市街化調整区域内の7DKの住宅
田畑は近隣に大小3カ所
「建物や庭木を見ると、もとはなかなか立派な住宅だと思います」と田中裕治さん。
広い農地を持ちながら大消費地に近い熊谷市はネギ、ヤマトイモなどの野菜をはじめ、大豆、小麦の生産も盛ん。とはいえ全国的に進む農業後継者の減少は、ここでも例外ではない。
物件は都市計画法で建築が制限される市街化調整区域内の住宅。農家が周囲の農地を耕作するためとして適用外で建てられた可能性が高い。しかし子どもは農業を継がずに市外に転出。やがて代替わりで相続したが、管理する負担も大きいため、大切に使ってもらえる人を探している。物件を担当する㈱リライトの田中裕治さんは言う。
「持ち主は近隣の農家にも譲りたいと声をかけたそうですが引き取る人もなく、広く探すしかないと、相談がありました」
また、住宅に合併浄化槽は備えられているものの、正規の排水先がないため、都市計画法の建て替えや増改築、用途変更などの許可は得られない。正規の排水先確保には長い私道部分に配管の敷設工事が必要で、費用的に見合わない。
「用途変更なしで住めるのは農家の資格を持つ人に限られます。農家が現状の建物を補修して住むのなら問題ありません」
建物は内部に動物が入っている形跡もある。大きな雨漏りはないが、水染みや建て付け不良なども見られ、シロアリ被害もありそう。とはいえ、床や柱はしっかりした感触。ほとんど開け閉めされることもなく10年以上も空き家状態だったわりに状態がよいのは、比較的湿気の少ない立地のためか。
大小3カ所の農地は住宅から徒歩数分。周囲にも耕作していない農地があるので、本格的な営農希望なら、これらを借地できないか農業委員会を通じて当たってみては、と田中さん。
「新規就農を志す方などにも、見ていただきたい物件です」
【物件データ】
埼玉県熊谷市
1円
土地:187坪・621㎡
延床:46坪・154㎡
菜園:約465坪
●7DK●宅地、畑、田●平坦地●市街化調整区域●築49年●水洗トイレ●高崎線籠原駅へ約5.2km、上越新幹線熊谷駅へ約6km●木造の農地付き農家住宅。付属の物置は未登記。農地部分は農振農用地のため農地以外への転用は不可。売買にあたっては農地法の許可が必要。農地部分は境界非明示売買(宅地は確定測量済み)。小学校へ約1.5km、中学校は約1.1km、スーパーへ約900m。
●問い合わせ先:㈱リライト ☎️045-620-8659(担当/田中・中川)
床の間のある2階奥の座敷は比較的きれいな状態。
3カ所の農地のうち、最も小さいのは、他所の農地に囲まれた36㎡の畑。
1階中央の和室6畳。家財があり経年感は大きいが、床の沈みなどは見られない。
ここは補修が必要
1階廊下の天井の染みは動物の侵入跡か。そのほか、要補修箇所は多いが、リフォーム会社に依頼したり、DIYや現状のままの使用など、判断次第でかかる費用は大きく異なる。
残置家財は要処分
住宅内に残された家財の処分は業者依頼で80万円ほどの予想。自治体処分場への自己搬入粗大ごみの引き取り料は10円/10kg。
ここは要検討
敷地内の物置。片付け・解体を業者に依頼すると重機が入れば80万円、入らなければ150万円ほどかかりそう。
物件の周辺環境
食品や日用品がお買い得のベルク柿沼店には車で約6分。ホームセンターも隣接。
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