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田舎暮らしの本 6月号

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田舎暮らしの本 6月号

5月2日(木)
890円(税込)

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【田舎暮らしの困ること】プロが回答! 重機で均しただけの進入路が凸凹で、家へたどり着けない悪路になってしまった

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田舎でのお悩みを、田舎暮らしのベテランライターが回答。家への進入路をどのような路面にしたらいいのか、という悩みにお答えします。

一昨年、1町2反3畝の土地を取得。重機は操作できるので、リース業者から借りて建築予定地まで約100mの進入路をつくりました。その先に仮住まいのハウスを設置。1年ぶりに現地を訪ねたら、道路に凸凹が発生し、車で進入することもできません。しっかりした道路にしたいと思います。予算は150万円ですが、どんなエ事を頼んだらいいでしょうか。
大分県在住 神田さん●51歳

新設した進入路には、何らかの路面加工が必要

 晴れていれば支障なく通行できる進入路も、大雨でぬかるんでくる。さらに水の流れで溝ができ、凸凹道になりやすい。神田さんのように、重機で道筋を付けただけの進入路ではダメなのだ。何らかの路面加工が必要になる(下の図参照)。

 いちばん簡単なのは、砂利道にすること。砂利は車のタイヤで少しずつ飛ばされるので、150㎜以上の厚みがほしい。進入路に適しているのは「0-40(ゼロヨンジュウ)」という種類。これはダスト状の細かな石から40㎜までの砂利が混合されているため、上から転圧すると一定の密度で固まる。施工費は1㎡当たり3500円くらい(厚み150㎜と仮定)。幅3m×長さ100mの砂利施工で、約100万円が目安だ。ただし、耐久性は低く、1~2年おきに状態に応じて砂利の入れ替えが必要になる。

アスファルトは寿命が短く、コンクリートは工事が大変

 しっかりとした進入路にするなら、舗装が望ましい。路面はアスファルト、コンクリートの2種類あり、費用はともに1㎡当たり1万円前後から。幅3m×長さ100mで約300万円と、砂利道に比べてかなり高価だ。

 アスファルト舗装は工期が短く、施工が比較的簡単。ただし、寿命は約10年と短い。

 コンクリート舗装の耐久性は半永久的で、傾斜地での登坂能力も高い。欠点は収縮でひび割れが発生しやすいこと。その対策として鉄筋などを入れるが、工事は大変で、1週間は通行もできない。

 神田さんの予算で砂利道はできるが、完全な舗装は難しい。そこで、簡易舗装にするのも1つの手。寿命は5年ほどと短いが、砂利道をローラーで転圧し、アスファルト乳剤と砂を撒くだけ。自分でやれば、散布費用は10万円前後ですむ。

転圧すると固まる「0-40」という砂利。手前に排水路を保護する金網のグレーチングが見える。

文・写真/山本一典 イラスト/関上絵美

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この記事を書いた人

山本一典

山本一典

田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。

Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/

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