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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

日本プロ野球選手会から始まった「たすかる一歩プロジェクト」とは?“助かる”を考えると“助ける”が生まれる!|防災・災害の意識を高めよう

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シンポジウムを通じて、“たすかる一歩”へ知恵を結集

 T―SITEで行われたシンポジウムは、急遽の企画にもかかわらず、個性あふれる7人のパネリストが集結。口火を切ったのは、東日本大震災や北海道胆振(いぶり)東部地震の大停電時、西日本豪雨災害などの激甚災害時に、経済産業省の支援チームを統括した経験を持つ、元経済産業省 元中小企業庁長官の前田泰宏氏からの問題提起でした。

シンポジウムの様子
台風直後の千葉への出動を振り返る梅本氏は、「電力供給以上に災害時コミュニティ形成のきっかけに意味があった」と報告しました。

 前田氏は、「自分が助かるを考えることは、助ける側の負担を軽減し、より多くの命を助けることにつながるとの意識を広げたい」としながら、報道される、知られる被災地や避難所と、そうでない場所とのギャップで支援に大きく偏りが出ていること。100枚の毛布が必要な場所に、60枚しか届かなかったときに、緊急度の高い人から配る決断をせず、平等を優先し、残り40枚の到着を待つというような判断が現場で起きていることなどを報告し、こうした支援の矛盾の解消に向けた意識改革も急務だと強調しました。

 その後は、パネリストそれぞれの活動が紹介され、一般社団法人日本総合研究所松岡斉理事長からは、「日本の経済を国民の安心・安全を軸に再編し直すことを目的とした、医療防災産業創成協議会が立ち上がり、防災意識の高い民間企業22社が参加している」との報告が。また超党派の議員連盟も発足したことが紹介されました。2023年6月には協議会参加企業とともに、全国の主要な道の駅を防災拠点にする実証実験を福島県猪苗代町(いなわしろまち)で行い、“命のコンテナ”というコンセプトで、独自に開発したコンテナで実装デモを行ったことも報告され、奇しくも同協議会からも、災害時に移動可能なコンテナの有用性に着目していることが証明されました

 続いては、NTN株式会社自然エネルギー商品事業部事業部長の梅本秀樹氏が登壇し、今回展示されているN³がまだテスト機段階の2019年、大型の台風15号が千葉で大停電をもたらしていることを受けて緊急出動した事例を話されました。

 「まず、要請の意思を確認できた千葉県鋸南町(きょなんまち)へ、三重県の研究所から支援物資を積み込み、トラックで長距離移動をしました

 鋸南町の避難所にN³を設置したとき、被災地は電気も通じず、情報の命綱である携帯電話の電源もなくなり、キャリアによっては基地局アンテナもダメージを受けてしまって、現場の住民の不安は憤りに変わるようなタイミングだったとのことです。防災放送で告知したところ、電力供給と、N³の内部に搭載されたテレビで、まず、情報不安が解消されたことは、被災地の人々に大変喜ばれ、何よりこれがきっかけで、訪れた人が「毎日ここで会おう」と約束し合ったり、ここに来ない人の安否も話し合われるなどのコミュニティが生まれたことが「たすかる一歩」に繋がると感じたといいます。

 また夜間には、あえて蓄電した電気で照明器具を設置したところ「真っ暗な中で灯台のような明かりに勇気づけられました」との声も寄せられたといい、情報不安だけでなく、暗闇への不安もブラックアウト時には大きいことが伝わりました。

 その後は、情報を知った富津市へ移動。非常用発電機は備えていたものの、住んでいる地区によっては、お年寄りには移動が厳しい場所もあり、平坦な漁港に設置。携帯電話以外の充電需要も増え、被災からの日数で需要が変化する様子もうかがえたということです。

 こうした防災機器は、設置して終わり、風景のようにそこにあるのではなく、それをきっかけに、住民の方々が有事を考えるはじまりになることにむしろ意味があることを感じさせられました。


“自らがたすかる一歩を考える”パネリストの知恵が集まる貴重な機会に、官民問わず多彩な参加者が耳を傾けました。

 ↓↓ 次ページ「起きるかもしれないあらゆることを想定し、準備に万全を尽くすことが結果につながる」 ↓↓ 

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田舎暮らしの本編集部

田舎暮らしの本編集部

日本で唯一の田舎暮らし月刊誌『田舎暮らしの本』。新鮮な情報と長年培ったノウハウ、田舎で暮らす楽しさ、心豊かなスローライフに必要な価値あるものを厳選し、多角的にお届けしています!

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