近年、理想の暮らしを求めて地方への関心が高まるなか、個々の希望に合わせた「オーダーメイド型」の移住体験ツアーが注目されてきています。移住者歓迎のまちの移住体験ツアーの取り組みをピックアップ。しっかりとまちのことを知り、移住を実現しましょう!
掲載:2025年6・7月号
※ツアーを利用の際は申し込みが必要です。
※申し込みには参加要件や注意事項などがあるので、事前に問い合わせ先に確認しましょう。
【山形県山形市】山形市オーダーメイド型移住体験ツアー
まずは高台から山形市内を一望!
ツアーでは、まず標高約400mの高さにある西蔵王公園展望台から市内のエリアについて紹介。
交通費と宿泊代を市が全額負担。車なしでも安心して参加できる!
コンパクトにまとまった都市機能と、蔵王や山寺などの自然・文化が調和した山形市。市への移住の“確度” を高めることを目的としたオーダーメイド型のツアーを、2022年8月より実施。これまで合計83組161人が参加し、うち24組43人が山形市に移住している(2025年1月末時点)。
ツアーでは参加者の希望に応じてツアー行程を組み、担当職員が庁用車で、市内一円を案内。首都圏からの参加の場合は、原則1泊2日。宿泊は市内宿泊施設(ビジネスホテルなど)を市が手配してくれる。参加者には、往復交通費および宿泊代を市が全額負担してくれるのもありがたい。
問い合わせ/山形市企画調整課 ☎023-641-1212
山形市には名湯もあります!
写真は、蔵王温泉高湯通り。豊富な湯量と強酸性の硫黄泉で知られる蔵王温泉へは中心市街地から車で30分ほど。
先輩移住者との懇談会
希望者には先輩移住者との交流もコーディネート可能。実体験を聞くことで、移住前後の不安も解消できる。
新規就農希望者向け農業体験
「山形セルリー」の収穫など、参加時期に合わせた農業体験メニューも用意している。
自分好みのラーメンが見つかるはず!
山形市は、1世帯当たりのラーメン消費額(単年)が日本一! 個性豊かで多種多様なラーメン店が多く、食べ飽きることがない。
子育て世帯にオススメ!
2022年4月にオープンした児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」。
テレワーカーにオススメ!
「クリエイティブシティセンターQ1(キューイチ)」では、コワーキングスペースなどの見学が可能だ。
山形市のオススメプラン!
ツアーで必ず訪れるのは「西蔵王公園展望台」。市内を俯瞰できるため、ツアーの初めにここから市内の概要を説明しています。そのほかは、参加者のご希望に合わせて柔軟に対応しています! 子育て世帯なら、「シェルターインクルーシブプレイス コパル」で実際に遊んでもらったり、テレワーカーであれば「クリエイティブシティセンター Q1」へご案内。四季がはっきりしている山形市では、どの季節に参加しても美しい景色が楽しめますよ。
(企画調整課 斉藤千晶さん)
【新潟県三条市】三条市フルオーダーメイド移住体験
ものづくりのまちで、鍛冶体験にチャレンジ!
「三条鍛冶道場」では、鍛冶体験にも挑戦できる。
ものづくり&アウトドア好き集まれ! 市内在住のコンシェルジュが三条をガイド
ものづくりを仕事にしたい人や、アウトドア好きの移住先として注目を集める三条市。市内を知り尽くした三条移住コンシェルジュが、参加者の希望をヒアリングして、完全オーダーメイド型の移住体験プランを提案。
体験は1泊2日から調整可能で、自家用車がない場合でも車でアテンドしてくれるので安心だ。宿泊は、まちなかの民泊・交流施設である「三ーMe(. ミー)」などに滞在でき、1人当たり最大1万900円の宿泊費補助を用意。往路交通費にも1人当たり最大1万円の補助がある(補助金は1家族4人までの対応)。2024年度には60組89人が参加した人気のツアーだ(2025年3月31日時点)。
問い合わせ/三条移住コンシェルジュ ☎080-6975-2026
最先端のものづくりの現場を見学!
諏訪田製作所の「オープンファクトリー」で、ものづくりの現場を見学。
焚き火を囲んで、先輩移住者との交流
三条市には人気のキャンプフィールドもある。過去には、キャンプ場で先輩移住者との交流も行った。
リノベ済みでおしゃれな宿泊&交流施設
宿泊施設として利用できる複合交流拠点「三ーMe. 」。商店街の空き家をリノベーションした施設だ。
古民家を活用したカフェでランチを
一ノ木戸商店街「TREE」の地産地消ハンバーガーは昼食にオススメ。
キャンプ場に隣接の温泉施設も!
