掲載:2021年12月号
冬は根菜類がおいしい季節です。じっくり火を通した根菜は芯からからだを温めてくれます。寒さで増した甘味とともに、香りを楽しめるのがニンジンとゴボウ。ニンジンは体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが、ゴボウは腸の動きをよくする食物繊維が多く含まれる健康野菜です。油との相性がよく、サッと炒めると、香りと風味が一層引き立ちます。
ゴボウとニンジンのガパオ風ライス
材料 ※2~3人分
○ゴボウ…150g
○ニンジン… 50g
○タマネギ… 50g
○シイタケ(石づきは除く)…2枚
○鶏モモ肉…1枚
○ゴマ油…大さじ1
○ニンニクすりおろし…1かけ分
○オイスターソース…大さじ1
○ナンプラー…大さじ2
○乾燥バジル…少々
○塩、コショウ…各少々
○ご飯… 300~400g
○目玉焼き…2~3個
○ユズコショウ…お好みで
つくり方
❶ ゴボウはささがき、ニンジンは細切り、タマネギとシイタケは薄切りにする。鶏モモ肉はひと口大に切る。
❷ 鍋にゴマ油、ゴボウ、塩少々を入れて中火にかけ、香りが出るまで炒める。
❸ ②に鶏モモ肉を加えて炒め、肉の色が変わってきたらニンニクすりおろし、ニンジン、タマネギ、シイタケを入れて炒める。
❹ ③にオイスターソース、ナンプラーを入れてサッと炒め、仕上げに乾燥バジルとコショウを加えて全体を混ぜる。
❺ 器にご飯と④を盛り、目玉焼きをのせる。好みでユズコショウを添えて。
やさしい甘さと香ばしさが広がる飲みやすいお茶
ゴボウがたくさん穫れたらお茶にします。
よく洗ってピーラーでスライスし、ザルに広げて半日から1日天日干ししたあと、フライパンで焦げないように弱火で数分、乾煎りします。
カラカラに乾いていい香りがしてきたら出来上がりです(ビンや缶に入れて保存し、2週間~1カ月ほどで使い切ってください)。
飲むときは、水500mLなら5gほどを入れ、薄茶色が出るまで煮出します。
ニンジンのフライ ゴボウの唐揚げ
材料 ※2~3人分
○ニンジン…1本
○ゴボウ…1本
【A】
めんつゆ…大さじ2
ニンニクすりおろし…少々
ショウガすりおろし…少々
○塩…少々
○小麦粉、溶き卵、パン粉、片栗粉、揚げ油…各適量
○ソース…お好みで
つくり方
❶ ニンジンは縦に1/6等分に切り、塩を振って10分ほど置き、蒸し器で10分ほど蒸す(または500Wの電子レンジに1分ほどかける)。火が半分通ったくらいがよい。
❷ ゴボウは洗って5㎝ほどの長さに切り、沸騰したお湯でさっと湯通しする。Aとともにポリ袋に入れてよくもみ、20分ほど置く。
❸ ①のニンジンの水気をふき、先端の細いところをつまんで小麦粉、溶き卵、パン粉の順にまぶしつける。②のゴボウの汁気をきり、全体に片栗粉をまぶす。
❹ ③のニンジンとゴボウを、180℃の揚げ油できつね色になるまで揚げる。
冬野菜の具だくさん豚汁
材料 ※4人分
○ゴボウ…100g
○ニンジン…1/2本(100g)
○ダイコン…100g
○豚のこま切れ肉…100g
○塩こうじ…大さじ1
○コンニャク…1/2枚
○ゴマ油…大さじ1
○だし汁… 800mL
○酒粕… 60g(少量のだし汁で溶いておく)
○味噌…大さじ4
○ショウガのすりおろし、ネギのみじん切り…お好みで
つくり方
❶ 豚のこま切れ肉は塩こうじでもんでおく。
❷ コンニャクはひと口大にちぎり、熱湯でゆで、ザルに上げておく。
❸ ゴボウとニンジンは乱切り、ダイコンはいちょう切りにする。
❹ 鍋にゴマ油、ゴボウ、ニンジン、コンニャクを入れて中火にかけ、全体をサッと炒める。
❺ ④にだし汁、ダイコンを加え、煮立ってきたら酒粕と①を入れる。10分ほど煮たら火を止め、味噌を加える。
❻ 器に盛り、お好みでショウガのすりおろしを添え、ネギを散らす。
ゴボウのガトーショコラ
材料 ※縦横20㎝の型1個分
【A】
小麦粉… 50g
ココア… 30g
ベーキングパウダー…
小さじ1(アルミフリー)
〇ゴボウ…1本(100g)
〇バター…10g
〇きび砂糖…大さじ1
【B】
ビターチョコレート…120g
バター… 50g
【C】
卵…2個
きび砂糖… 50g
生クリーム… 30mL
ラム酒…大さじ1
つくり方
❶ Aは合わせてふるっておく。
❷ ゴボウは短めのささがきにする。フライパンにバターとゴボウを入れて弱火で炒める。ゴボウの香りがしてきたら、きび砂糖を振り入れ、キャラメル状に溶かしてコーティングする。
❸ Bを合わせて湯煎で溶かす。
❹ ボウルにCを入れてよく混ぜる。
❺ ④に③を入れて混ぜ、①を加えて混ぜる。型に流し入れ、上に②を散らす。
❻ 170℃のオーブンで25分ほど焼く。
冬の滋養たっぷり 掘りたての香りを楽しむ
家庭菜園で育てた根菜は、穫れたてのみずみずしさも魅力です。なかでも掘ったばかりのゴボウはやわらかく香りも新鮮。わが家で育てる丈が短い品種は、掘りやすくて香りが高く、調理するとほっくりと味が染みます。ゴボウは鮮度が命。新聞紙で包むなどして乾燥を防ぎ、洗って冷蔵庫に保存後は、1週間以内に食べきるとおいしいです。
根菜類はニンジンもゴボウも、皮をむかずにヘチマたわしで洗って泥を落とすだけで調理するのがわが家流。自然菜園の野菜はアクが少なく、皮のすぐ下に甘味やうま味が集まっているからです。ゴボウは空気に触れると変色するので、切ったら手早く調理しましょう。多少のアクは塩と油で炒めるとうま味に変わります。気になる場合は、5分ほど水にさらしてください。
レシピ・監修/竹内裕子
たけうち・ゆうこ●長野県安曇野市でエコ菜園の教室を開く竹内家の主婦。野菜を生かした料理やお菓子が、自然菜園スクール生に大人気。病院での管理栄養士、有機栽培農家での料理番などの経験も生かし、四季折々の旬の野菜を毎日おいしく食べられる工夫を探求中。「畑が雪に覆われる信州の真冬を前に、冬の野菜がいちばん豊富な12月。穫れたて新鮮なニンジンやゴボウの味わいは格別です」。
文/新田穂高 写真/村松弘敏、新田穂高
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