掲載:2022年8月号
象潟(きさかた)の夏、鳥海山(ちょうかいさん)を背に咲く
淡紅色のネムノキの花
象潟や 雨に西施(せいし)が ねぶの花(松尾芭蕉『おくのほそ道』)。
象潟の海辺に咲くネムノキの花が雨に濡れる様子を、中国の美女・西施がうつむく姿に見立てた句から、芭蕉の目に映った当時の象潟の風景が浮かぶ。
象潟は史跡名勝天然記念物に指定され、噴火や土地の隆起により、田園地帯にたくさんの島が浮かんでいるように見える九十九島(くじゅうくしま)が有名だ。
7月、夏の日差しを浴びたネムノキの花が、鳥海山を背景に鮮やかに咲いていた。
これはきっと、昔から変わっていない風景に思える。
お問い合わせ: (一社)にかほ市観光協会 ☎︎0184-43-6608
文・写真/佐藤尚
さとう・たかし●風景写真家。1963年、福井県生まれ。少年期を南米・ペルーで過ごす。47都道府県の農村や自然などを対象に撮影を続ける。 http://www.satophoto.net
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