地方の仕事探しは都会でスタート
移住後の仕事探しは大きな課題。そこで今回は、気軽にできる地方の仕事探しについてご紹介します。
■ふるさと回帰支援センターに相談
認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」は、東京・大阪を除く45道府県の自治体と連携して地域の情報を提供し、地方の再生、地域活性化を目指しています。各道府県の移住相談員・就職相談員がいるので、移住先が決まっていない人、道府県まで絞り込んでいる人には利用価値が高いです。
■自治体の移住相談窓口を訪ねる
近年は市町村の移住相談窓口に、専任の就職コーディネーターが配置されていたり、NPOや一般社団法人に委託して就職相談に対応したりする市町村が増えています。地域の絞り込みができている人は、こうした就職相談の窓口がある自治体を訪ねるのが早道でしょう。
■ハローワークインターネットサービス
いまはハローワークまで出かけなくても、パソコンで簡単に求人情報が得られる時代。「ハローワーク インターネットサービス」で検索し、求人区分、年齢、就業場所、希望する職種や雇用形態などを打ち込むと、条件に合った求人情報を閲覧できます。希望に合った仕事が見つかったら、求人票に記された応募方法に沿って手続きするだけです。
■60歳以上ならシルバー人材センターも
年金だけでは心許ないので、月数万円の収入がほしいという60歳以上の人は、各自治体に設置されているシルバー人材センターを活用するのも1つの手。仕事は樹木の剪せん定てい、草刈り、駐車場の管理、事務関係などさまざまです。
行政の手厚い支援がある農業に注目
■就農の相談窓口
農家として独立するには、しっかりとしたプロセスを踏むことが大切。まずは相談から。就農相談センターには「全国新規就農相談センター」と都道府県ごとの「新規就農相談センター」があり、就農情報に精通した相談員に無料で相談することができます。市町村やJAが開設している独自の就農相談窓口も利用価値は高いです。
■未経験者は自分の適性をチェック
農業の経験がない人は、短期の農業体験で適性を試してみましょう。全国新規就農相談センターが受け入れを行っており、独自に実施している自治体もあります。
さらに農家として独立するには栽培の技術や知識、経営知識も必要です。それを学べるのが各地で行われている研修制度。主な研修先・教育機関は農業生産法人、農業大学校、自治体やJAと連携した里親農家などです。
■行政の手厚い支援制度
国の支援制度には、「農業次世代人材投資資金」があります「。就農予定時の年齢が49歳以下の人を対象に、最長2年間の研修期間中に年間最大150万円が支給される「準備型」のほか、就農後は最大1000万円を無利子で融資され、国や地方自治体が償還する制度が今年度よりスタートします(就農者に一部償還義務あり)。
500万円を上限に施設整備・農業機械などの費用を助成する北海道の平取町(びらとりちょう)、産地と行政によるサポートで高い就農率を誇る岡山県など、独自の支援制度を設けている自治体も少なくありません。HPや相談窓口、就農イベントなどで情報収集しましょう。
林業や漁業の新規就業については「緑の雇用」「漁師.jp 」をチェックください。
地域おこし協力隊でやりがいのある仕事に就く!
■約7割は20代・30代
都会を離れて自然と共存する暮らしがしたい、やりがいのある仕事がしたい。そんな希望を持つ若者の受け皿になっているのが地域おこし協力隊。過疎地域などに移り住み、さまざまな地域活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みです。
約6000名の隊員が全国で活動していますが、政府はそれを令和6年度に8000人まで増やす計画。隊員の男女比は男性6割、女性4割で、約7割は20・30代の若い世代です。待遇は自治体や仕事によってさまざまですが、基本給は月約16万~22万円。任期は1年以上3年未満。終了後も約6割の人がその地域に定住しています。
■活動は地域のニーズによりさまざま
地域おこし協力隊の仕事内容は、自治体によりさまざまですが、下表の仕事が多くなっています。募集時に仕事内容が提示されているケースが多いですが、着任後に本人が主体的に自分の仕事を見つける場合もあります。
募集は全国で拡大しています。移住希望地が決まっている人は自治体のHPで探すか、移住・定住の担当部署に問い合わせてみましょう。それ以外の人は、一般社団法人移住・交流推進機構「JOINニッポン移住・交流ナビ」のHPに最新の募集情報が掲載されているのでチェックしてみてください。
文/山本一典 イラスト/関上絵美・晴香
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