田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら
  • 田舎暮らしの本 公式X(Twitter)はこちら

田舎暮らしの本 3月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 3月号

2月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

B-1グランプリでおなじみの「八戸せんべい汁」から、「馬肉鍋」、「じゃっぱ汁」まで!本州最北端【青森県】の鍋はバラエティ豊か

本州最北端に位置し、三方を日本海・太平洋・津軽海峡に囲まれている青森県。自然豊かで寒さが厳しい土地だからこそ、体を温めてくれる鍋は郷土食として親しまれてきた。どれも青森県民の暮らしの中で生まれたものでありながら、B-1グランプリで一躍有名になった「八戸せんべい汁」は新食感が楽しめる鍋として県外からも人気を集めている。

この記事の画像一覧を見る(5枚)

掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています。

なぜ鍋にせんべい⁉ 絶妙なモチモチ食感に納得!
八戸せんべい汁(はちのへせんべいじる)【青森県】

鍋にせんべい⁉ 絶妙なモチモチ食感に納得!「八戸せんべい汁」(青森県)

 肉や魚、キノコ、野菜などでとっただし汁に、南部せんべいを割り入れて煮込む「せんべい汁」は、青森県八戸市を中心に、青森県南から岩手県北の地域でおよそ200年以上前から食べられている郷土食。せんべいは煮込んでも溶けにくく、モチモチとした独特の食感。からだを温めてくれる汁物で、鶏肉の代わりに、八戸の特産であるサバを入れることもあり、サバ缶で手軽につくるのもオススメだ。

 そんなせんべい汁だが、地元の人にとってあまりに身近すぎるせいか、その昔は土産として商品化されることもなかった。

 しかし、その魅力に着目した「八戸せんべい汁研究所」がブランド化を目指し、魅力を発信。八戸はB-1グランプリ発祥の地となったこともあり、開催をきっかけにせんべい汁の知名度は今や全国区になった。

せんべい汁に使用する南部せんべいは汁用に開発されたもの
鍋に使用する南部せんべいは、小麦粉・塩を材料とし、汁物用に開発されたもの。煮込んでも溶けにくく、モチモチとした独特の食感がある。


【ライター・山本一典からひとこと】
具材のうま味が染み出ただし汁を吸った南部せんべいは、ツルツルモチモチ。食感がたまりません。この絶妙な歯ごたえを楽しむなら、せんべいはすべての具材が煮上がってから、最後に割り入れるのがベスト!

八戸せんべい汁のつくり方

【材料】
鍋用の南部せんべい、鶏肉、旬の野菜や山菜、ネギ、糸コンニャク、しょう油、塩など

【つくり方】
1 具材を食べやすい大きさに切り、鍋で煮込む。

2 具材に火が通ったら、しょう油、酒、塩などで味付けする。

3 最後にせんべいを割り入れて好みの固さになるまで煮込めば完成。

↓八戸せんべい汁のオンラインショップ情報はこちら
https://www.umai-aomori.jp/mealtour/foodarea05/senbei-jiru.html

https://visithachinohe.com/shopping/senbeijiru/

 

「戸」が付くところに馬肉文化あり!
栄養満点でヘルシーな馬肉鍋(ばにくなべ)【青森県】

「戸」が付くところに馬肉文化あり!栄養満点でヘルシーな馬肉鍋(ばにくなべ)【青森県】

「低カロリー、高タンパク質、低脂肪」と言われるヘルシーな馬肉を使用した鍋は、青森県南部地方では古くから親しまれてきた。

 三戸、五戸、六戸、七戸、八戸など、「戸」が付く地名が多い青森県南部地方は、馬とともに暮らしてきた地域。そのため、馬肉が一般的に食べられてきたのだ。その中でも五戸町(ごのへまち)は、馬の売買・仲買を行う商人「馬喰(ばくろう)」が多く、明治時代から馬肉鍋が登場したといわれている。味付けは地域や家庭によってさまざまで、味噌仕立ての鍋のほか、馬刺しや「義経鍋」と呼ばれる焼肉、しゃぶしゃぶなどで楽しむことができる。

 また、五戸町のほかに、十和田市や五所川原市(旧金木町)にも馬肉食の文化があるので、馬肉好きであれば是非訪れてみてほしい。

馬肉鍋のつくり方

【材料】
馬肉、馬脂、キャベツ、ゴボウ、豆腐、ねぎ、糸こんにゃく、味噌など

【つくり方】
1 熱く熱した鍋に馬脂を入れて馬肉を炒める。

2 水、味噌などの調味料とゴボウを入れてひと煮立ちさせたあと、キャベツ、豆腐、ネギ、糸こんにゃくを入れる。

3 沸騰したら全体をかきまぜ、火が通ったら完成。

↓馬肉鍋が食べられる店情報、オンラインショップ情報はこちら
https://www.banikuya-ogata.com/

↓ふるさと納税の返礼品「青森県 桜鍋セット」
https://www.satofull.jp/static/tohoku/aomori.php

 

