大根700本
ニンニク3500個
漫才1本
作りました
“本坊ファーム”で採れた野菜は、県内のマルシェに出店して販売しているんです
「耕作放棄地を草刈り開墾し、立派な畑になりました」(本坊さん)
芸人として活動する傍ら、“本坊ファーム”で収穫した新鮮野菜を道の駅などのマルシェに出荷し、それを糧に生活しているそう。
「野菜作りを通して『地産地消』に疑問を感じました。今は、採れた野菜を道の駅のマルシェなどで直販していますが、大根なんかは、儲けが100円を切ってしまいます……。時期ものといいますか、みんなが同じ土地で育てているものですから、売り場には大根だらけで、自ずと売値が下がってしまうんです。消費者にとっては、新鮮な食材を安く手に入れるメリットがありますが、生産者にとっては、儲けが少なくなるというデメリットがあるのではないかと思って、とある番組で専門家に聞いてみたんです。僕は、生活をしていくために、大根を1本140円ぐらいで売りたいのに……って」。味や品質などで高評価を得ている本坊ファームの野菜ですが、実際は思うように収入を得られていないというのが現状のようです。
「そこで、地産地消のメリットは、『生産者が価格設定できる』ということだと教えてもらいました。市場からの流通と違って、新鮮な“朝採れ野菜”ということで、強気な価格設定ができるわけです。では、あの安さはなんだ?(マルシェでは地元産の野菜が格安で売られている)ということなんですが、それは県民性だと思います。山形県民はお金を払ってもらうことに罪悪感を覚えるみたいで、車なんか高い買い物をすると、ディーラーがわざわざ『すみません』と謝ってお金を受け取るほどなんです。
ですから、野菜の直販の収入が僕の生活を左右するので、今後は、『道の駅って安い』ではなくて、『道の駅って新鮮で美味しい。高いけど価値がある』という場所にしていきたいと思っているんです」。本坊さんが実際に抱えている悩みを通じて、より生産者の利益になるような改善、システムの構築を目指していきたいと語ってくれました。
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