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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

キャンプ料理が得意な空き缶ストーブ/100円ショップの材料でつくる!

小枝や落ち葉を燃料にして効率よく火をおこす空き缶ストーブ。小さな焚き火からフライパンやグリルによる調理、湯沸かし、パン焼きなど多彩に使える。本体は空き缶ながら、二重構造で二次燃焼も実現!

キャンプ用のコンパクトな調理器具にぴったりサイズの空き缶ストーブ。二次燃焼で火力も抜群。

材料は100円ショップで、燃料は小枝や落ち葉

 DIYのアイデアを探していて、海外のインターネットサイトで発見したストーブがこれ。シージストーブ(SIEGESTOVE)という名前で、空き缶2つで簡単につくれるのがいいところだ。鍋やフライパンを使った料理から、焼き網でのグリル、トーストまで多彩な料理ができるのも面白い。

 ネットの動画でその使い方を紹介していた。フライパンでスクランブルエッグをつくりながら、缶の側面に焼き網を掛けてパンをトースト。さらに火が落ち着いて燠になったらグリルでハンバーグに火を通す。それらをワンプレートにして、女性が「ブレックファストができたわよ」と笑顔でその多機能性をアピールしていた。缶を二重にすることで二次燃焼が起こり、より効率的に薪を燃やすこともできる。

 DIYでは脚とゴトクをどうつくるかだが、これはホームセンターで手に入る鉄の平板(平鋼)を加工する。必要な長さにカットして切り欠きを入れるだけなので、ジグソーやグラインダーがあれば難しくない。厚さ0.3mm程度のトタンやステンレスなどの薄板を使えば金属用のハサミで加工することも可能。空き缶と焼き網は、100円ショップの貯金箱と水切り網を利用した。トマトソースの缶などでもよい。アルミ缶は弱いので、スチール缶を使うこと。

側面の輻射熱でパンを焼き、ゴトクでハンバーグに火を通す。グリルの持ち手は100円ショップのトングを利用。

燃料は乾いた小枝や端材など。長さは10㎝前後。指の太さくらいの細い木が適している。缶の底から空気が入り、煙突効果で効率よく燃える。

内缶と外缶による二重壁になっている。すき間は10㎜前後が適当。広過ぎると二重壁を上昇する熱が冷めやすい。

Step1 脚とゴトクをつくる

【1】鉄工用の刃を付けたジグソーで平鋼から脚とゴトクを切り出す。ゴトクの長さは安定感や全体のバランスを考えて、外缶の直径プラス50~100㎜程度が目安。

【2】切り出した平鋼に切り欠きを入れる位置を記す。平鋼の中心、外缶の直径(中心から50㎜)、内缶の直径(中心から43㎜、脚のみ)の位置に線を引く。

【3】平鋼に記した切り欠きの線に沿ってポンチを打つ。ポンチの先端を線に当てて、ハンマーでお尻の部分を軽く叩くとくぼみができる。

【4】ポンチのくぼみに鉄鋼用ドリル(3㎜)を当てて穴を開ける。ドリルで下穴を開けておくことで、グラインダーの抵抗が軽減されて楽にカットできる。

【5】ドリルで開けた穴をディスクグラインダーでカットしてつなぐ。中心線の切り欠きは幅3㎜、深さ13㎜。内缶、外缶をはめる切り欠きは幅3㎜、深さ5㎜。

【6】2枚の平鋼の中心の切り欠きをかみ合わせれば脚(写真上)とゴトクができる。加工するときは組み合わせを考えて、中心の切り欠きの向きに注意しよう。

Step2 缶の加工と組み立て

【1】内缶に給気口として6㎜の穴を開ける。底は13カ所、側面は上側の口から1㎝と2㎝の位置に千鳥で8カ所ずつ。さらに底から1㎝上にも8カ所。

【2】穴開けで出たバリをサンドペーパーで落とし、缶切りで外缶の蓋と底を切り筒状にする。内缶は蓋を開ける。

【3】平鋼を加工した脚を十字に組み合わせて内缶の縁を切り欠きにはめる。次に外缶をはめる。十字に組んだ脚とゴトクは差し金を当てて直角に調整する。

Step3 パン焼き網をつくる

【1】組み立て図を参考に水切り網の折り曲げる位置を決めて油性ペンで線を引く。折り曲げるときは、水切り網の脚が付いているほうが外側に来るようにする。

【2】テーブルや角材の角に水切り網を当てて、手の力でコの字形に曲げる。柔らかいので簡単に曲げられる。

【3】ラジオペンチで水切り網に針金を絡めて、缶に引っ掛けるためのフックをつくる。針金は長めにしておき、最後に余計な部分をカットし、パン焼き網を掛ける。

Step4 グリルをつくる

【1】今回入手した水切り網は大きいので両外側をニッパーでカットし、約95×121㎜にする。同じ要領で2枚つくる。

【2】トングの先端を水切り網に差し込んで網を挟むように先端を折り曲げ、3㎜の鉄鋼用ドリルで穴を開ける。

【3】ドリルで開けた穴に鍋小ねじをはめて、裏側からワッシャーをかましてナットを締め、網とトングを固定する。グリルで肉や魚を挟んで焼ける。ひっくり返すのも簡単。

【4】平らな場所に置いて、中に新聞紙や落ち葉など燃えやすい火口を入れて着火。小枝を追加しながら火を大きくする。

【5】暖められた空気が二重壁を通って内缶上部の給気口から入り、二次燃焼がスタート。炎が激しく立ち上がる。缶側面に網をセットしてパンを焼く。

【6】身近な素材で簡単にできる工作だが、自分でつくった道具で火をおこしたり、料理をしたりするのは率直に楽しい。グリルで肉や魚を焼くときは、炎が落ち着いて燠がたっぷりできてから。または炭を使うと焦げにくい。パン焼きは外缶を外して内缶に直接網を掛ければ、強い輻射熱でより早く焼き上がる。

 

文/和田義弥 写真/谷本 夏

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