露天風呂から八木ヶ鼻の絶景が楽しめる日帰り温泉施設「いい湯らてい」。隣には「八木ヶ鼻オートキャンプ場」がある。
三条市のオススメプラン!
ものづくりに興味がある方なら「三条鍛冶道場」や、諏訪田製作所、タダフサなどの「オープンファクトリー」、三条ものづくり学校がオススメ。アウトド
アに興味がある方には、「snowpeak HEADQUARTERS Campfield 」や「八木ヶ鼻オートキャンプ場」、「いい湯らてい」なども案内可能です。もちろん、子どもの遊び場や教育施設へのご案内、空き家の物件内覧などにも対応しています!
(三条移住コンシェルジュ 三浦祐太郎さん)
【山口県山陽小野田市】山陽小野田市お試し滞在
広大な花畑や果物の収穫が楽しめる農園へ
約1haの広さを誇る「花の海」のひまわり畑。「花の海」では、新鮮な地元産の野菜や果物が食べられるレストランも人気。
移住コンシェルジュが事前相談から滞在当日まで、手厚くサポート
海と山に囲まれ交通アクセスのよい山口県山陽小野田市では、移住コンシェルジュが相談窓口となり移住後の生活に合った内容をオーダーメイドで提案する「お試し滞在」ツアーを2022年度より受け入れ中。2024年度は26組42人が参加し、高い満足度を得ている。
宿泊は市内の宿泊施設を利用し、素泊まりで1人4泊最大2万8000円の宿泊費補助を用意。山口県までの交通費は最大で1人当たり3万円の補助がある。ポータルサイトやInstagram(@sanyo.onoda.iju)からも問い合わせが可能。
問い合わせ/山陽小野田市シティセールス課 ☎0836-82-1241
ぜひ見てほしい!焼野海岸の絶景
穏やかな瀬戸内海に面する焼野海岸からは遠く九州まで望める。
イチゴの収穫体験も人気
「花の海」では12月から5月にかけてイチゴ狩りが楽しめる。
新鮮な魚介類をぜひ味わって!
鮮度抜群の活イカ。三方を海に囲まれた山口県ならではの魚介類が自慢。
山陽小野田市のオススメプラン!
昔ながらの商店街で買い物が楽しめる「厚狭駅前商店街」、西日本最大級のシステム農園「花の海」、なんでも揃う大型のショッピングモール「おのだサンパーク」、日本の夕陽百選に選ばれた異国情緒あふれる海岸「焼野海岸」など、見どころいっぱいです!
(移住コンシェルジュ 河口温美さん)
【大分県豊後高田市】①半住半旅田舎暮らし体験事業/②豊後高田市移住体験会
四季折々の体験が楽しめる農家民泊に滞在
参加者は、農家民泊を1泊2食付き1人3000円で利用可能。
市内の空き家見学を中心とした、2タイプの移住体験ツアーを用意!
移住地として絶大な人気を誇る豊後高田市。市外在住者を対象とした①「半住半旅田舎暮らし体験事業」と、県外在住の子育て世帯を対象とした②「豊後高田市移住体験会」の、2種類の移住体験ツアーを実施。
いずれも空き家の見学が必須となるツアーで、宿泊は農家民泊やコテージを利用。①では空き家見学時のレンタカー代への補助、②では①と同様のレンタカー代の補助のほか、飛行機、新幹線、高速道路代などの費用助成を用意している。2012年の事業開始以来、114世帯349人の参加者が移住に結び付いた高い実績を誇る。
問い合わせ/豊後高田市地域活力創造課 ☎0978-25-6392
開放感あふれるコテージもあり!
コテージタイプの滞在施設「ヴィラ・フロレスタ」には囲炉裏も。2つの移住体験ツアーが用意されており、①は6泊7日で1家族1万8500円、②は無料で宿泊可能(2泊3日まで)だ。
市民に愛される温泉は“飲泉”も可能!
炭酸水素塩泉と炭酸水素塩冷鉱泉の2種類の泉質が楽しめる「花いろ温泉」。
絶対に食べたい豊後高田グルメ
「岬かき揚げ丼」(写真)や「豊後高田そば」などのご当地グルメも充実。
豊後高田市のオススメプラン
保育園・小学校などの見学や、小さなお子さんがいるご家庭は、子育て支援拠点「花っこルーム」の見学もオススメです。スタッフの皆さんがとても親身になってくれるので、慣れない土地での子育ての不安が解消されると思います。
(地域活力創造課 末宗奈津子さん)
文/編集部 写真提供/山形市、三条市、山陽小野田市、豊後高田市
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