福島県の中央に位置する17市町村で形成された「こおりやま広域連携中枢都市圏(こおりやま広域圏)」。住民が安心して元気に暮らせるよう、災害の備えや健康寿命の延伸など「気候変動対応型全世代健康都市圏」を目指している。移住のニーズも重視している17市町村の概要と移住情報を紹介しよう。
掲載:2023年10月号
CONTENTS
①こおりやま広域圏とは/郡山市・須賀川市・二本松市・田村市
②本宮市・大玉村・鏡石町・天栄村・磐梯町・猪苗代町・石川町
③玉川村・平田村・浅川町・古殿町・三春町・小野町/お試し住宅
玉川村(たまかわむら)|サイクリングやカヌーが体験できる村
東京都心から車でも電車でも約2時間、人口約6200人のコンパクトな村。「日本一自転車が好きな村」として多彩なサイクリングコース、雄大な阿武隈川でのカヌーなど体験型コンテンツが豊富。スーパーフルーツ「さるなし」をはじめとしたおいしい食べ物も魅力だ。中央部に福島空港を有する空の玄関口で、JR水郡線も南北に走っている。
【移住しました!】
古民家を改修して活動の場を創出。アートの楽しさを子どもたちに伝える!
アートの世界を見てみたいと都会へ出たのち、2年ほどでUターンして地域おこし協力隊になった鈴木さん。にぎわいの創出で情報発信できる仕事に興味があったからだ。また、園児や児童を対象にアートワークショップを企画。古民家を改修したアートコミュニティスペース「ZASSOU」もオープンさせた。
「絵は上手い下手ではなく、自分を表現するもの。ここへ来る子どもは、いくらでも汚していいというルールにしてあるんですよ」
活動を広げ、山菜採りや収穫体験など村の暮らしに基づいた体験事業も始めている。
【玉川村の移住支援】
設備が整ったお試し住宅での暮らしが体験できるメニューを用意。1泊1000円で2泊から29泊まで滞在が可能だ。新築住宅を取得した移住者に基本額30万円+加算額、中古住宅を取得した移住者に基本額20万円+加算額を支給。
●お問い合わせ:玉川村企画政策課 ☎0247-57-4628
https://www.vill.tamakawa.fukushima.jp/akiya/
平田村(ひらたむら)|交通のアクセスに恵まれた、阿武隈山系の中にある山間の村
福島県の南部に位置し、いわき市と郡山市のほぼ中間にある村。全地域が阿武隈山系の中、標高500~700mのなだらかな山間地帯になっている。四季折々にさまざまな草花がこの地を彩る豊かな自然環境、阿武隈の大地と水がもたらす地酒や自然薯、高原野菜などの特産品、時代を超えて受け継がれた駒形じゃんがら念仏踊などの伝統芸能、文明年間に築城された蓬田館跡などの文化遺産が村の魅力だ。
【観光スポット】
村のシンボルである「ジュピアランドひらた」。春には一面を絨毯のように染め上げる芝桜、初夏にはギネスにも認められた品種数を誇るあじさい園と3万株以上のゆりが見ごろを迎える平田村の花園だ。
【平田村の移住支援】
夫婦のいずれかが45歳未満で、村内で新築または中古住宅を取得した場合、基本額は新築で30万円、中古で15万円、さらに転入者・子育て・村内業者施工の加算あり。結婚新生活を支援する事業も実施している。
●お問い合わせ:平田村企画商工課 ☎0247-55-3115
https://www.vill.hirata.fukushima.jp/site/iju/
浅川町(あさかわまち)|花火の伝統を200年以上受け継いできた町
福島県中通り地方の南部に位置する小さな町。阿武隈山系の山々に囲まれ、川沿いの平坦地にコシヒカリの田んぼが広がっている。一揆騒動の犠牲者を供養するために始まった花火の伝統が200年以上も受け継がれ、今では春夏秋冬で花火が打ち上げられる。JR水郡線を利用すると、郡山駅まで約1時間とアクセスがいい。
【移住しました!】
大病もコロナも乗り越えて、隠れ家的カフェ&バーを前進させる!
長年アパレルの世界にいた道さんは、家業を継いだお兄さんを手伝うためにUターン。結婚して2人の子どもに恵まれたが、妻の佳子さんに大病が見つかる。入退院の繰り返しでは実家の迷惑になると転職を決意。須賀川のカフェで1年ほど修業してから、自宅敷地内に店舗を建設した。
「コロナにも苦しめられましたが、この4月から本格営業。カフェ巡りの好きな人がインスタを見て来てくれます」と笑顔を見せる。
快復した佳子さんと店を切り盛り。苦難を乗り越えた2人の挑戦は始まったばかりだ。
【浅川町の移住支援】
県外からの移住者の住宅取得に、新築または建売で最大210万円、中古住宅で最大190万円を支給。新婚世帯の住居費や引っ越し費用に最大60万円を補助。出産祝い金も用意している。
●お問い合わせ:浅川町企画商工課 ☎0247-36-2815
http://www.town.asakawa.fukushima.jp/ijuteiju/
古殿町(ふるどのまち)|春のサクラと秋の流鏑馬で人が集まる町
福島県南部にある人口約4500人の山間の町。古い街道沿いにあり、いわき市、郡山市、白河市へはいずれも車で1時間前後。「越代(こしだい)のサクラ」はヤマザクラの巨木で、福島県でも遅咲きのサクラとして知られる。秋には、町名の由来となった古殿八幡神社の800年も続く流鏑馬(やぶさめ)を見に多くの観光客が訪れる。地酒や味噌がおいしいと評判だ。
【移住しました!】
12年前に移住して廃校を工房に活用。古殿町がグリーンウッドワークの聖地に
「木工に使える廃校を探したんですが、10カ所くらい手紙を出していちばん熱心だったのが古殿町の町長。元保育園でちょうどいい大きさだったんですよ」と語る富夫さん。
本場イギリスで学んだグリーンウッドワークは、機械を使わずに手作業だけで椅子や器などをつくる木工。その技術を身につけた日本人はごくわずか。作品の受注以外に器挽き、スプーンづくり、ナイフづくりの教室も開いていて、最近は女性の参加者も多い。
道具類は海外のプロの目にもとまり海を渡っているのだから、もはや古殿町になくてはならない存在だ。
【古殿町の移住支援】
移住を目的に住宅を取得した方に、新築または建売で100万円、中古で50万円を支給(用地取得・町内業者建築・子育て世代の加算あり)。出産祝い金、園児の保育料・給食費無料、児童・生徒の給食費無料の制度もある。
●お問い合わせ:古殿町産業振興課 ☎0247-53-4620
https://www.town.furudono.fukushima.jp
次のページでは、三春町・小野町、
こおりやま広域圏内のお試し住宅をご紹介します!
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