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田舎暮らしの本 11月号

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田舎暮らしの本 11月号

10月3日(木)
890円(税込)

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【癒やし効果も抜群!?】田舎暮らしの喜びを格上げするヒツジとウマの飼い方とその利点:田舎暮らし専門家が教える、動物との暮らしを満喫するヒント

ウマは田舎生活での最高の友

ウマは田舎生活での最高の友

 昔から農耕や移動に重要な役割を担ってきたウマ。近年は乗馬によるホースセラピーも注目されています。しつけられたイヌのように従順で賢く、人や荷物を載せて運ぶこともできる力持ち。田舎暮らしの最高のパートナーとして活躍してくれます。

|自然豊かで土地が広い北海道がオススメ

 ウマを飼うのは、ほかの動物に比べると少しハードルが高い。大きなからだは400kgにもなり、健康を維持するためには適度に走り回れる放牧場が必要です。最低限100坪が目安となります。山道や河川敷など車や人通りを気にせず散歩ができる環境が身近にあれば、自然のフィールドにも連れ出しやすいです。厩舎(小屋)は、乗用馬で1間半×2間(約2.7m×3.6m)あればいいですが、放牧場と同じで、広いに越したことはありません。

1頭ごとに馬房が仕切られた厩舎。暑さに弱いので風通しをよくしておき、猛暑対策に扇風機も設置しておくといいでしょう。
1頭ごとに馬房が仕切られた厩舎。暑さに弱いので風通しをよくしておき、猛暑対策に扇風機も設置しておくといいでしょう。

 ウマはとても臆病な動物で、突発的な音にとても驚きます。生活音や車のエンジン音が絶え間なく聞こえるような場所はストレスになるので、静かな環境が求められます。

本来、ウマは群れで生活する動物なので、できれば2頭以上で飼うとウマにとってストレスがないです。きちんと調教された性格が穏やかなウマなら、子どもでも安心して乗ることができます。
本来、ウマは群れで生活する動物なので、できれば2頭以上で飼うとウマにとってストレスがないです。きちんと調教された性格が穏やかなウマなら、子どもでも安心して乗ることができます。

 1日のエサの量は体重の1.5〜3%といわれ、400kgのウマの場合6〜12kg。ボロ(フン)は4〜5%で16〜20kgにもなる。その処理方法も考えておかなくてはいけません。

エサはチモシーやアルファルファなどの粗飼料をそれぞれのウマに適した量で与えます。炭水化物やタンパク質、脂肪が多い「濃厚飼料」のやり過ぎは要注意。必要以上の栄養はウマを太らせ、脚にも負担がかかってしまいます。
エサはチモシーやアルファルファなどの粗飼料をそれぞれのウマに適した量で与えます。炭水化物やタンパク質、脂肪が多い「濃厚飼料」のやり過ぎは要注意。必要以上の栄養はウマを太らせ、脚にも負担がかかってしまいます。

 こうしたことから、ウマを飼うにはそれなりの広さの土地があり、隣近所を気にしなくてもいいポツンと一軒家が理想的。地域的にオススメなのは北海道で、広大な土地が手に入れやすいのはもちろん、日本一の馬産地であることからウマの入手もしやすく、エサの牧草も安く手に入ります。実際、酪農家などでウマを飼っている人も多く、日本のほかの地域に比べてウマを飼いやすい環境が整っています。ウマは、暑さは苦手ですが、寒さにはめっぽう強いので、マイナス20度にもなる北海道の冬も問題ないのです。

ウマの飼い方を教えてくれた桑原康生さん。茨城県石岡市の乗馬施設「風来里(ふらり)馬小屋」のスタッフで、自身も5頭のウマを飼っています。
ウマの飼い方を教えてくれた桑原康生さん。茨城県石岡市の乗馬施設「風来里(ふらり)馬小屋」のスタッフで、自身も5頭のウマを飼っています。

| 飼いやすいウマは?

 一口にウマといっても、競走馬、乗用馬、農耕馬、ポニー、ミニチュアホースなどさまざまな種類がいます。ただ、どんな種類であれ、飼いやすいのはきちんと調教されていて性格が穏やかなウマ。乗用する場合は、車と同じように試乗してから入手したほうがいいです。調教されていない子馬などは、乗馬施設などに預けて調教してもらってから引き取るという方法もあります。競走馬として活躍できなかったサラブレッドは安価に手に入ることもありますが、品種的に神経質で、気が荒いウマが多いので、扱いに慣れていない人が飼うのは難しいかもしれません。

きちんと調教されていて性格が穏やかなウマが飼いやすいとされています。
きちんと調教されていて性格が穏やかなウマが飼いやすいとされています。

ウマ飼育DATA

  • 飼育難易度★★★
  • 理想的な物件:隣近所を気にすることなく放牧できる100坪以上の土地。騒音がない自然環境が豊かな場所。
  • エサ:体調や運動量に合わせて粗飼料を基本にやり、必要に応じて濃厚飼料をやる。広い放牧地があれば夏はいつでも青草を食べられる。
  • 入手方法と価格:ウマを飼っている人や乗馬施設などに相談する。北海道や岩手県遠野市ではウマのセリ市も行われている。価格は乗用馬で数十万円~。100万円を超えるものも。
  • 飼育にかかる費用:エサ代のほか、定期的な蹄鉄の交換、獣医師による検診など、1頭当たり年間30万円~が目安。
  • 飼育に必要なもの厩舎、放牧場、馬具など。
  • 注意:400㎏にもなる大きな動物なので、飼育には危険も伴う。きちんと調教されていないウマを素人が飼うのは難しい。
  • 寿命:20~30年程度。

 今回は、充実した田舎暮らしを実現させるための相棒を紹介しました。ヒツジとウマの飼育は、田舎生活を豊かにする素晴らしい選択肢。ヒツジやウマは群れで生活する習性があるため、複数飼いが理想的です。また、ヒツジは静かで冷涼な地域が最適で、ウマは広大な放牧地と静かな環境が必要になります。これらの情報を参考に、自給自足の生活をより楽しいものにしてください。

 素敵な田舎暮らしを夢見ている方々も、ご一読ありがとうございました。

文・写真/和田義弥

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  • 田舎で自給自足的生活! 動物と暮らすための物件選び【ヒツジ&ウマ】
  • 草丈15㎝以下の短い草を好み、長く伸びた草はあまり食べません。リードをつけて杭につないでおけば、動ける範囲をきれいに除草してくれます。
  • ヒツジの毛刈りには専用のバリカン、またはハサミを使います。写真は毛刈りバサミ。
  • ヒツジを飼うことは手芸家の夢
  • エサはチモシーやアルファルファなどの粗飼料をそれぞれのウマに適した量で与えます。炭水化物やタンパク質、脂肪が多い「濃厚飼料」のやり過ぎは要注意。必要以上の栄養はウマを太らせ、脚にも負担がかかってしまいます。
  • 本来、ウマは群れで生活する動物なので、できれば2頭以上で飼うとウマにとってストレスがないです。きちんと調教された性格が穏やかなウマなら、子どもでも安心して乗ることができます。
  • きちんと調教されていて性格が穏やかなウマが飼いやすいとされています。
  • ウマは田舎生活での最高の友

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