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田舎暮らしの本 2月号

1月4日(水)
850円(税込)

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【滞在型市民農園】離島のクラインガルテンで週末菜園暮らし【愛知県西尾市】

掲載:2023年1月号

菜園に小さな家が付いた滞在型市民農園「クラインガルテン」。1年単位で借りられる施設が多いので、田舎暮らしの第一歩に最適だ。野菜づくりはもちろん、地域の交流も楽しんでみては?

愛知県西尾市一色町に属する佐久島は、三河湾に浮かぶ人口約200人の離島。海岸線の総延長は約11km。島のおもな産業は漁業と観光業で、島民の多くは畑で野菜をつくっている。2001年からは佐久島アート・プロジェクトが始動し、島内には『おひるねハウス』(写真)などの現代美術 作品が展示されている。知多半島道路半田ICから一色港まで約40分、西尾市営高速船にて佐久島西港まで約20分。

 

毎週末に通って5年目
離島でひとり時間を楽しむ

 ドイツで200年以上の歴史を持つクラインガルテン。直訳すると「小さな庭」となるが、日本では「滞在型市民農園」として広まり、全国各地で親しまれている。2012年に愛知県西尾市が運営を開始し、離島では全国初といわれている「佐久島クラインガルテン」。こちらを利用して5年目を迎えるKさんとクラインガルテンの出合いは、趣味のハイキングで佐久島を訪れたことだった。

「名古屋からの日帰りハイキングのガイドブックで佐久島の存在を初めて知り、ハイキングに訪れました。その際偶然、クラインガルテンの前を通り、直感的に『ここに住みたい』と思ったんです。そのとき季節は冬で、ちょうど利用者を募集していたため応募。入居に至りました」

 これまで野菜づくりの経験がなかったが、周囲の利用者などに鍬(くわ)の持ち方から教わり、徐々に知識を身につけていった。今ではクラインガルテンでつくった野菜だけで食事が賄えてしまうほど多品種の野菜を栽培するまでに。

「季節外れの野菜は栽培できませんが、クラインガルテンを利用するようになって、野菜は旬のものだけでいいと思うようになりました。私は草取りなどモクモクと1人で農作業をすることがとても好きで、野菜づくりが性に合っているようです。島を訪れる時は、ひとりの時間を満喫しています」

 5年も滞在し、島内の祭りやイベントに参加していると、クラインガルテンの利用者や、島内の住民とも顔見知りに。島内を散歩しているとあいさつがてらおしゃべりに花を咲かせ、時には野菜の苗や魚、おかずなどをいただくこともあるという。

「島の方から山の竹やミカンを採ってもいいよと言ってくださるなど、皆さんにはよくしていただいています。コロナ禍以降はイベントもなくなりましたが、ここで畑作業をすることがストレス解消になっています」

 訪れるたびに野菜の生長に喜び、ラウベでは竹細工や地元の食材を使ったジャムづくりを楽しんでいる。趣味に釣りが加わり、港から見る夕日や星空は見るたびに感動するという。

「島では、これまで自分が見たことがない景色を経験させてもらいました。今年度でラウベを退去することになるため、島に家を借りることも考えましたが、すぐ住める場所には出合えていません。少し寂しいですが、気持ちを切り替えて、残りのクラインガルテン生活を思い切り楽しみたいと思います」

島へのアクセス方法

 名古屋の自宅から一色港までは国道を利用して車で約1時間。車は定期船乗り場近くの無料駐車場に駐車。市営高速船で佐久島・西港まで約20分。

一色港から佐久島港への渡船の始発は6時30分、最終便は17時50分。佐久島西港の始発は7時7分、最終便は18時27分。各1日7便運行。

利用頻度

毎週末。金曜から日曜まで2泊3日で滞在。金曜午前中の船で島に渡り、日曜午後の便で帰路につくことが多い。

西港からクラインガルテンまでは徒歩約10分。島内で買えない肉、卵、牛乳などの食材、野菜の苗などをカートで運搬。島内は自転車で移動。

これまで栽培した野菜

ナス、ピーマン、トマト、スイカ、ダイコン、ニンジン、ブロッコリー、ハクサイ、キャベツ、レタス、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモなど。

