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田舎暮らしの本 12月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 12月号

10月31日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

【温泉の達人が移住先にオススメの名湯・温泉地を厳選!】温泉文化や名湯巡り、伝統文化も楽しめる温泉地「加賀温泉郷 山中・山代温泉」「湯の川温泉」「天童温泉」

旅行とは異なり、移住先となると、温泉だけではなく、暮らしやすさも重要です。温泉評論家の石川理夫さんに、「お湯よし、暮らしよし」の名湯・温泉地を選んでもらいました。ここでは、温泉文化や名湯巡りはもちろん、伝統文化やまちの歴史なども楽しめる温泉地を3つご紹介します。

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掲載:2025年11月号


石川理夫さん(いしかわ・みちお)●温泉評論家。日本温泉地域学会会長。主な著書に『温泉の日本史』(中公新書)、『一生に一度は行きたい温泉100選』(宝島社ムック)、『本物の名湯ベスト100』(講談社現代新書)、『温泉の平和と戦争』(彩流社)など。2024年4月に東京から別府に移住した。

伝統の総湯広場を持つ加賀の二名湯「加賀温泉郷 山中・山代温泉」【石川県加賀市】

山代温泉「古総湯」(石川県加賀市)

山代温泉「古総湯」(石川県加賀市)
山代温泉「古総湯」
共同浴場「古総湯」のアートな浴室。明治時代の様式を復元した建物で、歴史や文化が感じられる。

 加賀温泉郷には北陸新幹線加賀温泉駅の海側に片山津(かたやまづ)、内側に山代(やましろ)、山中(やまなか)、粟津(あわづ)の4温泉地がある。平野部の山代と少し奥まって美しい渓谷もある山中温泉も冬の積雪は多くない。

 両温泉は中世の時代からの共同浴場「総(惣)湯」広場を中心に発展した温泉街の景観が見事。山代の総湯広場には新装の総湯に加え、明治期の建物を復元した古総湯もできた。 山中温泉は総湯「菊の湯」(男湯)と山中座隣に総湯(女湯)が並び建つ。

 山中の泉質は、芭蕉が「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」と激賞した石膏泉だが、混合泉になると単純温泉と表示される。山代は芒硝泉で、いずれも肌に効果的な泉質を誇る。

 両温泉地は温泉文化に加え、九谷焼や山中漆など加賀の伝統工芸が彩りを添え、海外からも工芸作家・アーティストが移り住み、交流と活気が期待される。

山中温泉「菊の湯」(石川県加賀市)
山中温泉「菊の湯」
山中温泉の総湯広場に建つ総湯「菊の湯」。

温泉♨データ
【山中温泉】泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉、単純温泉 泉温:平均約45℃
【山代温泉】泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 泉温:平均約64℃

海峡に臨む欧風の街は温泉が豊富「湯の川温泉」など【北海道函館市】

函館市の風景
函館市の風景
函館山からの市街地の景観。夜景も見事。

 津軽海峡に臨む函館市は人口約23万人の観光都市。新鮮な魚介類など食・グルメと歴史・文化の遺産で大勢の人を迎え入れている。海峡に突き出た函館山からの街並み景観は壮観で、海を望む坂道には伝統的建造物群保存地区を中心に明治から昭和初期にかけて建築された欧風・和洋折衷の情緒ある建物が並ぶ。こんな所に住んでみたい、と思わせる街である。

 函館は温泉も豊富だ。市街地に湧く道内有数の湯の川温泉は函館空港から車で約5分。オーシャンビューの温泉ホテル群に混じって、減ったとはいえ温泉銭湯も2軒ほどが健在である。

 函館山麓の谷地頭(やちがしら)温泉には立派な温泉公衆浴場があり、こちらも市民の憩いの場となっている。道南の函館は積雪や寒さもひどくはないが、ごく身近な存在の温泉が冬でも生活に温もりを与えてくれるはずだ。

湯の川温泉「湯の浜ホテル」(北海道函館市)
湯の川温泉「湯の浜ホテル」
オーシャンビューを楽しめる湯の川温泉「湯の浜ホテル」の露天風呂。

谷地頭温泉(北海道函館市)
谷地頭温泉
明るく広い谷地頭温泉の大浴場。地元民も足しげく通う。

温泉♨データ
泉質:主にナトリウム-塩化物泉
泉温:平均約65℃

フルーツと将棋の街に湧く美肌湯「天童温泉」【山形県天童市】

天童温泉屋台村「と横丁」(山形県天童市)
天童温泉屋台村「と横丁」
天童温泉の中心地にあり、個性豊かな8つの飲食店が軒を連ねる。「と横丁」のネーミングは将棋の「と金」から。

 天童市は山形県中東部に位置し、山形市と隣接、東は芭蕉の句でも有名な山寺を抜けて仙台市となる。山形新幹線の駅があって山形空港に近く、アクセスがよい。明治の終わりごろ、掘削により高温の温泉が大量に湧き出て、温泉の街ともなった。

 温泉は旧泉質名で含石膏-芒硝泉という、皮膚の真皮の弾力線維を強化してしわを防ぐ効果のある美肌湯系。ラ・フランスやサクランボなどフルーツのまちとして広々とした果樹園に囲まれた田園環境に、温泉の温もりと安らぎが加わり、暮らしやすいまちだ。子育て支援が手厚いことでも知られる。

 なにより天童は将棋の街。温泉宿や施設の浴槽、足湯まで駒の形をしているのが面白い。山形県は全国でも粒選りの名湯が多いエリアで、隣の東根市も温泉町。人気の銀山温泉、蔵王温泉も近く、ライフスタイルに名湯巡りを加えられる絶好の土地の一つだろう。

天童温泉の足湯「駒の湯」(山形県天童市)
足湯「駒の湯」
温泉街に3カ所ある足湯の一つ。将棋の駒の形をしている。

温泉♨データ
泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
泉温:平均約63℃

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  • 山代温泉「古総湯」(石川県加賀市)
  • 山代温泉「古総湯」(石川県加賀市)
  • 山中温泉「菊の湯」(石川県加賀市)
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  • 湯の川温泉「湯の浜ホテル」(北海道函館市)
  • 谷地頭温泉(北海道函館市)
  • 天童温泉の足湯「駒の湯」(山形県天童市)
  • 天童温泉屋台村「と横丁」(山形県天童市)

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