ウマは田舎生活での最高の友
昔から農耕や移動に重要な役割を担ってきたウマ。近年は乗馬によるホースセラピーも注目されています。しつけられたイヌのように従順で賢く、人や荷物を載せて運ぶこともできる力持ち。田舎暮らしの最高のパートナーとして活躍してくれます。
|自然豊かで土地が広い北海道がオススメ
ウマを飼うのは、ほかの動物に比べると少しハードルが高い。大きなからだは400kgにもなり、健康を維持するためには適度に走り回れる放牧場が必要です。最低限100坪が目安となります。山道や河川敷など車や人通りを気にせず散歩ができる環境が身近にあれば、自然のフィールドにも連れ出しやすいです。厩舎(小屋)は、乗用馬で1間半×2間(約2.7m×3.6m)あればいいですが、放牧場と同じで、広いに越したことはありません。
1頭ごとに馬房が仕切られた厩舎。暑さに弱いので風通しをよくしておき、猛暑対策に扇風機も設置しておくといいでしょう。
ウマはとても臆病な動物で、突発的な音にとても驚きます。生活音や車のエンジン音が絶え間なく聞こえるような場所はストレスになるので、静かな環境が求められます。
本来、ウマは群れで生活する動物なので、できれば2頭以上で飼うとウマにとってストレスがないです。きちんと調教された性格が穏やかなウマなら、子どもでも安心して乗ることができます。
1日のエサの量は体重の1.5〜3%といわれ、400kgのウマの場合6〜12kg。ボロ(フン)は4〜5%で16〜20kgにもなる。その処理方法も考えておかなくてはいけません。
エサはチモシーやアルファルファなどの粗飼料をそれぞれのウマに適した量で与えます。炭水化物やタンパク質、脂肪が多い「濃厚飼料」のやり過ぎは要注意。必要以上の栄養はウマを太らせ、脚にも負担がかかってしまいます。
こうしたことから、ウマを飼うにはそれなりの広さの土地があり、隣近所を気にしなくてもいいポツンと一軒家が理想的。地域的にオススメなのは北海道で、広大な土地が手に入れやすいのはもちろん、日本一の馬産地であることからウマの入手もしやすく、エサの牧草も安く手に入ります。実際、酪農家などでウマを飼っている人も多く、日本のほかの地域に比べてウマを飼いやすい環境が整っています。ウマは、暑さは苦手ですが、寒さにはめっぽう強いので、マイナス20度にもなる北海道の冬も問題ないのです。
ウマの飼い方を教えてくれた桑原康生さん。茨城県石岡市の乗馬施設「風来里(ふらり)馬小屋」のスタッフで、自身も5頭のウマを飼っています。
| 飼いやすいウマは?
一口にウマといっても、競走馬、乗用馬、農耕馬、ポニー、ミニチュアホースなどさまざまな種類がいます。ただ、どんな種類であれ、飼いやすいのはきちんと調教されていて性格が穏やかなウマ。乗用する場合は、車と同じように試乗してから入手したほうがいいです。調教されていない子馬などは、乗馬施設などに預けて調教してもらってから引き取るという方法もあります。競走馬として活躍できなかったサラブレッドは安価に手に入ることもありますが、品種的に神経質で、気が荒いウマが多いので、扱いに慣れていない人が飼うのは難しいかもしれません。
きちんと調教されていて性格が穏やかなウマが飼いやすいとされています。
ウマ飼育DATA
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今回は、充実した田舎暮らしを実現させるための相棒を紹介しました。ヒツジとウマの飼育は、田舎生活を豊かにする素晴らしい選択肢。ヒツジやウマは群れで生活する習性があるため、複数飼いが理想的です。また、ヒツジは静かで冷涼な地域が最適で、ウマは広大な放牧地と静かな環境が必要になります。これらの情報を参考に、自給自足の生活をより楽しいものにしてください。
素敵な田舎暮らしを夢見ている方々も、ご一読ありがとうございました。
文・写真/和田義弥
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