宮崎県を代表するご当地グルメといえば、「チキン南蛮」だ。しかし、宮崎県民が愛しているのは「チキン南蛮」だけではなかったのだ。
隠れたローカルグルメ「しいたけ南蛮」
「しいたけ南蛮」とは、宮崎県のご当地グルメ「チキン南蛮」を、しいたけでアレンジした地元グルメ。特に西米良村(にしめらそん)や都城市(みやこのじょうし)などの飲食店で提供されており、地元の人に愛されている。しいたけからジュワッとあふれ出す、極上なうまみがやみつきになるのだとか。
宮崎県は乾しいたけの生産量全国2位!
宮崎県は、しいたけ栽培に適した土地と気候に恵まれ、乾しいたけの生産量は、大分県に次いで全国2位。
宮崎県産の乾しいたけは、爽やかな甘みとシコシコとした弾力のある歯ごたえが特徴。旨み、香り、食感がよく、全国にファンが多い。
宮崎県のおいしい原木しいたけ「田中椎茸」
宮崎県内にはさまざまなしいたけ農家があるが、今回はその中の1つとして、100年の歴史を持つ「田中椎茸」を紹介しよう。
「田中椎茸は、高原町のほだ場(ほだば=しいたけを発生させるための場所)で生産しており、“本物のおいしさを正直に”お客様に届けることを大切にしています」
そう語ってくれたのは、田中椎茸の邊木園(へきぞの)浩子さん。
宮崎・霧島の自然の恵みを最大限に生かし、長い年月と手間暇をかけておいしいしいたけづくりに日々邁進。また、その品質を安心にも繋げたいと考え、「有機JAS」認証、「ひなたGAP」認証も取得している。
「コロコロとしたどんぐりを山に植え、20年の歳月をかけて原木となるクヌギを育てます。
20年かけて立派に育った木を伐採し、種コマと呼ばれるしいたけの菌を打ち込み、そこから2年ほど寝かせます。
寝かせた原木を立て、霧島の山水をたっぷりとやり、しいたけを育てます。霧島山麓の澄んだ空気と水、太陽といったこの宮崎の地ならではの自然と、ひとつひとつ手作業で丁寧に育てることが、おいしさの秘訣です」
と、邊木園さんは続ける。
長い歳月をかけて生産されたしいたけを、さらに時間をかけて乾燥し、出来上がるのが、宮崎県が誇る乾しいたけというわけだ。
最後に邊木園さんをはじめ、生産者さんも実践するしいたけのおいしい食べ方のひとつ、しいたけ南蛮のレシピを紹介。もはや肉を超えるほどのおいしさなのだとか。自宅で宮崎気分が味わえる一品。ぜひ試してみてはいかがだろうか?
■■ しいたけ南蛮 ■■
※生のしいたけでも、おいしくつくれます
<南蛮材料2人分>
原木乾しいたけ:4枚
塩胡椒:適量
小麦粉:大さじ1~2
卵:2個
菜種油:適量
<しいたけ南蛮のつくり方>
① 乾しいたけを水で戻し、塩胡椒で下味をつける。
②小麦粉を①にたっぷりつけ、卵にくぐらせ菜種油で180℃で揚げる。
③南蛮酢にさっとぐぐらせ、タルタルソースをかける。
<南蛮酢材料>
原木乾しいたけ戻し汁:1/2カップ
しょうゆ:大さじ2
砂糖:大さじ2
酢:大さじ2
<南蛮酢のつくり方>
乾しいたけの戻し汁と調味料を合わせ沸騰させて冷まし、冷蔵庫で保管する。
<タルタルソース材料>
ゆで玉子(固ゆで):2個
玉ねぎ:1/4個
マヨネーズ:大さじ5
酢:小さじ1
砂糖:小さじ1
塩胡椒:適量
パセリ:適量
<タルタルソースのつくり方>
①ゆで玉子をみじん切りにする。玉ねぎをみじん切りにし、キッチンペーパーで包み、もみ洗いする。
② マヨネーズをボウルに取り、①と合わせ、調味料を加え仕上げる。
鍋がおいしいシーズンに突入! 鍋で消費しきれなかった生しいたけで「しいたけ南蛮」をつくってみてもいいですね。
田舎暮らしの本編集部
田舎暮らしの記事をシェアする