捨てるところのない鱈のじゃっぱをふんだんに使った
【青森県】の定番、じゃっぱ汁

鱈のじゃっぱをふんだんに使った青森県の定番「じゃっぱ汁」(青森県)

 青森の冬を代表する魚・鱈(タラ)のじゃっぱ(アラ)と野菜などを煮込み、塩や味噌で味付けした、青森の冬にはなくてはならない代表的な郷土料理。栄養価が高く、寒い冬に心身ともに温まるということから、家庭でも人気の定番料理となっている。

「じゃっぱ」は津軽の方言で雑把(ざっぱ)、つまり「捨てるもの」という意味。普通は食べずに捨てる魚の頭や骨、皮、内臓などいわゆる「アラ」をさし、これらを丸ごと使ってつくる汁を「じゃっぱ汁」と呼ぶ。厳しい冬の時期に獲れるタラは「寒ダラ」と呼ばれ、もっとも脂がのっている。大漁のときは、浜で待つ女たちがお祝いに「じゃっぱ汁」をつくるのが昔ながらの光景だったのだそう。

青森の冬を代表する魚・鱈
青森の冬を代表する魚・鱈。

じゃっぱ汁のつくり方

【材料】
真鱈(アラ)、大根、ニンジン、豆腐、ネギ、味噌など

【つくり方】
1 具材を適当な大きさに切り、出汁をとった鍋に大根、ニンジンを入れて柔らかくなるまで煮込む。

2 塩を振っておいたじゃっぱを入れ、中火で煮込む。

3 豆腐、酒を入れ、沸騰したら味噌を入れて味を調整したら完成。

【アレンジ】
白子や肝などの内臓を入れることで、より濃厚な味が出る。

↓あおもり産品情報サイト「青森のうまいものたち」でレシピをチェック
https://www.umai-aomori.jp/201912/18501.html

 


どれも長い歴史のなかで育まれた鍋でありながら、呼び名や使う食材が珍しく、他県在住者からしたら斬新に感じさせてくれる青森県の鍋。オンラインショップやふるさと納税で入手できる鍋もあるので、未体験の味を試してみては。

 

文/横澤寛子

この記事の画像一覧

  • 鍋にせんべい⁉ 絶妙なモチモチ食感に納得!「八戸せんべい汁」(青森県)
  • せんべい汁に使用する南部せんべいは汁用に開発されたもの
  • 「戸」が付くところに馬肉文化あり!栄養満点でヘルシーな馬肉鍋(ばにくなべ)【青森県】
  • 鱈のじゃっぱをふんだんに使った青森県の定番「じゃっぱ汁」(青森県)
  • 青森の冬を代表する魚・鱈

この記事の画像一覧を見る(5枚)

この記事のタグ

田舎暮らしの記事をシェアする

田舎暮らしの関連記事

【田舎で趣味を満喫】牛小屋から始まる音楽会。新たに広がる仲間の輪【青森県十和田市】

猛暑を忘れる涼の隠れ家!苔の聖地・奥入瀬渓流で究極の癒やし旅|星野リゾートの最高の「苔」のおもてなしで非日常を体験!五感を満たす「おいらせ苔旅」【青森県十和田市】

世界文化遺産が近く、縄文ロマンあふれるまちの店舗付き物件が300万円!【青森県つがる市】

12部屋もある大型物件が200万円! 小・中学校が近く、子育て世帯におすすめ【青森県つがる市】

全国避暑地ランキングTOP10|史上最も暑い夏を涼しく過ごせる場所とは? 熱中症対策に今すぐ行きたい! 大自然に癒やされ、遊べる場所もたくさん!

2024年版『住みたい田舎ベストランキング』東北エリアのTOP10を発表!東京から最短約2時間!? 宮城県栗駒市や福島県浪江町がランクイン!

高台で海山一望の大規模ニュータウン「伊豆下田オーシャンビュー蓮台寺高原」《一人暮らし・老後も安心》《緊急時対応》《毎日7便運行巡回バス》【静岡県下田市】

人口を増やす施策と「訪れたくなる」まちづくりで2025年版「住みたい田舎ベストランキング」1万人以上3万人未満のまち全部門1位!【大分県豊後高田市】

【大分県国東市】1300年の歴史を守り継ぎ現代アートで未来を描く