害虫・獣害対策

島内にイノシシやシカはいないが、ネコやヌートリアが畑を荒らすため、害虫対策も兼ねて防虫ネットを張っている。竹の支柱と網を組み合わせて鳥害対策も。

竹でつくった鳥よけ

クラインガルテンでの暮らし

キッチン、浴室、トイレを備えるラウベはオール電化。備品はないが、冷蔵庫と電子レンジは前の住人から譲ってもらった。ロフトや収納があり、短期滞在に便利な造り。

冬でもポカポカと暖かい日が多く、縁側にチェアを出して本を読むことも。夏は風通しがとてもよく、気持ちがいい。

島民からお裾分けしてもらったローゼル。ジャムやお茶にして味わった。

夕方や早朝は釣りを満喫。秋はアジが大きくなり、狙い目。たくさん釣れたらさばいて干物にすることも。

西港から見る夕日。港や畑から見上げる星空も美しい。

利用条件や注意事項をCHECK!
佐久島クラインガルテンQ&A

お話を伺ったのは
西尾市佐久島振興課の稲吉敏光さん

利用期間はいつまでですか?
ラウベに定住はできますか?

4月から翌年3月までの1年契約で、最長5年まで延長できます。ラウベに住所設定することは不可で、利用期間中は二拠点生活をしていただくことになります。

長期間利用できない場合、返金請求はできますか?

遊休農地の解消が目的ですので、1年で70回以上(月に5回程度は島へ)利用し、荒れ地状態にせず耕作することが条件となっています。途中で利用できなくなった場合の返金請求には対応していません。応募する際には一度は現地を見ていただいた方がよいと思います。

指導員はいますか?
農機具は借りられますか?

指導員はいません。管理棟に栽培に関する書籍や雑誌が置いてあるので、調べていただく形になります。農機具はひと通り揃っています。草刈り機(1回200円)、耕運機(1回520円)は有料ですが、それ以外は無料で利用できます。

家具や電化製品などの備品はありますか?

入居時、必要な家具、冷蔵庫などの生活必需品は、必要に応じて利用者で用意していただくことになっています。洗濯機に関しては管理棟に洗濯室があり、有料(洗濯機1回200円、乾燥機1回100円)でご利用いただけます。

ネットやテレビは見られますか?

Wi-Fiがつながっているので、ネット回線は無料でご利用いただけますが、パソコンやスマートフォンなどのセキュリティーや動作環境については自己責任です。テレビは持参してつないでいただければ見ることができます。

ゴミ処理はどうしていますか?

町内会費をお支払いいただくので、島民と同じ方法でゴミ出しができます。生ゴミはコンポスト、燃えるゴミ・燃えないゴミは、月1回の回収日があります。

友人同士でシェアできますか?

応募する際に家族や友人もあわせて利用登録がされていれば可能です。金銭を発生させるような又貸しは禁止しています。

コロナ禍の影響はありますか?

管理棟に囲炉裏の間や厨房(写真)、屋外にバーベキュー場があるのですが、コロナ禍は利用を停止しています。

 

詳細

佐久島クラインガルテン(愛知県西尾市)

愛知の離島・佐久島で農業体験を楽しもう!

 アートの島としても知られている佐久島。施設内にはモザイクタイルが目をひくウエルカムスペースやクラインバウワーの時計塔がある。

簡易宿泊施設付き区画年間使用料金:50万2850円
初期費用:0円
菜園面積:約70㎡
ラウベ施設床面積:約53㎡
募集区画:個人3区画、法人1区画
募集時期:2023年1月10日(火)から27日(金)

所在地/愛知県西尾市一色町佐久島西平地61-1区画数/滞在型10区画(個人6区、法人4区)利用期間/4月〜翌年3月更新/1年(最長5年)交通アクセス/一色港より市営渡船で約20分備考/個人向け以外に、法人向けの貸し出しも数棟あり。全棟Wi- Fi 完備(無料)。
●問い合わせ先:佐久島振興課  ☎0563-72-9607

文/横澤寛子 写真/若林聖人

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