移住を検討した際、家探しに便利な自治体の「空き家バンク」制度。実際に「空き家バンク」を利用して、田舎暮らしを実現した先輩移住者2組に、空き家の購入や改修などのエピソードを教えてもらいました!
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飯田高原の高台に立つ敷地約7500坪の物件を購入
【大分県九重町/吉田さん夫妻】
大分県九重町(ここのえまち)/吉田直樹さん・紀子さん夫妻
埼玉県出身の直樹さんと大分県出身の紀子さんは、大分県立竹工芸訓練センターで出会って結婚。ともに竹細工作家として独立し、よりよい制作環境を求めて2021年に由布市から九重町へ。「吉田竹物」の屋号で活動中。写真/山林を含めて敷地約7500坪の物件を購入し、工房兼自宅として活用している。
竹細工づくりに適した環境です!
雄大な山の眺望が広がる高台で暮らすのが、吉田さん夫妻。
「竹細工に使うマダケの生産量が日本一の大分県内に絞り、湿気の少ない高原エリアで物件を探しました」と直樹さん。購入の検討中に目の前の林の地盤が豪雨で崩れるトラブルがあったものの、改めて訪れると結果的に美しい景色が開けていた。復旧工事もしっかり行われたことを確認し、「これなら心配ない」と判断したそう。
まちの空き家改修補助金を活用し、改修の実質負担額は120万円ほど。現在は近隣の温泉やスキー場で息抜きしながら制作に取り組む。
和室の1室をモダンなリビングへ一新。床はクリ材、窓はペアガラスの幅広サッシにした。
約50坪の菜園スペース付きの家を100万円で購入
【山口県阿武町/本間さん夫妻】
山口県阿武町(あぶちょう)/本間孝男さん・久美子さん夫妻
鉄道会社に入社して東京から宮城県仙台市へ移った孝男さんは、同市出身の久美子さんと結婚。スローライフを夢見て早期退職し、2019年に夫婦で阿武町へ移住。海、川、里山があり、自然災害の少ないところにひかれたそう。写真/本間さん夫妻は、菜園での野菜づくりと趣味の釣りで自給自足的な生活を満喫中。
野菜づくりを楽しんでいます!
本間さん夫妻が選んだ場所は、漁村の穏やかな空気に包まれた清流沿い。約50坪の菜園スペース付きの空き家を100万円で購入した。改修費用は約180万円。うち半分を町の補助金で賄ったという。
「床下の張り替えは想定外でしたが、空き家バンク物件は住んでみて不具合に気づくことも。売り手も買い手も素人なので、ある程度の割り切りは必要でしょう」と孝男さん。移住後、地元の日本酒を使った酒かす漬けの製造・販売を開始し、適度な自給自足と地域への貢献で充実した日々を過ごしている。
DIYで壁や天井をパステルカラーに仕上げたリビング。床も孝男さんが塗り替えた。
文・写真/笹木博幸
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