ふるさと納税の返礼品も手掛けるようになりました
就農当初は自給自足で、好きなときに食べる分だけの野菜を畑から収穫できると思っていた本坊さん。700本もの大根を抱えて困ってしまったときは、地元の漬物加工会社の方が手を差し伸べてくれたのだそう。そうしてできた漬物が、道の駅で販売されたことも。さらに、「実は、その漬物をふるさと納税の返礼品としても喜んで使っていただいています」と、思わぬ発展に結びついています。
「本坊ファームのだいご漬け。ふるさと納税の返礼品になっています」(本坊さん)
フードロスや耕作放棄地対策に率先して行動をおこす
さらに、本坊ファームで採れた野菜は、地元の企業との連携で商品化されていきます。「地元の食堂に“本坊ファーム”で収穫したカボチャを提供しています。 そのカボチャは『カボチャプリン』に製品化されて大好評を博し、毎年カボチャを納品するようになりました」。かつて、本坊さんの友達が実際にカフェで作っていたというカボチャプリンを参考に製作された人気スイーツです。今後は、カボチャあずきも作ってみたいと夢が膨らみます。
カボチャを納品している、かわどい亭のみなさんと。
「かわどい亭さんで、僕が理想とするカボチャプリンに仕上げてもらいました」(本坊さん)
「『濃厚かぼちゃプリン』として発売していただきました!」(本坊さん)
「ほかには、地元の子ども食堂に、味はバッチリなんですが、販売する商品としては見た目が良くない野菜を提供しており、喜んでもらっています。僕の活動は、地域の皆さんと連携し、食や農業と笑顔と喜びを分かち合うことを大切にしています」。このように、本坊さんは着実に地産地消に貢献しているのです。
また、「竹林は春にはタケノコが採れるんですが、竹を間伐しないとすぐ人が立ち入れなくなるくらい荒れてしまいます。きちんと手入れをしていないと、人間と動物の境界線がなくなり、熊などが人里に降りてきてしまいます。間伐した竹はなかなか土に還らず、どんどん溜まっていきます。そこで毎年七夕に、幼稚園や小学校、介護施設などに笹竹を提供しているんです」。食を通じてだけでなく、地域の行事にも積極的に働きかけています。
「七夕に間伐した笹竹を提供しています。ちょっとしたことですが、実は、こういった行動が地域の支え合いに繋がっているんです」(本坊さん)
「地域貢献としては、耕作放棄地で野菜を作ることによって、まわりの田畑の虫の被害が抑えられるのと、冬に空き家の雪下ろしを行うことによって、空き家の崩落を防げることが挙げられます。第一次産業が盛んな県で農業を実際に体験することによって、経験を積んで、生産者としてもそうですが、芸人として、より楽しさを感じてもらったり、問題点などに目を向けてもらえるように、笑いとともに発信していきたいですね」
【住みます芸人活動の一週間】
――本坊さんの場合――
月… コミュニティラジオ
火… コミュニティ番組ロケ/野菜収穫/ナイトマルシェ
水… 生放送番組
木… コミュニティラジオ/草刈り
金… 就活イベント
土… コミュニティ番組ロケ
日… ふて寝
次ページ:「住みます芸人 一問一答」
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