田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら
  • 田舎暮らしの本 公式X(Twitter)はこちら

田舎暮らしの本 6月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 6月号

5月2日(木)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

【田舎暮らしの困ること】プロが回答! 独立基礎で家を建てる予定が、都市計画の変更で自治体が認めてくれない

田舎での困りごとを、田舎暮らしのベテランライターが回答。傾斜地に家を建てるときに基礎をどうするのか、お答えします。

 

いずれ田舎に住みたいと10年前に別荘分譲地を見学し、300万円の土地を購入。傾斜はきつかったのですが、南向きで日当たりがよく、高台からの眺めもきれいです。周りの別荘は支柱を立てた基礎が多く、そのやり方を真似するつもりでした。最近、建築家に相淡したら「この地域は都市計画区域に指定され、いまは独立基礎が認められない」のだとか。法律をクリアする方法を教えてください。
和歌山県在住 佐藤さん●55歳

別荘建築に多い傾斜地の独立基礎

 10年前の土地購入時、佐藤さんは独立基礎で家を建てる計画だったが、その後に都市計画が指定されて変更を余儀なくされた。独立基礎とは、簡単に言うと柱1本ごとに単独で設ける基礎のこと。別荘建築でよく見かける基礎の構造だ。

 問題は建築確認申請である。これは建築の着工前に、その計画が建築基準法に適合しているかどうかを自治体の建築主事または指定確認検査機関に確認してもらうこと。都市計画区域内はすべて、都市計画区域外でも一部の地域で必要になる。独立基礎は、この建築確認申請をパスしないケースがほとんどだ。例外もあるが、建築確認申請をパスするには独立基礎を諦めたほうがいい。

 

支柱を立てるなら地中でつなげること

 支柱でも許可になる方法はあるのだが、それはどんな構造なのか。独立に見える支柱も、地中でつながっていれば連続した基礎になる。地中梁が施工されていればOKが出る可能性があるので、設計士に相議したい。

 なお、都市計画区域内でも10㎡以内の増改築なら、こうした規制はない。また、ベランダだけなら独立基礎も許される。現代建築では、布基礎(ぬのぎそ)かべタ基礎を採用するのが一般的。基礎が連続的につながっている布基礎は、建物の加重を分散できるのがメリットだ。建物下にコンクリートの板をつくるベタ基礎は、布基礎と比べても安定性に優れている。

 布基礎かベタ基礎をきつい傾斜地で施工するには、まず建築部分を切土(きりど)で平坦にする必要がある。基礎を施工後に土で埋め戻せば、傾斜地の景観を復元できるわけだ。

文・写真/山本一典 イラスト/関上絵美

この記事のタグ

田舎暮らしの記事をシェアする

田舎暮らしの関連記事