「AKB」とは、兵庫県の赤穂市(あこうし=A)と上郡町(かみごおりちょう=K)、岡山県の備前市(びぜんし=B)のこと。これら2市1町は、兵庫県南西部と岡山県南東部の隣接した一帯で、東備西播(とうびせいばん)と呼ばれています。温暖な気候、豊かな自然の恵み、アクセス良好と、暮らしやすい地域です。今回は、そのAKBに移住した方をご紹介します。
【A】兵庫県赤穂市 あこうし
鉄道で京阪神へ直結! 暮らしやすい城下町
【移住者リポート】
お城通りでイタリア料理店を営み、余暇は家族で身近な海辺の公園へ
松並木が彩るお城通り沿いで2020年秋、冨田新之輔(とみたしんのすけ)さん(45歳)はイタリア料理店「オステリア メタメタ」を開業。名物Tボーンステーキのほか、トスカーナ地方を中心としたアラカルト料理を手ごろな価格で提供している。
「以前は大阪市内で店を出していましたが、ビルに囲まれた都会での子育ては望ましくないと思い、移住・移転を決めたんです。赤穂市の海・川・山が身近にある環境にひかれました」
空き店舗と古民家を見つけて20年2月に移住。店は夜の営業のみにして、家族との時間を大切にしながらのんびりと暮らす。
「お気に入りは赤穂海浜公園や、無料のキャンプ場がある丸山県民サンビーチ。大きな公園が多いのが赤穂市の魅力です」
今後は、赤穂市の賑わいづくりにも貢献していきたいという。
自然の恵みと便利さを併せ持つ城下町で子育てしませんか
(一社)あこう魅力発信基地 0791-43-6931
https://www.city.ako.lg.jp/sangyoshinko/kanko/teiju
【K】兵庫県上郡町 かみごおりちょう
山陰方面ともつながる農業が盛んな水の郷
【移住者リポート】
カフェ経営や農業に取り組みつつ、移住者のよりどころを提供
長谷川和歌子(はせがわわかこ)さん(65歳)は夫の定年退職を機に2014年、神奈川県から上郡町へ。「せっかくなら私の調理師免許を生かしてお店をしよう」と、自宅の一部を利用して夫婦でカフェを経営。地域の憩いの場として親しまれている。
一方、日本の食文化に欠かせない大豆栽培を手がけるため、2012年に東京から移住して農業に取り組んでいるのが渡辺伸江(わたなべのぶえ)さん(63歳)。「美しい環境の田舎は全国にあるものの、汚染の原因施設がない上郡町は水や空気が格段にいいんです。災害リスクが少ないことも選んだ理由」と話す。
2人はそれぞれのライフスタイルを楽しむ傍ら、移住者の会「UI(遊あい)ネット上郡」を運営。渡辺さんは会長、長谷川さんは副会長として、移住者同士の交流を促す活動に力を注ぐ。
空気がおいしい「水の郷」で起業や就農に挑戦しませんか
上郡町企画政策課 ☎0791-52-1112
http://www.town.kamigori.hyogo.jp
【B】岡山県備前市 びぜんし
天然の良港に恵まれた歴史深い焼き物のまち
【移住者リポート】
海と山の自然に癒やされながら夫婦でブドウ栽培に取り組む
自衛官として日本各地を転々としてきた千葉県出身の坂口雄幸(さかぐちたかゆき)さん(33歳)は、「自然に囲まれてマイペースで仕事がしたい」と就農を決意。岡山県の就農地見学ツアーで備前市のブドウ農家を訪れて、移住を決めたという。
「『まじめに取り組めばブドウは儲かるぞ』と、声をかけてくださった受け入れ農家さんの温かい人柄が決め手です。山手にある農園のすぐそばに海が広がる一方、岡山市内や大阪方面へアクセスがしやすい、ほどよい田舎感も気に入っています」
2年間の研修を終えて2020年春に独立。農作業をしていると野鳥やカエルが顔を出し、海に近い自宅前の水路ではカワセミやカメが姿を見せることも。そんな出会いに癒やされながら、一人前のブドウ農家を目指し、日々、栽培に励んでいる。
日本遺産の伝統や文化が息づく、海の幸と里の幸の宝庫です
備前市都市住宅課 0869-64-2225
https://bizen-life.com
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