年には、大阪・関西万博、瀬戸内国際芸術祭と、近隣で開催される大きなイベントも控えており、県では、海外でのプロモーションに力を入れている。
西日本屈指の高原リゾート「蒜山(ひるぜん)高原」では、ジャージー牛の放牧が楽しめるほか、サイクリングやキャンプなどのアクティビティも充実。
岡山県北にある美作三湯は、湯原、奥津、湯郷の3つの温泉地の総称。それぞれに異なる名湯が楽しめる。写真は湯郷温泉。
瀬戸内国際芸術祭で岡山県の島として唯一会場となる犬島(いぬじま、岡山市)。古くから銅の精錬業と採石業などで栄えた島だ。
瀬戸内海の島々への本州側の玄関口となる宇野港(玉野市)にも芸術作品が点在。市内には、グランピング型リゾートや競輪場併設ホテルも。(宇野のチヌ©淀川テクニック)
今年3月には県内の観光情報をPRする多言語サイト 「Explore Okayama」を全面リニューアル。日本語で投稿した記事が、自動翻訳機能により即座に英語や中国語など5言語に翻訳されて公開。さらに訪日外国人客の利用が多い観光情報ウェブメディア「MATCHA(」マッチャ)と連携し、記事がMATCHAに自動投稿される。また、備前焼の陶芸教室や洞窟体験、フルーツ狩りなどの体験プログラムもサイト上で予約・決済が可能となった。
6月には島根県と連携しフランスの旅行会社3社を招いたツアーを開催。ほかにも、タイでのトップセールスやSNSなどで、岡山県の魅力をさまざまに発信している。
「岡山駅は、新幹線で新大阪駅へ約45分です。岡山県をハブとして関西や中国・四国を巡ってもらえるよう、近隣自治体や旅行会社などと協力して訪日客を取り込んでいきたいと考えています」
県内の観光情報をPRする多言語サイト「Explore Okayama」。5言語で公開され、体験プログラムも予約・決済できる。画像は英語バージョン。
「くだもの王国」である岡山県では、ブドウやモモ、イチゴなどのフルーツ狩りが楽しめる。フルーツ好きの台湾や香港の人に人気。
まだある! 岡山県の魅力
「晴れの国」と呼ばれるほど温暖な岡山県。交通アクセスはもちろん、歴史、自然、食などまだまだ魅力は多い。
・「晴れの国」と呼ばれるほど温暖で過ごしやすい
・岡山城や岡山後楽園のほか、吉備津神社や備中松山城、
津山城など、歴史スポットが多い
・古くからの名湯「美作三湯」など、温泉が楽しめる
・山・海の幸、ご当地グルメ、フルーツと食の宝庫
「春はサクラ、夏はマリンスポーツ、秋は紅葉、冬は雪景色やスキーなど、岡山県は四季折々に楽しめます」(観光課の加納恭子さん〈右〉、小林結南さん)
数字で見る!岡山県インバウンドDATA
●外国人延べ宿泊者数
2023年1月~12月......331,710人
2024年1月~6月........228,570人
(観光庁「宿泊旅行統計調査」)
●国・地域別外国人延べ宿泊者数 (2024年1月~6月)
台湾................................. 69,840人
中国................................. 25,220人
香港................................. 11,680人
韓国................................. 17,110人
アメリカ............................ 11,630人
フランス............................ 10,410人
(観光庁「宿泊旅行統計調査」をもとに、岡山県がとりまとめ)
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文/水野昌美 写真提供/岡山県
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